藤沢店の田中です。
この2年間、何度海外行きのチケットを予約キャンセルを繰り返したかわからないほどですが、新型コロナウイルスが徐々に減退の兆しを見せかけたところ、ロシアのウクライナ侵攻と世の中の状況は目まぐるしく変化し、再び飛行機がキャンセルされるのかなあと思っていたところ、今のところ私が予約している便は経路はともかく運行されるようです。
まずはやはりロビンに会うのが先決で、もちろんそれは彼のハンドシェープボードを再び日本に送らせるためです。
ご存じのとおり彼がボードを作っていないのはコロナの影響ではありません。莫大な遺産を相続し、それによって膨大な無駄遣いをしても以前のように生活がひっ迫することがなくなったことが大きな理由です。
その間には新しいバイオフォーム(100%リサイクルの油で作られたサーフボードの素材)の開発に取り組んだり、ごくわずかのボードは作っていたわけですが、以前のように本格的にシェープに取り組んだような気配はありません。
遺産という理由と重なってロビンがシェープをしていないもうひとつの理由は、以前も書きましたが彼が充電中であるのではないかということです。
シェープしたボードのサインを「Robin Kegel」から「RK」に変え、製作本数を減らし、自分の本当に作りたいものだけに集中してボードを作るようになり、それによってそこから創り出されたサーフボードはまさに芸術品と呼べるにふさわしい、洗練の極みといえるものでした。
私はそれだけに彼が「やり切った感」を得たのではないかと思っています。ロングボードからミッドレングスまでサーフィンの歴史を辿り、30代の半ばにしてすでにその境地に達した彼が作ったボードは機能性、クオリティ、美しさ、オリジナリティなどすべてにおいて完璧です。
だから彼は次のサーフボード、次の生き方、コンセプトを模索している最中、つまり充電中であると思っています。(私が勝手に)
ただし彼が「やり切った」と感じていても、私は「はい、はい、そうですか。それはそれはご苦労様でした」というわけにはいきません。
私の仕事はロビンキールがシェープしたボードを日本に持ってきて販売することです。
だからこの危うい世界情勢の渦中、はるか彼方のヨーロッパに住む彼に会いに行かなければならないのです。
現在フランスのファクトリーで仕事(本人曰く)している彼は、フランスの過酷な冬から逃れるために来週よりスペインの南に移動します。
私はスペインのセビリアという街で彼と落ち合うわけですが、そこから南下し彼が最近見つけ出したポイントで撮影したり、モロッコ、ポルトガルの方まで足を延ばすかもしれません。(私に提示している彼のプランはもっと壮大ですが・・・)
その後、一緒にフランスのファクトリーに戻り、サーフボードの話をするのですが、その話をするまでに彼に付き合わなければ、話が始まらないという次第です。
おまけに彼は昨日のメールで「お前(私に)はこっちにきたらバンジョー(アメリカ版の円形ギターのようなもの)を練習しろよ。俺(ロビン)とブラッドフォード(アメリカ東部出身のお金持ちの息子の放浪者で2012年のダイナミックエンデバーの頃よりロビンの手足となっているバージョーミュージシャン)とお前(私)の三人でバンドを組んでライブをしよう。それをフィルムに撮って・・・」
「なんでそんなことまでやらなきゃならないんだよ・・・」と思いつつも、ついつい乗せられて映像に残している自分を想像してしまうのです。
そんなこんなで帰国した際に、いいお土産話ができるかどうかわかりませんが、再来週の渡欧を目指し準備をしているところです。
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シーコング藤沢店
田中
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