藤沢店の田中です。
昨日は、アレックスのガールフレンドのダニエラから送られてきたロビンのラミネートの様子をご紹介させていただきましたが、ロビンが作業している場所(バスの中ですが)を提供しているのは、ご存じスコーピオンベイに住むマットハワードとブリタニークインです。
現在のシングルフィンロングボードカルチャーの原点を切り開き、当時カリフォルニアの聖地マリブにおいて帝王&女王と称された彼らは、諸般の事情からメキシコのバハカリフォルニア中南部に位置する世界最高の波が訪れるスコーピオンベイに居を移しました。
スコーピオンベイがある村は、現在よりさらに開発が成されておらず、200人余りの地元の漁民以外にはマットとブリタニー以外はほぼ1年を通して住む者すらおらず、といったまさに辺境の地です。
サーファーがここを発見したのは本当に偶然でした。
1970年代にフランスの海洋冒険家であったジャッククストーがクジラの生態を研究するためにバハカリフォルニア半島の西側を北上していたところ嵐に遭遇し、穏やかな湾に避難をしていました。
そのドキュメンタリー映像において、ジャッククストーの船が停泊している後方に、岬でベンドしたマシンブレイクが映し出されたのです。
それを偶然見ていたサーファーたちは狂喜乱舞し、それから数年の歳月をかけてそこを探し当てたわけです。
しかしながら伝説の地となったその湾はカリフォルニアからはとてつもなく遠く、とても短期間のバケーションを利用しても訪れるには困難な場所でした。
しかしカリフォルニアから逃避しなければならなかったマットとブリタニーにおいては、その誰もが来ることができないにもかかわらず、最高の波があるということは、完璧に条件を満たすことでした。
以来、彼らはこの地に居を構え、製作活動を続けているのです。
昨日の映像で使用されたスクールバスは、砂漠の中で砂塵を防ぐ作業場として最適な手段として彼らが選び、創り上げたものです。
カリフォルニアのサーファーでさえ非現実的に思えるドリームライフを送る彼らはまさにサーフィンカルチャーの唯一無二の申し子です。
現在もなお世界中から訪れるサーファーたちは彼らに敬意を表し、彼らもまた訪れてくるサーファーたちを手厚くもてなします。
そのマットから昨日「カスタムボードができたよ」と写真が送られてきました。
私は「えっ」と思いながら、ファイルやメールを探したのですが、どこを探してもカスタムオーダーをした形跡がありませんでした。
しかし私はマットに「それ違うんじゃない」とは言えません。
何しろ15年ほど前、ロビンの相棒だったクリスと彼らに会うために一緒にメキシコのラパスに行ったとき、「マットの目を直接見るなよ。カメラを向けてもだめだ。笑っているからといって安心してもだめだ。言っていることを否定してもだめだ。そのようにして大変な目に遭った人間がカリフォルニアにはたくさんいるんだから」と、脅されたことを今も覚えているからです。
というわけで、そのボード「9'8ftのネブラ」が届くのですが、油断していたら今日また「こんなのもあるから一緒に送れるよ」と言って、とても高価そうなボードを営業されてしまいました。
「うーん、ちょっときついなあ」と、思いながら断る言い訳を考えているのですが、
もし「それ最高!」という方がいらっしゃれば、マットの期限を損なわずに済みそうなので、どうぞ気の優しい方がいらっしゃいましたら、ぜひお声掛けください。
まさに正真正銘、唯一無二のオリジナルアートボード(もちろん性能も実証済みです)です!
※これとは別に、常時カスタムオーダーも受付けておりますので、そのあたりにつきましては、後日、改めてご案内させていただきます。
皆様のご連絡、心待ちにしております。
なにとぞよろしくお願いいたします。
本当はもう完全に打ち解けて、とてもやさしいのですが・・・
シーコング藤沢店
田中
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