藤沢店の田中です。
先日からご案内しておりましたとおり本日カリフォルニアからボードとフィンが入荷しました。
フィンはご案内のとおり大量入荷でしたが、ボードにつきましては相変わらずの体たらくぶりで予定していた半分も入荷しませんでした。
来週こそは大量入荷でございますが、まずは本日入荷した中からとっておきのボードをご紹介させていただきます。
今や最も入手困難なボードとして、噂は聞いたことが会っても見たことがある方が少ないと言われるほどのマニア垂涎のガトヘロイの『ザーベル』ですが、本日入荷した2本のカスタムボードはすでに以前に作られた方のものであり、いわゆるダブリオーダー分となってしまったため、奇跡的にフリーの状態になりました。
現在発売中の雑誌「BLUE.」をご覧になっていただければおわかりのとおり、現在世界の著名なサーファーは皆、グライダーまたはスピードシェープを必ず1本はそのクィーバーに加えています。
サーフィンの最もシンプルな楽しみである“波に上を滑る”ことを純粋に楽しめることがその人気の秘密ですが、このムーブメントを作り出したのは紛れもなくこのロビン・キーガルです。
以下は、ちょっと以前、某雑誌の原稿用に書いたものですが、没になりましたので、ここでご紹介させていただきます。
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昨今、スピードシェープ、グライダーなどのボードが巷でフォーカスされつつありますが、これはピッグブームの火付け役がアレックスノストとロビンキーガルによってであったように、今回のブームについても明らかにロビンキーガルによってなされたものです。
もちろんずっと以前からスピードシェープ、トリムグライダーというものは存在し、その代表格にスキップフライがいたのですが、それは過去からの踏襲した一部分であって、今回のブームの火付け役とは違います。
なぜなら現在のシングルフィンロングボードのメインストリームであるダクトテープにおいて2012年のビアリッツで行われた大会以前はそのタイプのボードに乗るものは皆無でした。
この大会においてはじめてそのタイプのボードを持ち込んだのはロビンキーガルで、彼のチームライダーであったクロビス・ドニゼッチとともにスピードシェープのクラシックキラーというモデルを使用しています。
それは1960年代からあったスピードシェープのボードのスピードという最もその特徴的である部分をさらに強調するために、過去のものに比べロッカーが抑えられ、よりボリュームの薄いレールフォイルが採用され、直進性が重視されていました。
その大会においてそれを使用したロビンは、ボードの出来には満足しながらもダクトテープというコンテスト形式をとるイベントの中では十分なパフォーマンスができないことを感じ、新たなモデルの開発に取り組みました。
そしてその翌年、ヌーサで行われた同大会において、彼はスピードシェープからトリムグライダーに軌道修正し、その特徴を生かしながらパフォーマンス性能を高めたサーベルというモデルを持ち込みました。
この時点でダクトテープに招待される著名なサーファーの誰一人も彼のコンセプトを理解してはいませんでした。ノーズライディングを主体とした組み立ての中にスピーディでトリッキーな動きを可能にするピッグをほとんどのサーファーが使用していたのに対し、ロビンのボードはより高速なため波のポケットを大きく抜け出し、そのために大きなカットバックを行うという大胆でダイナミックなサーフィンを披露しました。
彼はシングルフィンロングボードの最大の醍醐味はスピードとトリム、グライドにあることを実践して、他のサーファーに衝撃を与えました。
それ以降、彼はトリムグライダーであるサーベルのもっともコアな部分であるスピードとダイナミックなコントロール性にフォーカスしマイナーチェンジを繰り返し、極限までレールフォイルをそぎ落とし、フィンを補足レークのあるものに変え、前方にセットしました。
それが現在のザーベルといわれるモデルです。そのため彼のザーベルは他のブランドから作られるトリムグライダーとは全く異なり、波の上を滑るのではなく、表面を滑走し、10ftサイズのボードでは不可能な機敏で大きなターンを可能にします。
私は当時を含めほとんどのダクトテープを観戦していたただ一人の日本人です。ロビンの先見性と独創性がその場の優秀なサーファーたちに刺激を与えていたことをこの目で見ています。
以上のとおり、ピッグのムーブメントと同様に2012年からロビンによって始められた一連の動きが昨今のブームにつながっていることは明らかで、すでに他の追随をまったく許さないものであり、ロビン自身が他のシェーパー達と自分のコンセプトを一緒くたにされることを嫌うため、あらためてご説明させていただきました。
★グライダーによる最先端のライディング
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シーコング田中