藤沢店の田中です。
カリフォルニアではウォーターマンズギルドが操業を再開したことにより、各ブランドから徐々にボードの入荷案内が届くようになりました。
近日中に入荷しそうなのは、ハーバー、ガトヘロイ、ウェーバーの順となりそうで、それにゴールデンステートからすでに出荷されているBMTが加わりそうです。デーンピーターソンもせっせと作業を進めているようで、バリではジャレッドが新しいボードのシェープと新しいフィンのデザインに取り組んでいます。
とりあえずは今週にはハーバーが出荷されるので、5月20日水曜日にはBMTとあわせて藤沢店に到着予定です。
営業時間を短縮し、お客様のご来店も少ないこの時期にボードがどんどんと入荷してもという思いもあるのですが、やはりNEWボードの入荷は何年経ってもいつだって刺激的です。
さて皆さんも気になっていただいているロビンキーガルですが、スコーピオンベイに避難(逃避)して以来、キャンプ生活を続けていましたが、砂漠独特の蜂とハエと砂嵐に悩まされ、ワイルドでありながら実際には恵まれた環境でわがままに育てられていたため早速ながら我慢の限界に達し、現在はサンワニコの街中に(街中と言っても人口200人くらいですが)部屋を借りたようで「とてもリラックスできて気に入っている」と連絡が来ました。
そしてその翌日には、ちょっとよりを戻したいと思っている昔の彼女の誕生日がわからないので「もしお前がフェースブックで彼女の友達なら誕生日を調べて欲しい」と相変わらず自分勝手な命令が届きました。(自分勝手と言えば、以前サーファーズジャーナルにロビンの特集記事が組まれた際には、ずっと昔を振り返り「あの頃は免許を持ってなくて行動範囲が狭かったけど、日本からたまに来るトシは英語はあんまりうまくなかったけど、いつもレンタカーを借りていたので、トシが来たときには、すかさずレッツゴーだった」なんてことも書いてありました。泣く々・・・)
永遠にこの先ロビンが砂漠のど真ん中にいるとは思えませんが、どうやら当分は動きを見せなさそうなので、渡米が問題なく再開されたときには、首輪を携えてロビン狩りに行こうと思っています。
話は戻りまして、これからやっといろんなボードが各ブランドから入荷することになりましたが、「これからボードを買おうと思っているんだけど、どう選べばいい?」という方のために、あらためて“後悔しないボード選び”につきまして、以下の3パターンに分けてご説明させていただきます。
ポイントは以下の3つです!
◎ご予算で選ぶ場合
◎テイクオフ性能で選ぶ場合
◎その他の性能やこだわりで選ぶ場合
まず「◎ご予算で選ぶ場合」についてご説明させていただきます。
ご予算は人それぞれですので、ボード選びに際し「ご予算は変えないほうがいい」と思います。
ボードの価格はピンきりです。低価格なボード、高価格なボードにはそれぞれ理由があります。一般的にブランドの人気やボードのコンディションの他にも、乗り易さも価格に反映されます。
しかし、サーフボードはゴルフクラブなどと同様に高ければ性能が良かったり、自分の技術や能力が飛躍的に向上するわけではありません。中には、高く人気があるボードであっても乗りにくいというボードもあります。
ポイントは「予算は変えなくてもいいので、自分の体格にあった乗りやすいボードを選ぶ」ということです。
いくら低価格でも“安かろう悪かろう”ではサーフィンを楽しめません。
ご予算を低めに選ぶ方の多くは「初めてのボード」をお探しの方だと思います。
「とりあえず自分で何をしたいのかわからないので、安めのボードを買って、上達したらいいボードを買おう」という方です。
そして「ボードのこともよくわからないので“オールラウンド”タイプのボード」ということになります。
このようにしてボードを選んでしまうと、結果的には本来必要な浮力が足りず、人並みにテイクオフできず、上達どころかサーフィンを楽しめないボードを購入することになってしまいます。
ということで、ご予算は変えずに、多少コンディションは悪くても、ご自分の体格、技量に見合った“たくさん波に乗れるボード”をお選びすることをお勧めいたします。
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次に「◎テイクオフ性能で選ぶ場合」についてご説明させていただきます。
