大阪店の田中です。
大阪店のレジの横にこんな雑誌が置いてありました。
ご存じの方も多いと思いますが、この中で2012年、カリフォルニアからフランスに移住するときのロビンについての特集が組まれています。
題名は「もし、フィルエドワーズが月に行くのなら・・・」というものですが、読み返していると懐かしいというよりも、私がロビン(ガトヘロイ)の魅力について皆さんにお伝えしたいことはまさにここに書かれているとおり・・・という感じがしました。
かねてから私はロビンについて「他のサーファー、シェーパーと違う」ということを強調してきましたが、実際にロビンのシェープしたボードをご覧になったことがない方には、その意味がなかなか伝わっていないと感じていました。
どうにかして彼のことに興味を持っていただき、彼の作ったボードを触ってみていただければと思っているのですが、私の稚拙な文章ではなかなか皆様の心を掴み取ることができていません。
そこで文中の幾つかのフレーズをご紹介させていただき、あらためて彼の特異性を知っていただければと思います。
★彼が今、フランスでの仕事に費やしているエネルギーの半分でも、カリフォルニア時代に発揮していれば、普通に成功していただろうよ・・・・・結局、彼はフランスでもエネルギー全開でシェープとサーフィンをし、フランス人にもそれを求め続けたので、結局折り合いが合わなくなり、昨年末より古巣のカリフォルニアに戻りました。しかし、そのカリフォルニアでは幼い頃から蓄積された彼の悪評によって人々が彼を敬遠してしまうので、またまた疎外感を感じ現在はフランスに戻ってしまい、「もうカリフォルニアには帰りたくない」と言っている始末です。
★キーガルは昔からトラブルメーカーで、しかもそのトラブルで被害を被るのはきまって周りにいるものである・・・・・私はその被害にあったいい例で、SWATに射殺されそうになったことが1回、その他に警察沙汰が5回あります。シーコングの数タッフの経験を加えると警察どころかギャングに「まとめて殺す」と脅されたこともあります。また私は午前4時の六本木に彼を救出に行ったことが2回あります。
★彼は狂っているわけじゃない・・・・・狂っているようにも見えるのですが。
★ロビンは常に未来志向な男。ただその度が過ぎて・・・・・一見普通のときもあるのですが、日常の80%はこんな感じなので一緒にいるとエネルギーを吸い取られる感じです。
★レールワークが象徴的な現代のスタイルにクラシックなドロップニーのカットバックを融合させたそれは、もはや権威といっていいだろう・・・・・世界を代表する権威ある雑誌「サーファーズジャーナル」でのこの表現は最高の栄誉であり、また彼がいかに特別な存在であるかを物語っていると思います。
★ロビンのボードでサーフィンすると上達する。ボードを的確に操ることを強要されるというか、結局そのボードが正しい波の乗り方を教えてくれるんだ・・・・・これこそが一見難しそうに見える彼のボードの魅力であり、ファンの皆様を代表する声だと思います。
★「昔ながらの文化をなぞっているわけでも、小手先で小遣い稼ぎをしているわけでもない。彼がやってきたことはどれも革新的だった。いつもみんなの少し先を行っていて、本来彼が得るべき勲章はないけれど、わかる人にはわかっているという感じだ」とアレックス・・・・・スーパースター同志の最高の褒め言葉ですが、残念ながら現在は不仲の二人です。こんな表現で評価されるサーファーは珍しいでしょう。まさに「わかる奴にはわかる」のでしょう。
★多くのアメリカ人が様々な理由で母国を去り、フランスへ移住した。文学の世界でいえばヘミングウェイやフィッツジェラルド。ジェズではパド・パウエルやデクスター・ゴードン。サーファーでいうとドラ。まるでキーガルは同じ道を辿っているかのようだ・・・・・再度、最高の褒め言葉です。ロビンの嗜好と思考にはまさにそんな崇高の気配を感じる時があります。
以上のように、権威ある雑誌にてその得意な人間性が取り上げられ、しかもいくつかの最大級の評価を得ていること自体が、ロビンキーガルとその他大勢の一般的なサーファーを区別していることがわかります。
カリフォルニアには星の数ほどのシェーパーがいます。またそれ以上に上手いサーファーがいます。
しかしその中で頭角を現し、影響力を持つ者はほんの一握りです。
まずはいいボードを削るためにサーフィンが人並み以上に上手いこと。そしてそのフィードバックをシェープにいかし、なおかつオリジナリティが必要です。
そしてそれ以上に、それを続けることとエネルギッシュに発散することも必要です。
結局、そのすべてを兼ね備えたごく一部のサーファー達数名のみによってサーフシーンは牽引されています。
10月にはアレックスの来日とショーを控えていますが、今回のショーのために彼はサーフボード史上に重要とされる5本のボードのレプリカを作成し、展示いたします。
彼らにとってはサーフボードは単なる形だけのものじゃなく、歴史的な背景とバックグラウンドのストーリーが重要なのです。
“それをわかって作っている者と影でこっそりと似たようなボードを作る者とははっきりと違うんだ”と痛烈な批判を口にします。なぜなら、彼らにとっては“たかがサーフィン、されどサーフィン”なのです。
ロビンから話はそれましたが、彼のボード、またアレックスやジャレッド、トロイ、ダノーのボードの魅力にはそんな根底のこだわりに包まれているから魅力的だと思います。
次のボードはぜひ“こだわり”をもってお選びください!
では、明日の入荷をお楽しみに!
シーコング大阪店
田中
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////