藤沢店の田中です。
このたび、ニックメランソン(ロゴのNMの意味は、ニック・メランソンの頭文字であり、ニックメランソンと専属ラミネーターであるマックスコールドウェルの2人の頭文字を併せたものでもあります)が新たにシーコングのラインナップに加わりました。
以前にも書きましたが、一昨年より彼のボードを取扱うかどうかを迷っていました。
しかしながら、アレックスノストや亡くなったクリスから強く推薦されたことと、「シーコングにはいつの時代もカリフォルニアで最高のボードが揃っている」ことを今後10年、20年にわたって繋いでいくために、取扱うことを決断しました。
世界中には優れたサーファー、シェーパは星の数ほどいます。それ以外にも、腕前はそこそこでもプロモーションが上手く人気のあるシェーパーもたくさんいます。
しかし、そのような中からであれば何でもいいというわけではありません。
シーコングではニックメランソンだけではなく、扱うブランドについてはロビンやアレックスからの紹介であっても、以下の様な基準を設け厳選しています。
◎飛びぬけてサーフィンが上手いこと
サーフィンはとても感性的なものなので、シェープしたボードに加えた形状の変化がどのようにサーフボードの動きに影響を与えるのか感じるとることができなければ、理想に辿り着くことはできません。とびっきり優れたサーファーが何度もトライ&エラーを繰り返すことによって真の意味での”いいボード”が作られます。
そのために最高のボードを作るためには最高のサーファーである必要があります。
◎確固としたシェープ技術が備わっていること
また経験と才能に裏付けされたシェープの技術が必要です。
無垢の素材からボードの形状に仕上げるということはとても難しいことです。頭の中にある理想とするボードの形状を正確に立体的な形に変えることができるように、迷いなくプレイナーを操るための才能と経験が必要です。
◎オリジナリティがあること
シェーパーにはオリジナリティが必要です。他人のボードをコピーすることは簡単ですが、同じボードであればマシンを使えばだれにでも作ることは可能です。しかしちょっとしたレールやボトムの形状、テールやノーズの仕上げ方など、そのシェーパーにしか表せない味付けが評価を一変させます。
凡庸なボードと違い、一目見ただけで、”誰がシェープしたボードかわかる”ほど、優れたシェーパーのシェープしたボードは違うのです。
◎才能を持続できること
才能をを持続させることができるかできないかが、一流のシェーパーとそうでないシェーパーとの分岐点になります。
これは作家や画家などのアーティストにも共通していることですが、一発屋で終わるシェーパーもたくさんいるのです。一時だけ、何らかの理由によって雑誌などで取り上げられるシェーパーはいますが、何年にもわたって取り上げられるシェーパーの数がごく限られていることは皆さんにもおわかりいただけることと思います。
世間に評価されるためには、傑出した才能を出し続けることができなければなりません。
◎確固としたコンセプトと歴史観があること
このブログでも何度も書いていますが、コンテスト主体のスポーツサーフィンとは違い、シーコングが扱っているブランドはカルチャーとしてのサーフィンブランドです。
サーフィンカルチャーの中で最も重要なのは歴史観です。
この世界では新素材やハイテク技術が備わった何でも可能なサーフボードは評価されません。いつの時代からインスパイアされているのか?どのような時代背景にこだわってそのボードが作られているのか?が評価の決め手になります。
(ダクトテープなどの大会においてオールラウンドなハイパフォーマンスは評価の対象ではなく、クラシカルなマニューバーがひょかされているということは、その象徴的なことです)
ユーザーに言われるがままに何でも作るシェーパー、流行りの形状のボードを作るシェーパーはたくさんいます。しかし、”何でも屋さん”はどの世界でも評価されることはありません。少々偏った思い込みであっても、信念に基づいたこだわりを貫いていることが職人魂です。スポーツではなく趣味、カルチャーだからこそ、そのこだわりが重要視されているのです。
そういった意味でサーフィンカルチャーにとって最も重要な要素である歴史観を具現化できるシェーパーこそが評価されるのです。
◎スター性があること
どんなにサーフィンが上手く、シェープが上手く、いいボードを作っていても、その本人から発散されるエネルギーがなければ、多くのユーザーの方々の興味を引き付けることはできません。
多少破天荒であっても観ている人たちを楽しませたり、感動させたり、驚かせたりすることが求められます。
残念ながら優等生のサーファーは観ていても、そのボードに乗ってもすぐに飽きてつまらなくなるものです。乗るたびに感動を得ることができるサーフボードを作ることができるのは、シェーパーのスター性と大きくかかわりがあると思っています。
◎志が高いこと
親からは「進学してもっとまともな仕事につけ」と言われたり、自身の勢いを長続きさせることに不安を持ったりすることによって、シェーパーという大変な仕事に就こうと考える若い世代は減少しています。
ましてや、一時的な趣味や思い付きでシェーパーとして活動しても、それだけで生活を支えていくのは大変なことです。
そのような状況だからこそ、シェーパーとして生きていく志、覚悟を持たなければ一流のシェーパーにたどり着けないのです。
これらをすべて兼ね備えているシェーパーは実はほんの少数に限られますが、シーコングでは今後も最高のボードを販売し続けられるよう努めてまいります。
サーフボードの性質や性能はそれぞれですが、それよりも、とにかくこだわりを持った格好いいボードを手にすれば、もっともっと楽しいサーフィンライフが送れるでしょう!
次のボード選びに迷ったら、”迷わず”シーコングのラインナップからボードをお探しください。
皆様のご来店、お問い合わせをお待ちしております。
シーコング
田中