藤沢店の田中です。
明後日、フランスからクリームとガトヘロイが入荷します。
『ファットキャット』の入荷につきましては、後ほど中村からご案内させていただきますが、ガトヘロイからもカスタムボード含め5本入荷いたします。
・サファー(SURFAR)
・サファー(SURFAR)
・ザーベル(SZABRE)
・ザーベル(SZABRE)
・アシッド(ACID)
箱を開けてみるまでは、どれがカスタムかもわからないのですが、金曜日の朝から入荷作業をいたしますので、ロビン・キーガルのハンドシェープボードが気になる方はぜひ、ご注目ください。
ところで、皆さんはこちらの映像をもうご覧になったでしょうか?
ロビン・キーガルのザーベル(SZABRE)でのライディングです
相変わらず、一般的なロングボーダーとは異質な動きをしています。
彼のこのサーフィンをご覧になってうまいと思うかそうでないかは別として(実際にはこのようなサーフィンをできる人が周りにいないことを考えれば相当レベルが高いのは当然ですが)、ロビンはこのようにしてボードの形状やサーフィンの次のスタイルを切り開いてきました。
1990年代のロングボードはオールラウンドやハイパフォーマンスが全盛であったり、2000年ころにはジョエルのノーズライディングが主流であったりしましたが、昨今の「ダクトテープ」などを観ていると、同じシングルフィンロングボードに乗っていても彼らのサーフィンのスタイルが変わってきているのがお分かりになると思います。
アレックスとともにポストジョエル・チューダーのシーンを築き上げたのがロビンですが、アレックスを含め多くのサーファーがその後、サイズの違うボードに乗り始めましたが、ロビンは相変わらずロングボードの進化にこだわっています。
それは元々彼が住んでいたカリフォルニアのオレンジカウンティ周辺の事情によるところも大きいと思います。
日本から見るとカリフォルニアは一つの州で、その中のサーフシーンの違いはあまりピンときませんが、実際には大きく異なります。
カリフォルニア州の中央部から北にかけては波のサイズやパワーもあり、しかも寒いのでサーフィンが少しスポーツ的な雰囲気を持っています。
オレンジカウンティの南に位置するサンディエゴ周辺は昔からボードを進化させることに余念がありません。ずっと以前はフィッシュを生み出したり、現在も非対称系のボードなどを作ったりしています。
そしてオレンジカウンティはというと、それはもっとカルチャー的な部分が色濃く感じられます。
ある日突然、スワップミートで購入した50年前のボードを持ち出して着たり、いきなりボードにエアスプレイで絵を描いたりと、完全な遊びの延長にサーフィンがあります。
うまく乗ることよりも格好いいことが優先されます。その格好良さは古着や古い車の自慢に似ていて、単純に「それいいね。それ格好いいね。」という感覚です。
アメリカの西海岸では「サーファー」といえば“一般的な社会に適合できない人々”の代名詞に使われることが多いのですが、これはオレンジカウンティ周辺にたむろするロングボーダー達のライフスタイルに由来しているといってもいいでしょう。
彼らはサーフィンの楽しさがテクノロジーの進化によってもたらされるものではなく、むしろ古き良き時代を今に感じることに価値観を感じているので、そのレイドバックしたライフスタイルが一般的に「サーファー」と言われる所以です。
それによって雑誌などで取り上げられるサーファーはアレックス、ジャレッド、ロビンなどのオレンジカウンティ出身のサーファーがメインになるわけです。
彼らはサーフィンがうまい以上に、「やっていることが格好いい」と思われているのです。
だから彼らは最新鋭のスラスターのショートボードやスタビライザー付きのロングボードには乗らず、ウェットスーツは昔のままの「オールブラックスーツ」を選ぶのです。
話を戻し、ロビン・キーガルは「カリフォルニアが嫌いだ」と言って、現在フランスに住んでいますが、ことサーフィンのことに関してはオレンジカウンティのカルチャーを完全に踏襲しています。
彼のボードは上記のようにロングボードシーンをけん引する最先端ではありますが、テクノロジーの進化かというとそうではありません。
彼のコンセプトである「ショートボード革命がなければロングボードはもっと進化していたはずだ」というのは、新しい素材や画期的な力学を応用してボードの真価を目指しているのではありません。
昔のボードのコンセプトをより高めることを「自分がサーフィンをする」という経験値で行っているのです。
たった1本のサーフボードを作るために何本も試作を繰り返すという大変な無駄なことをやっているのです。
「お前は1本のボードを売って5万円を手に入れるために、いったいいくら使ってるんだ?」日本人の私はそう思うのですが、これが彼の生き方であり、カリフォルニアの「サーファー」の生き方でもあるのです。
だからそんなロビンが作るボードを手にしていれば「お前わかってるな!」となるわけです。
ピンとこない話かもしれませんが、彼のボードはこういったバックグラウンドがあるからこそ「本物」として認められていることをお伝えしたかった次第です。
そのようなことを考えながら、今一度ロビンキーガルのライディング、彼の作った映像をご覧ください。
彼の才能が只者でないことがお分かりいただけると思います。
⇒ガトヘロイの在庫
皆様のお問い合わせ、ご来店お待ちしております。
シーコング藤沢店
田中
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