テイクオフにまったく不安がない方にとっては信じられないかもしれませんが、多くの方が波をキャッチすることに不満を抱えています。
サーフィンは経験値が重要ですが、週に一度の休日に海に行くだけではなかなかその経験値も増やすことはできません。
その足りない経験値はボードで補うのが手っ取り早い方法です。
シーコングでお勧めしている“銀河系最速のテイクオフ”を誇るデューイウェーバーの『パフォーマー』『スタイリスト』、テイクオフとあらゆる性能のバランスが最高のクリームの『ファットキャット』、パドル力の衰えを感じる方に方のフランを軽減するハーバーの『プランテイン』は、他のボードとは次元が違うテイクオフの性能があります。
「大して変わらないだろう」と思っている方でも実際に乗っていただければあまりの違いに驚きます。
テイクオフの性能向上に必要な要素は色々ありますが、ほとんどのシェーパーはご自身が上級者のため、それらの要素を詰め込んだボードを作ることができず、様々な正反対の要素を盛り込みます。
しかし一般的にサーフィンを楽しみたいほとんどの方々は、シェーパーとは違いますし、まず波に立つことに対して満足を得られていません。
サーフボードは単純な形ですが、少しの違いが性能に大きな影響を及ぼします。ボードを変えればサーフィン人生がまったく変わるほどその効果を実感できます。
ということで、もっと楽しく簡単にサーフィンを楽しみたいなら「テイクオフの速いボード」という条件を最優先にお選びください!
最後に「◎その他の性能やこだわりで選ぶ場合」についてです。
ロングボードを性能やこだわりで選びたいという方は、上記のステップをうまく乗り越えてきた方だと思います。
ご自分の技量を理解し、もうちょっと格好いいボードにしたいとか、やりたいことが叶えられる
多くの方は次のサーフボードを選ぶ場合、今のボードよりも性能の良いボードを欲します。
これは当然のことですが、どれくらい性能の良いボードをお求めでしょうか?
サーフボードは1950年代に一般的に普及しだして、1960年代になると一大ブームとなりました。
当時のサーフボードは9ft~10ftくらいで非常に重いものが主流でした。
現在のボードのようにロッカーがなかったため、ボード全体を移動して前後、左右のバランスでボードを波に乗って滑らせることがサーフィンの醍醐味でした。
ノーズに長くステイしたり、自在にカットバックをするということは至難の業でした。
そのような時代を経て、1967年ころになるとオーストラリアでサーフボードをもっとコントロールしやすく工夫がなされサーフィンのスタイルも大きく変わってきました。いわゆる“ショートボードレボリューション”の幕開けです。
1969年ころになるとボードのサイズは9ftを切るものが目立ち始め、1970年になるとほぼすべてのサーフボードがショートボードとなりました。
その後はずっと“いかにサーフボードを波の縦方向に動かすか。空中に飛び出すようなスピードとパフォーマンスができるか”ということにフォーカスをされ、現在のWSL(ワールドサーフリーグ)のトップサーファーたちのスタイルに発展してきました。
そのために、“サーフィンとは(ショートボードのように)ボードを動かすこと”が多くの方々に意識付けられました。
ロングボードにおいても同じで、1980年代のリバイバル以降、ショートボードのようにロングボードを動かすことが目的とされる時代が続きました。
しかし「それってロングボードの楽しさを損なっている。本来のロングボードの楽しさが失われている」と考えるサーファーたちが現れ始めました。時代の流れに風穴を開けたのがジョエルチューダーであり、マットハワードであり、若き日のデーンピーターソン達でありました。
彼らはロングボードの原点=サーフィンの原点は波に乗ること、それを楽しむためにボードをトリム(バランスを取って)してグライドさせること、と明確に発信するようになりました。
そしてそれに呼応するようにその意識はカリフォルニアから加速度的に全世界に波及していきました。
それらの考えを更に発展させ、ボード作りに昇華させたのがロビンキーガルであり、彼のアイデアや考え方は模倣も含め世界中のシェーパーに影響を与えました。
