シーコング店長ブログ

シーコング各店より毎日お得な情報をお届けいたします。


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ハンドシェープ!BMT「ボンザー」ご感想

藤沢店の田中です。

 

先週末は晴天続きの三連休だけあってたくさんの方にご来店いただきましたが、残念なことに肝心のボードの入荷が遅れています。


「ボードが完成したから」、「週末には送れるから」という言葉を性懲りもなく信じ、お金を払っているのにその後はただただボードの到着を待ち続ける状況です。


シーコングでは10ブランドを取り扱っていますが「どいつもこいつも・・・」で20年にわたり、まったく改善される気配はありません。


そのくせ「お金がない」とか言ったりするので、「じゃボード作れば」と思うのは私だけではないと思いますが、“社会的な約束を守れないどうしようもない奴”のことをアメリカでは“サーファー”と呼ぶので、これもまたしょうがないのかもしれません。

 

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DANO by Dano

 

かくいう私もこのようなことをたびたび書いていますが、彼らに「お前の方こそひどい」ともよく言われます。

 

年末に海外に行ったのですが、まず乗り慣れた京浜急行で羽田空港まで行った時には何故か降りる駅を間違ってしまい、電車で戻り慌ててチェックイン。現地では流れ出てくるスーツケースを持ってホテルにチェックインしようとしたところそれが自分のものではないと気づき、慌てて空港に戻ったり、先週の社員旅行の際には気をつけていたにもかかわらず乗換駅である京浜急行の蒲田駅を降り過ごしてしまい、結局タクシーで駆けつけなければならなくなったりといった具合です。


また一緒にカリフォルニアに行く写真家のペロさんのチケットを1日間違えて予約していたり、濡れた下着を乾かそうと電子レンジに入れたままホテルのドアをインロックして部屋に戻れなくなりボヤ騒ぎを起こしてしまったり(良い子は真似しないでください)、など、書ききれないほどのハプニングを起こしてしまっています。


が、もともと私自身はそのようなことのない本当に慎重な性格だったので、おそらく長年の間に彼らに感化されたのだとは思いますが・・・・


ということはさておいて本題に戻りますが、なぜそのようなことが起こるのか(ちゃんと予定どおりにボードが届かないのか)と考えると原因の一つは彼らのほとんどが“ハンドシェープ”をしていることだと気づきました。

 

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UNHINGED by Dane Peterson

 

サーフボードの製造方法は多々ありますが、一般的に販売されているほとんどのウレタンフォーム製のサーフボードは、まずシェーパーが元となるサーフボードを何本かシェープし、その中から一番良くできたボードをスキャンして形のデータを読み取り、そのデータによって特別なシェープマシンでボードを削り出します。


(スタイロフォームを使用したいわゆるエポキシモールドボードというのは型の中に発泡スチロールを吹き込めば型どおりにできるので仕上げに人の手は必要はほとんどありません)

 

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BMT by Alex Knost

 

削り出されたサーフボードにはマシンで削り取られた跡が残っているので専門の職人がその部分だけを削り落とし、元の形に限りなく近いものにし、それがラミネート工場によって仕上げられるわけです。

 

職人によってはマシンで削り出されたボードを1日に10本近くラミネートできる状態に仕上げることができるのですが、まったくの原材料素材から1本のボードをシェーパーがシェープし完成させるには早いシェーパーで1日2、3本が限界です。

 

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Surf-A-Billy by Jared Mell

 

ロビンのように妥協せずこだわり続ければ1日1本できるかできないかということになります。

 

どちらにせよ完成されるボードは本来のシェーパーによって形作られたもので、れっきとしたそのブランドの本物のサーフボードであることに違いはないので、マシンから削り出されたボードを仕上げる職人のことも“シェーパー”と呼ぶことがあります。

 

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Gato Heroi & Creme by Robin Kegel

 

しかしロビンは「元の形をクリエイトするのが本来の意味でのシェーパー」と言い切り、マシンで削り出されたボードを仕上げる職人と同等に扱われるのを嫌います。

 

だからといってマシンシェープされたボードを認めないかと言うとそういうことではなく、ロビン自身もクリームブランドのボードはほぼマシンで削り出されたボードを弟子であるエバンによって仕上げる方法をとっています。

 

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Elmore by Troy Elmore

 

何故かといえば、当然その方が「同じものがたくさん作れる」からで、単純に効率よくお金を稼げるからです。

 

それにマシンシェープされたボードのほうが本来、最高とみなされたボードに限りなく近いので、私達もボードによる誤差が少ないので安心して販売できます。

 

またリッチハーバーは1960年代にサーフィンが爆発的に流行したときにあまりにたくさんの粗悪なボードが作り出されたことを嘆き、当時のクラークフォームと共同してマシンシェープによってサーフボードを作ることの基礎を作り上げることに専念したほどです。

 

