藤沢店の田中です。
先日より中村清太郎君がガトヘロイの『サファー』に乗った映像を編集していたのですが、編集方法を参考にするためにYOUTUBEで古いサーフィンの映像を観ていました。
そういえば以前は原盤をたくさん持っていたなと思いだし店内を探してみましたがどこを探しても見つからず、思い起こせばVHSからDVDに移行されたころ処分したのかなと思い、アマゾンやヤフオクで探すことにしました。
そしてなんとか見つけたのが以下の3本です。
その中で「SLIPPERY WHEN WET」は映画史上初のサーフィン映画として1958年ころ撮影され、「BAREFOOT ADVENTURE」はあの「エンドレスサマー」を撮影する4年前に制作されたものでともにブルースブラウンの作品です。
サーフィン黎明期の重くロッカーのない大変乗りにくそうなボードですが、当時のサーファーのテクニックに感服するとともに、サーフィンというのは本当に楽しいものだということが伝わってきます。
そして今や世界に広まるカリフォルニアスタイルのサーフィンライフの原点がここにあることがよくわかります。
カリフォルニアの多くのサーファーはこのような映像を観ることが親の世代から引き継がれているため、当時の格好良さや楽しさに憧れて育っていくのだと思います。
だから“サーフィン=シングルフィンロングボード=ノスタルジー”が当然です。
それでも多くの若者は憧れるだけであったり、何となくその表面をなぞったりするだけにとどまりますが、その中から稀にその本質に迫っていくサーファーが現れます。
それがダノーであり、さらにその本質を追求する姿に魅了されたのがアレックス、ジャレッド、トロイ、そしてロビン達なのです。
だから彼らの作るボードのコンセプトは一貫しており、自分が作るボードをどれだけ性能を上げようと思っても、決してそれ以降の時代背景で生まれたデザインは盛り込まないのです。(1960年代のピッグには当時以上の(1980年代以降に生み出された)レール形状やロッカー、ボトムデザインは採用しません)
“何でも作るのではない”ところが評価されているのです。
それゆえに彼らは“本物”とみなされ人気があるのです。
ぜひ皆様も探してみてはいかがでしょうか?
サーフィンに対する興味が深まると思います。
その“本物”の一人であるロビンキーガルのボードは今後の製造予定がたっておらず、在庫も減りゆく一方ですが、それでもクリーム、中古ボードを含めとっておきのボードがございますので、ぜひご覧ください。
◎レベルクラフト(ガトヘロイ)9'0ft キラー
9'0ftというロングボードの規定の長さです(もちろんロビンの中にはその既定の基準はどうでもいいことです)が、一般的に想像するのんびりとしたロングボードとはまったく異なります。
このボードは1967年頃、オーストラリアでロングボードの性能をどんどん高めていった時代の初期に作られた形状です。
それまで主流だったピッグ形状ではなく大きなショートボードのような形状です。先端は尖り、レールは薄く、テールははっきりとしたスカッシュテールです。
それまでより波に対してもっと上下に移動させることができ、スピード性能も圧倒的に高められています。
それはロビンキーガルにしか成しえない三次元フォイルの巧みさが生み出すものです。
当時をもとにしながらも微妙にレールラインやフォイル、ボトム形状を変えることによって、一見シンプルながら複雑な形状が創り上げられています。
ノーズライダー要素の強いロングボードに少々飽きを感じている方、すぐに「ミッドレングス」と言わず、まずはこのボードにもご注目ください。
まさに目から鱗の新しい感動を味わっていただけます。
◎クリーム カリフォルニアン 9'6ft
カリフォルニアンはクリームの代表的なノーズライダーですが、実際ご購入いただいた方のご感想はみな「オールラウンド」です。
この「オールラウンド」とはもちろんサイドフィンがついたボードとシングルフィンの中間的なという意味ではなく、ピッグのように重心がテール寄りにあったりせず、あくまでもボードの中心はセンターにあり、ノーズライディング、ターンのバランスが取れたボードという意味です。
ロビンキーガルによって開発されたこのモデルは、ノーズライダーでありながらすぐに波につかまってしまうような鈍重な感じはせず、むしろスープや掘れた波にも十分に対応できるスピード性が魅力です。
「スピードがあればボードは安定し、ノーズライディングは容易になる」と考えられている通り、波の斜面の移動が速く容易で、自由自在にボードを操ることができます。
そしてこのボードの特におすすめな点はストリンガーとカラーです。
ストリンガーは今後オーストラリアで製造されることになるとこのバルサが使用できないため大変貴重です。
バルサストリンガーはもともと高価であるため一般的にはあまり見られませんが、わかる人にはわかる効果でマニアックなストリンガーです。
軽くよくしなるのでステップデッキのこのカリフォルニアンには最適です。
特にノーズに行くにしたがって細くシェープされているウェッジストリンガーはその性質をより際立たせ、ノーズライディング時に下から押し上げられるような感覚を感じていただけます。
ピンクっぽいカラーはもしかしたら日本では女性用?と思われるかもしれませんが、ロビンキーガルが愛用するカラーでもあり、実際彼が持っているその姿を見たときは、私も欲しいと思ったほどです。
◎レベルクラフト(ガトヘロイ) ザーベル9'7ft
ザーベルの中でもなぜこのボードがお勧めなのかというと、長さと厚みのバランスが素晴らしいからです。
ザーベルの多くは10ftを超える長さだったり、レールが信じられないほど薄くシェープされたりし、それなりのコンディションの中では最高のパフォーマンスを発揮するのですが、日常的に使うには少々コンディションに物足りなさを感じます。
しかしこのボードはそこまで極端にシェープされていないので、日常的に使えるボリュームを持ち合わせています。
もちろんムネカタ以上の波ではさらに極上のパフォーマンスを味わえますが、体重70kg以下の方であればヒザモモでも高速クルージングを楽しむことができます。
もう2度とこのようなボードを手にすることはできないかもしれません。
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以前よりお配りしている「サーフボードカタログ」ですが、6月より若干変更加筆を加え「改訂版4」となっています。
引き続き店頭にて皆様にお配りしておりますが、このたび通勤中の電車内などでも簡単にご覧いただけるように「ウェブカタログ」をご用意させていただきました。
今後も少しずつ改定を加えていく予定ですので、ぜひご利用いただければ幸いでございます。
◎どんなサーフボードを選べばいいか?
◎サーフボードの歴史やカルチャーについて
◎サーフボードの素材やカテゴリーについて
・・・など、サーフボードに関することはこの一冊があればすべてわかります!
⇒「ボードカタログ(印刷版)」をご希望の方はこちらからお申し込みください
皆様のご来店、お問い合わせお待ちしております、
シーコング藤沢店
田中