彼らの考えるサーフィンのベースとは「昔の楽しかったこと」へのノスタルジーであり、ピュアに“波に乗ること”を楽しむことでした。
だから彼らはロングボードに対して新しいものを求めることはありません。
性能がいいからといってビンテージのクラシックカーに最新式のレーシングタイヤを装着しないのと同じです。ビンテージのスポーツカーには、スピードを追求してもやはり昔のタイヤを付けたがるのと同じです。
そういった感性が世界中で共鳴され現在の世界のロングボードシーンの中心になっているのです。
しかしながら、多くの方がボードを選ぶ時になると口を揃えて“性能”の話をし、よくよく話を聞くとロングボードに乗りたいのに、ショートボードに乗っている自分の姿を想像するかのごとくコントロール性を重視されます。ショートボードとはいかなくとも「やっぱり短いほうが動かしやすいでしょ」と話されます。そしてその「動く」とは、ショートボードのようにアップスで加速しながら波の縦方向にボードを動かすこと、に行き着きます。
お客様は次のボードに今のボードより高い性能を求めることが多いのですが、シェーパーの視点は必ずしも性能の向上にあるのではなく、むしろより強いこだわりでボードを作ることなので、そこに大きなギャップが生じることが多々あります。
どんなボードをお客様が選ばれようともお金をお支払いいただくお客様の自由であることは当たり前なのですが、せっかくご購入いただいたボードがご本人が本当に欲しかったものでなく、ご満足をいただけなかった場合には残念な気持ちになります。
その原因がお客様にボードの違いをご説明できなかったということであれば、その責任は私達にあります。
そのために、ボードそれぞれの特徴の違いをご説明し、なおかつロングボードそのものの特徴と楽しみ方、ロングボードはファンボードやショートボードとは根本的に違うことをご説明させていただいています。
ロングボードはパフォーマンスを競うものではなく、波に乗れることを楽しむものだということ、そして車などと同様にその中に様々な種類があります。
シングルフィンロングボードだからといって、すべてがノーズライダーなわけでなく、すべてが重くてコントロールしにくいものでもありません。
またその逆に、シングルフィンロングボードだからといって、どのボードでもうねりから波をキャッチできるわけではなく、小波だけで楽しむものでもありません。
ロングボードは多様だからこそ、長く楽しむことができます。
本当に自分が欲していたのとは違うボードを買ってしまい、「これ調子悪いね」とならないために、この時期だからこそサーフボードの種類などにご興味を持っていただければと思います。
⇒まだ「サーフボード総合カタログ」を手にしていない方はこちらからお申し込みください。全国無料で発送させていただいています。
手前味噌な話ですが、シーコングで取り扱っている各ブランド、特にガトヘロイ、エルモア、ダノー、サーファビリー、アンヒンジドなどの若いブランドがなぜ世界中で人気を博しているのかというと、彼らは上記のようなサーフボードの歴史について精通し、「サーフボードとは?」ということに関しぶれないベースの考えがあるからです。
彼らは1967年以前のサーフィンカルチャーを愛し、そのためにそれ以降に開発されたサーフボードのデザインを取り入れることはありません。巷のブランドのラインナップと比較してみればそれは明らかです。ダウンレールのボード、サイドフィン付きのロングボードなどをラインナップに加えている時点で“別物”とみなされるわけです。
それは彼らのサーフィンスタイルにも共通しています。だからこそ彼らは評価されていると確信しています。
日本のシングルフィンロングボーダーの第一人者である中村清太郎くんも、今やガトヘロイに!
Gato Heroi "Smooth Operator"
ノーズライダーに乗る雰囲気とは一変、ボードの違いに合わせてライディングスタイルも簡単に変えられるところが、さすがプロ中のプロです!
新型コロナウイルスが一日も早く収束を迎えますように!
シーコング藤沢店
田中
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