シーコング店長ブログ

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ご質問への返信『カリフォルニアン』

 

藤沢店の田中です。


今のところ予約している航空便のキャンセルがないのでこのままであれば来週水曜日よりロビンにあいに行けることができそうです。


こんな時期にお思いの方もいらっしゃると思いますが、2年間の空白とその間に興った様々な問題のい解決、そしてロビンの動向を確認しなければならず、夏になってしまったらこの1年も終わってしまいそうなので、まずは行けるときにという思いで渡欧を決めました。


すでにロビンから届いているメールの内容は私の意を無視しているかのようにまったく関係のないことばかりですが、もちろん行くからには手ぶらで帰ってくるようなことはいたしませんので、ロビンファンの皆様につきましては、旅の報告をどうぞご期待ください。

 

ということはさておき、今日はロビンと並ぶもう一人のロングボード界のスター、アレックスノストについて書こうかと思っていたのですが、たまたまメールのお問い合わせの返信を書いていたところ思いのほかいい内容にまとまったことと、昨日摂取した3回目のワクチンによって頭が朦朧としているために、その内容を転記させていただくことにいたしました。(修正、追記しています)

 

まず、お問い合わせいただいた内容はこんな感じです。


「現在、ガトヘロイのダガーとスペースピッグを所有しています。クリームのカリフォルニアンに興味がありますが、ガトヘロイに比べてテイクオフやターン性能はいかがでしょうか?テールキックが抑えめとありますが、他のボードに比べターンの時にステップバックする必要がありますか。テールロッカーやレールフォイルは今時流行りのノーズライダーでしょうか?」


「またクリームのボードはどこで作られていますか?ハンドシェープでしょうか、マシンシェープでしょうか?168㎝、62㎏の場合、推奨サイズはどのくらいですか?」

 


これらのご質問につきまして以下のようにご返信させていただきました。

 


●Cremeのボードの製造場所につきまして

・製造はカリフォルニアです

・シェープはロビンキーガルがプラグという元型をシェープし、スキャンしたものを80%強、マシンシェープし、その後、シェーパーのJT(ナイトトレインというパーソナルブランドのシェープもしています)がハンドシェープによって仕上げています

・168㎝、62㎏という体格であれば、9'4ft~9'8ftをお勧めさせていただきます

 

●ガトヘロイとクリームの違い、ノーズライダーにつきまして

ガトヘロイは1950年代、60年代のボードをベースとして、1967年以降に興ったショートボードレボリューションの影響を受けないロングボードの純粋な進化(レール、ロッカー、フィンなどショートボードの影響を受けずに進化する過程のボード)というコンセプトで作られています。

簡単に申し上げますと、クラシックカーを当時に遡ってチューニングしたようなものです。(チューニングの際に、新しいパーツをつけたり、その時代以降に開発された新しいアイデアを取り入れるのではなく、あくまでも当時、自分がそこにいたら、という考えです)

そのこだわりとぶれないロビンキーガルの姿勢によって世界中で人気を博していますが、あくまでも「当時の!」がベースですので、モダンなボードの性能と比較しても意味がありません。(当時の最高性能の車と現在の車を比較しても意味がないということです)


また日本では「ノーズライダー=クラシック」と思われる方が多いのですが、当時はテールロッカーがほとんどなかったためにノーズライダーは存在しませんでした。(ジョエルチューダーのサーフィンが日本ではクラシックと言われ、カリフォルニアではモダンと言われる理由はそこにあります)そのためガトヘロイブランドではノーズライダーは存在しません。


クリームはガトヘロイのようなコンセプトではなく、「カリフォルニアスタイルの誰でも楽しめるシングルフィンモダンロングボード」というのがコンセプトです。

そのためにボードの幅がありテイクオフがイージーで、ノーズライディングにも適しています。

ただしあくまでもロビンキーガルの思考上のものなので、ノーズライダーのスタイルもやはりロビン風の仕上がりとなっています。


具体的には、ジョエルスタイルのノーズライダーはスクエアなアウトライン、丸みを帯びたレール、大きなノーズコンケーブによって動きが鈍く、遅いことが特徴となります。(悪いという意味ではありません。わかりやすく違いを述べただけです)

