シーコング店長ブログ

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ハンドシェープシェーパーの苦悩(デーンピーターソン編)

藤沢店の田中です。


ご存じのように、日本の比較にならないほどアメリカの物価は上昇しています。


先月、カリフォルニアに行ったときも朝食に小さな野菜サンドとコップ一杯のオレンジジュースを頼んだら、代金はティッ込みで3500円以上とびっくり価格でした。


でも時給が25ドルくらいと考えると、朝食の価格は1時間分の時給の価格=日本円にしてみると1100円くらいの感覚と言うところでしょうか。


つまり朝食のみならず、すべての物価が日本の3倍するような感覚です。


物価が3倍になっても給料が3倍になるなら、そこに住む人たちにとってはバランスはとれているわけですが・・・・

 

物価の高騰に一番悩んでいるのがハンドシェープシェーパー達です。


コロナとロシアのウクライナ侵攻の影響によって、石油製品を主とするサーフボードの原材料は急騰しました。


また重大な人手不足はサーフボードのラミネート工場の人件費も急騰させました。


ハンドシェープシェーパー達は自分たちの利益を増やす前に、自分の作ったサーフボードの価格が突然大幅に値上げされたのです。


あまりの急激な価格高騰に、そのうち自分の作ったボードは高すぎて売れなくなってしまうのではないだろうか、と不安になったシェーパー達は、自分の取り分は据え置きにせざるを得なくなったのです。


物価が上がり、自分の作ったサーフボードの価格が上がったのに、自分の手取りは低いまま、つまり物価が上がった分手取りは下がってしまったのです。


リアルなカリフォルニアのサーフカルチャーを牽引するシーコングの取引先のシェーパーたちは、まさにそのジレンマにひび頭を抱えているのです。


本来ならマシンを使えば、効率よくボードを作れるのに、それをしないのが彼らの人気の理由なのですが・・・・


ロビンキーガルは、若いころからの傍若無人な振舞いによって常に生活が行き詰っていました。


その彼の生活をまともに近づけるために、ガトヘロイは従来のハンドシェープを踏襲し、クリームはマシンを使用してより多くの皆様にサーフボードを供給するというプランをシーコングが考え、実践してきました。


「宵越しの銭は持たない」とでも言うように、持っているお金をすべて散在していたロビンはそれでも毎月クリームの売上を手にすることができ、それ以上にお金が必要になると死に物狂いで突然にガトヘロイのシェープをし、生活をやりくりしていたのです。(現在は遺産を相続したために、状況は変わりましたが・・・根本的には変わっていませんが)


ロビンの成功例を、私はデーンピーターソンにしたのです。


「わかっているんだけど、俺は世界最高のボードを作っているという自負があるんだ。俺の作ったボードに乗っているのは一流のサーファー達で、その理由は俺のボードが最高だからなんだ。だから、マシンを使ったとしても、それを世界最高に仕上げるためには同じ労力が必要なんだ・・・」とデーンは言いました。


世界最高のボードの作るために、自分のボードを買い求める著名なサーファーを満足させるために費やす労力と時間はとても1本のサーフボードを売るだけでは元が取れません。


そこで私は「だからこそその完成度の高いボードを基に、一般のサーファーが乗れるように普及させれば、もっと効率よくボードもできて、たくさん売れるんだよ。そのボードを基に世界最高に近い性能の乗りやすいボードを作ってくれよ(つまりボトムのロールをもっとシンプルなフラットに近づけて欲しい・・・)」と、言うと、


「ボードの性能を簡単に乗れるように改良することと、手を抜いたシェープをすることは大違いなんだ。簡単に乗れるように改良するにはトライ&エラーが必要で時間が相当かかるんだよ」と、デーンは答えました。

 


つまり彼らの魅力はその”妥協性のなさ”なのです。何となく生活のために”それっぽい”サーフボードを毎日作っているのではなく、自分の名を冠したすべてのものは世界最高でなければならないという思いから作られているのです。


「でも、それじゃお前のボードは高くて売れなくなってしまうよ」と、私は思うのですが・・・


ロビンキーガルもトロイエルモアも、まさにこのやり取りの繰り返しなのです・・・・・


ということで、本当に素晴らしい彼らのボードをこの夏のためにぜひご検討ください!

 

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皆様のご来店、お問い合わせお待ちしております。

 

シーコング藤沢店
田中