シーコング店長ブログ

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ロングボードの進化に乗り遅れないために、比べてみてください!(アウトライン&レール編)

藤沢店の田中です。

 

皆さん、今自分が乗っているボードに満足していますか?

 

サーフボードはその形状によって、ライディングのスタイルの違いを生み出したり、できないことができるようになったりすることにお気づきでしょうか?


同じシングルフィンロングボードでも時代とともにその形状が変化していることをご存じでしょうか?

 

1990年初頭、リバイバルとして復活したロングボードはサイドフィンが装着されたハワイアンスタイルのハイパフォーマンスタイプが主流でした。

これは当時のサーフィンが、「サーフィンはボードの長さに関わらず、すべてショートボードのように動かす」ということが目的だったからです。

 

ジョシュ・コンスタブル動画: 伊良湖 徒然波日記

 

今考えれば、「ロングボードなのにショートボードのようにというのは、トラックなのにスポーツカーのように、と同じくらい」矛盾に満ちているので、海外ではその転換が早かったのですが、日本では今もなおその思考は少なからずあります。

 

その後、1990年代中頃からジョエルチューダーがシングルフィンロングボードでノーズライディングをするシーンが頻繁に取り上げられるようになりました。

この当時のボードは左右のアウトラインが平行に近く、丸みを帯びた50/50のレール、そして大きく深いノーズコンケーブが主流でした。

まさにノーズライディングをするためのボードが求められたためです。

 

 

日本では今もそのスタイルが主流と考えられていますが、カリフォルニア、オーストラリアでは意外とその期間は短く、2004年頃にはロビンキーガルは『ピッグ』タイプのボードを復活させ、2005年頃にはその進化形として、アレックスノストのシグネチャーモデルとして『デスダガー』をリリースしました。

 

 


この映像は2007年に鵠沼で行われた「NALU サーフミート」の模様ですが、すでにそれ以前のノーズライディング主体のスタイルと大幅に変化していることがわかります。

 


アレックスとロビンは、「ノーズライディングにこだわればこだわるほど、スピードが遅く、動きにくくなり、サーフィンの楽しさを失わせている。ノーズにこだわらなければもっと自由なラインを描くことができる。そもそもノーズの浮力がノーズライディングを生み出しているわけではないんだ。重要なのはスピードさ」と言い、それまでの鈍重なロングボードの動きを一変させるスピードで、クラシックなマニューバーを派手に演出させることに成功しました。


2005年頃からジョエルチューダーに代わり、ロングボードシーンの主役となったアレックスは、その後、デーンピーターソンの影響によって、クラシック時代の最終形、いわゆる”トランジション期”のハイパフォーマンスピッグタイプのボードを使用し、ダクトテープなどのイベントにおいて「古くて新しくアグレッシブ」なパフォーマンスを披露しました。

 

このように一言に”ロングボード”と言っても、1980年代後半からすでに35年の時の経過とともに、その形状は大きな変化を遂げているのです。

 

そしてそれとともにライディングのスタイルも変わってきているのです。


シーコングスタッフの中山祐樹はJPSAに参戦していますが、彼のライディングスタイルが他の選手と違う動きにフォーカスされていることに気付いている方は多いと思います。


彼のライディングスタイルが他の選手と違う理由は、ボードの形状がまったく違うことが理由です。


彼の乗るボードはノーズライディング主体ではなく、トランジション系の高速でアグレッシブなパフォーマンスを目的としているため、JPSAのレギュレーションの中でポイントを重ねることは難しいのですが、現代の世界的なサーフシーンではむしろ主流のボード形状です。


中山はNSAの日本チャンピオンになるまではサイドフィン付きのハイパフォーマンスボードにも乗っていましたが、中学生のころから海外にサーフィンに行く機会があったため、その違いと矛盾には早くから気付いていたのです。


そこで、サーフィンのスタイルとボードの形状の関連性について簡単にご説明したいと思います。

 

ぜひ、ご自分のボードと比べてみてください。


【アウトライン】

 

このボードは、ノーズライディングを主体にマニューバー性能を高めたモダンノーズライダーで日本で多く見かけられるタイプのボードです。

シングルフィンロングボードだけどもコンテストで好成績、高得点が出せるように工夫されています。

具体的には、ボトム形状、ロッカーですが、実はこのタイプのボードは「ロングボード=クラシック」をベースとする海外のサーフィンカルチャーにおいては評価されません。なぜなら、これらのアイデアが1969年以降に生み出された考えに基づいているからです。

 

 

このボードは、中山がJPSAの大会で使うことが多い、BMTの『パーソナルログ#2』です。

(クラシック時代のシングルフィンの最終進化形と言われるマニューバーを追求した、ピッグ形状です)

アウトラインがスクエアに近いほうがノーズライディングには向いていますが、パフォーマンス性能は低下します。

ピッグ形状であっても比較的レールラインにストレートを長くし、スピード性を高めることによって、ノーズライディングの性能を補い、パフォーマンス性が高められています。

 

 

 



こちらのボードは、今や世界的なサーファーに成長したオーストラリアのガトヘロイのシェーパー、カイエリスフリントが常用する『ダガー』です。

(速い波を苦にしない超高速性を生み出す鋭いポイントノーズと、アグレッシブなパフォーマンスを引き出すスカッシュテールですが、ベースデザインは1960年代のスピードシェープです)

 

 

 

次に、レール形状をご覧ください。

 


このボードは、上記同様の「モダンノーズライダー」の典型的なレール形状です。

丸みを帯びた50/50レールは波のホールド感が高く、浮力を維持してイージーに取扱うことができますが、スピードをロスする性質があります。

 

 

 


このボードは、上記の中山祐樹が使用するBMTの『パーソナルログ#2』の、キレキレのアップレールです。

(高速ノーズライディングで波を突き抜けた後、急激でしかも振り幅の大きいカットバックを可能にする極薄にピンチされたアップレールが特徴です)

薄くピンチされたレール形状は、容易で長く安定したノーズライディングには不向きですが、スピード性は非常に高いのが特徴です。

 

 

そしてこのボードは、天才ロビンキーガルの集大成ともいわれる『ザーベル』のレールラインです。

(まさにザーベル(西洋刀)のごとく波面を切り裂き、超高速トリム&グライドとスピードを利用した高いパフォーマンス性を発揮します)

 

いかがでしょうか。同じシングルフィンロングボードと言っても、皆さんが乗っているボードとまったく形状が違いませんか?


どちらのボードが優れているという話ではありませんが、その形状の違いは明らかです。

 

ボードの形状はライディングスタイルに大きく影響します。


アレックスノストやジャレッドメル、そしてロビンキーガルのようなサーフィンを夢見るならば、このようにシェープされたボードに乗るしかありません。


世界レベルのハイパフォーマンスピッグや超高速ボードは今や世界標準です。知らないうちに時代遅れのサーファーとならないために、ぜひ今すぐシーコングに駆け込み、その違いを体感してみてください。

 

 

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皆様のご来店、お問い合わせをお待ちしております。

 


シーコング藤沢店
田中