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John Peck by John Peck

 

シーコングでも創業以来取り扱ってきた「デューイウェーバー」「ハーバー」はそのようにして作られていますし、それが当然とされているカリフォルニアでは特別なサーファーを除きマシンでシェープされたかどうかよりも誰がその元の形を作ったのか(誰がシェープしたのか)が重要視されます。

 

しかし手作りのものを愛する文化を持つ日本では「ハンドシェープ信仰」が深く、「ハンドシェープ」にこだわりを持つ方が多くいらっしゃいます。

 

ただしハンドシェープシェーパーとして名を成しているのは極限られたシェーパーだけというのが現実で、実際に誰だって材料があればシェーパーになれるわけですが、そのボードを生活が成り立つほどに売ることができるのはほんの一握りのシェーパーだけとなります。(多くのシェーパーがアルバイトで他の有名なシェーパーのマシンシェープを請け負っているのが現実です)

 

名を成すハンドシェープシェーパーとなるためには、そのシェーパーのサーフィンの技量が最も重要になります。

 

サーフィンは感性によるところが多いので、その技量の高さによってより精度の高いサーフボードがシェープできるからです。

 

本来シェーパーを職業としていないアレックスノストとジャレッドメル、デーンピーターソンの3人がサーフボードをシェープすることができるのはまさに彼らのサーフィンに対する感性が高いからであり、彼らのサーフィンの技術が高いので彼らが作るサーフボードの信頼度が高められています。

 

また高いサーフィンの技量をバックボーンに職業としてシェーパーとして生きているロビンキーガル、トロイエルモア、ダノー達が作るボードはその相乗効果位によって完成度の高い芸術品とも言えるサーフボードを創り出します。

 

とここまで書くと、「ぜひ皆さん、ハンドシェープのボードをおすすめします」という感じですが、私自身は必ずしもそう思っていません。

 

なぜならマシンシェープには安心感があります。「友達に勧められてボードを買いに来た」という方には、なかなかハンドシェープのボードをおすすめすることは躊躇します。


なぜなら、「その友達のボードとここにあるボードは同じじゃないんですよ」と言わざるを得ないからです。

 

同じボードがご希望であればマシンシェープのほうが私達も安心しておすすめできますし、ロビンも「同じボードが欲しいならマシンシェープに頼るのが一番」と言っています。

 


それなのになぜ彼らは進んでマシンを取り入れないのかと言うと(ちまたのほとんどのシェーパーやブランドは取り入れているにもかかわらず)、それはもちろん「こだわり」というのもあるのですが、もう一つの理由は「もったいない」からです。

 

マシンシェープを頼むには通常マシンの持ち主に1本に付き約1万円を払わなければなりません。

 

それによって1日に10本シェープすることができるのならその方がいいと思うのですが、「合計10万円も払うのはもったいない。何しろ俺には時間がたっぷりあるし」と無駄な勘違いに乗って結局1日2本しか作れない。というのが現実なのです。

 

なにしろハンドシェープとはまさに画家がキャンバスに絵を書いているようなものです。画家が1ヶ月の間に何枚も絵を書くことができないように、彼らもまた“その気にならないと”なかなかクリエイティブな気持ちに離れないようです・・・と書きながら理解しようと努力しています。

 


彼らのことを考えると愚痴のオンパレードとなり、私も支離滅裂なブログを書いてしまうのですが、なんとか来週にはクリーム、ウェーバー、ダノーが入荷できることになりました。

 

それ以外のハンドシェープブランドもプレッシャーをかけておりますので、ぜひ今後とも入荷情報にご期待ください。

 


話は変わりまして、先日BMTの「ボンザー」をご購入いただきましたお客様より以下のご感想をいただきましたのでご紹介させていただきます。


「あ、ボンザーめちゃいいです!波のサイズはコシハラでしたが、薄くてもテイクオフは割と早くて苦戦しませんでした。後ろ足でいつものシングルフィンより後ろを踏み込む事によって反発も大きくて反動で動くし、スピードもめちゃ感じられるところが何とも今までになかった感じです。ボンザーは初めてなので、他のボンザーのそうなのかと思いますが良い板に巡り合えたと思ってます。もっと乗り込んで楽しんでみます。ショートボーダーとか、ロングでも動かせる人なら勿論楽しいと思いますが、シングルフィンのロガーにも新しい乗り味の物として良いかもしれませんね!ただ、僕の7.6より更に短いとそれなりの腕が必要な気もします。素敵な板をありがとうございました。」


いつも話題にはなりますが、その見た目の形状でご購入を躊躇される方も多いのですが、ぜひこのご感想を参考にしてボンザーをゲットしてみてください。

 

 

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アレックスノストのBMT「ボンザー」の在庫はこちら

 

 

皆様のご来店お問い合わせお待ちしております。

 

 

シーコング藤沢店
田中

 

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