藤沢店の田中です。
先週の金曜日、久しぶりにカリフォルニアから36本のクリームのボードが届きました。
すでにほとんどのボードには予約が入っていますが、徐々に現地のファクトリーも通常稼働に近づいてきていますので、まだご希望のボードが届いていない方、これから新しいボードを探そうかという方々、ぜひ今後も期待してお待ちください。
ウェーバーの『パフォーマー』、『スタイリスト』と並び、絶大な人気をいただいているクリームの『ファットキャット』。
その人気の秘密は何と言ってもそのボード幅から生み出されるテイクオフの速さです。
速いテイクオフができる理由を挙げてみますので、現在のボードに満足されていない方、次のボードをご検討中の皆様、ぜひご自分のボードと比べてください。
●ボード幅
・・・ボード幅は絶対に59.0㎝以上必要です。女性でも男性でも、小柄でも、体重が軽くても、体格に比例して幅を狭めてしまっては、パドリング時のボードの安定感は得られません。
●ロッカー
・・・ロッカーはできる限り抑えられていなければなりません。ロッカーがないとパーリングしてしまうというのは間違いです。ロッカーが強いとパドリングのスピードが遅くなってしまい、波に追い越されるのでテールを持ち上げられてパーリングするのです。ロッカーが抑えられているボードはパドリングでボードが加速し波のスピードに同調させることができるので、パーリングはしないのです。
●アウトライン
・・・上述のように全体的に幅が広いほうがパドリング時のボードの横揺れを抑えるのでスピードが付きテイクオフが速くなりますが、波は後ろから来るのでテールの幅も広いほうがその力を十分に受けることができます。
テールの幅とは先端の形ではなく、テールから1フィート(30.5㎝)のところのボードの幅のことを言います。
ちなみに、スタイリストは 16 3/4インチ(42.5㎝)、ファットキャットは 16インチ(40.6㎝)あります。
●ボトム形状
・・・ボードの横方向の揺れを防ぐために、ボトム面は平らなほうが絶対に有利です。またボードのスピードを押し殺す縦方向の凹み(ノーズコンケーブなど)もテイクオフを速くすることの
妨げになります。
つまりノーズコンケーブ、VEEボトムなどはないほうがボードはスムーズに加速します。
以上のような条件を併せ持つボードを、人によっては「動かない」と評します。
そのような方は、“ボードを動かすこと”(アップスして、ボードを縦方向に当てこんだりすること)がサーフィンのすべてだと思い込んでいるのです。
サーフィンは多様です。ショートやロングなどの長さの違いだけではなく、フィンの数やテールの形状も様々です。しかもそれらの目的や楽しみ方も無限にあります。
どれが一番ということではなく、サーフィンを楽しむためには、それらが生まれてきた歴史の流れを知っておくといいと思います。
ごくごく簡単に言えば、サーフボードの歴史はこのような感じで変化してきました。
1.クラシックタイプの重いシングルフィンロングボード
映画『ビッグウェンズディ』の中でマットジョンソンらが乗っていた、皆さんが想像するビンテージボードのような重くてロッカーのないボードです。
2.ロングボードが短くなる寸前の、進化したシングルフィンロングボード
1967年に制作された『ホットジェネレーション』中のライディングのようにロングボードが旧来の形を継承しつつハイパフォーマンス化したボードです。
3.急激に短くなったシングルフィンショートボード
ジェリーロペスらに象徴される短くボリュームがあり、ティアドロップ状に絞り込まれたアウトラインを持つショートボードなどです。
4.ツインフィン/フィッシュ
より縦方向の動きでコンテストシーンを席巻したボリュームがある初期のツインフィンボードなのです。
5.スラスター(3フィン)ショートボード
80年代頃より急激に進化し、現在も進化を続けるコンテストサーフボードの頂点です。
その後、ロングボードだけの流れだけを見ると
6.ショートボードのように動かすサイドフィン付きロングボード
薄くロッカーが強く、テールが絞り込まれたサイドフィン付きのロングボードです。乗りこなすためにはトリム&グライドではなく、アップスンで加速し続けなければなりません。
7.シングルフィンノーズライダー
ジョエルチューダーに代表されるようにパラレルなアウトライン、フラットのロッカー、スピードを抑える大きなノーズコンケーブの重量があるボードです。
8.スピードシェープ、グライダー
1960年代のコンセプトを踏襲しながら高性能にチューニングされたボードで、上記の鈍重なフィーリングの正反対に位置します。ロビンキーガルのクラシックキラー、ザーベルなどに代表されます。
9.ホットジェネレーション、トランジション系ハイパフォーマンスピッグ
古典的なロングボードが最も発展した1967年頃のロングボードの形状をデーンピーターソンによって復元された現在の世界のロングボードシーンの象徴的なボードです。アレックスノスト、ジャレッドメルらによって世界に広められています。
上記を見ると、3、4、5以外がロングボードの流れです。
このように時の流れによってロングボードも変遷を重ねているのですが、3、4、5を経験した方のほとんどが「サーフィン=ショートボードのようにボードを動かす」ということにこだわって(とらわれて)いるために、多くの方までもロングボードに乗ってもショートボードのように動かしたいと思ってしまい、6のようなボードを購入したり、7、8、9のタイプのボードを購入しているにもかかわらず、6のボードのようなスタイルで乗ろうとしたりするのです。
それは物理的に不可能なので、それらの方に言わせれば「ボードが悪い」となってしまい、さらに矛盾した深みにはまってしまうのです。
しかしこれらの流れを捉えていれば、「自分のボードは〇〇だから」と納得するのは簡単です。サーフィンの姿は時の流れにそって変化しているのです。
元来、サーフィンとは“ボードで波に乗ること”が目的です。
“波に乗ること”を楽しむために、まず環境に応じて小さい波でも、スキルがなくても“波に乗りやすい”ボードを選ぶことが重要です。
もちろんそのようなボードが動かないわけではありませんが、サーフィンの醍醐味は波に乗ることです。
だからどんなボードを選ぶ時でもまず「テイクオフがしやすいこと」は重要です。特に、週に1回しか海に行けない、海から離れた場所に住んでいる、まだまだ始めたばっかり、なかなか上達できない・・・という方々にとって、たくさん波に乗ることは最も重要です。
サーフィンは「自由」なものです。周りの人と同じように乗ったりする必要はないのです。
気持ちよく波を捕まえ、優雅に波に乗れれば最高です。
その楽しみを味わうために、今一度「テイクオフが速いボードの条件」をご覧ください。
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シーコング藤沢店
田中