それに対し、クリームのカリフォルニアンはノーズコンケーブがなくボトム面はロールされ、レールはピンチされ少し薄めになっています。

これによってボードはスピード性が高く、コントロール性も高められます。「パーフェクトな波は世界中にそれほど存在しない。だからスローなボードはパフォーマンスが発揮できない。ボードが速ければ波のセクションの移動が速く、ノーズライディングに必要な安定感も得られる」と考えているからです。

それはすでに15年以上前にロビンキーガルとアレックスノストによって提唱されていたことで、20年くらい前に主流だったジョエルスタイルのサーフィンと彼らのサーフィンのスタイルの違いに現れています。

 

ここでもう一つ肝心なのは、ノーズライダーにはもう一つ種類があるということです。

2000年代になってもジョエルスタイルのノーズライダーは主流を占めていましたが、サーファーの中には「遅い、動きが悪い」と考えるものが出てきて、当時盛んにおこなわれていた地元対抗のロングボード(当時からロングボードと言えばシングルフィンのみでしたが大会で勝てるようなボードを欲していました。

そのようにして作られたボードはスピードを殺さない薄めのノーズコンケーブとテールロッカーが特徴でした。特にテールロッカーはノーズライディング時にノーズをリフトアップし長いノーズライディングとコントロールを可能にしました。

またスケートボードのようなテールキックによってボードのコントロール性は極端に増し、フィニッシュ時に少し当てこめるような動きが可能となりコンテストでのポイントゲットを助けることとなりました。


これらは「モダンノーズライダー」と呼ばれ、まったく1960年代にこだわることなく、単にコンテストでポイントが出る性能を持ったノーズライダーとして人気を博しました。

ダレンユーデリーによって考案されたデューイウェーバーのプレイナー、CJネルソンのノーズライダーモデル、ホビーのバッキーバリーモデルなどはこれに類します。


しかしその後、サーフィン(ロングボード)に対する意識がよりクラシックへと傾倒する過程において、地元対抗のコンテストなども減少し、代わりにもっとラシックスタイルにこだわった「ダクトテープ」などのコンテストが開催されるようになりました。


「ダクトテープ」など新しいロングボードのコンテストではよりクラシックのマニューバーが高く評価され、逆に当て込みなどのマニューバーは評価がされなくなりました。


またそこに招待される優秀なサーファーたちはクラシックボードによる新しいサーフィン、人目を引き付けるサーフィン、そしてこだわりのあるサーフィンを意識するため、前述の「モダンノーズライダー」は存在感を失うようになりました。(日本では多くのサーファーがどのようなボードに対しても「性能」を求め、またコンテストでもそのようなボードによるマニューバーが評価されるので、どうしてもいまだにこのタイプのノーズライダーが評価されやすくなっています)


長くなりましたが、大きく分けて3つのスタイルのノーズライダーがございます。


性能面で一番優れている(ステップバックを大きくしなくてもターンができる、テイクオフが速い、ノーズライディングがしやすい)のはモダンノーズライダーで間違いありません。


しかしそれとクリームのカリフォルニアンを比較しても意味がありません。


ロビンのボードは独自の考えで作られた素晴らしいボードです。幅が広く独特のロッカーとボトムのバランスによってテイクオフが速く、ターン性能も高められています。(大きくターンするときにはステップバックが必要です)


ただしそれは「昔のボードなのに、スピードが出て、ターンがしやすく、ノーズライディングもいい」というものです。


そこを踏まえて、興味を持っていただければ他に比較するボードがないほどお気に召していただけると思います。


ぜひじっくりとご検討ください。


と締めくくらせていただきました。


あんまりロビンのことを持ち上げてしまうと、本人が知ったらいい気になりそうなのでほどほどにしていたいところですが、やっぱりロビンの作るボードには人気に見合うそれなりの性能があり、存在感の高いボードであることは間違いありません。


どのような方でもシングルフィンロングボードにご興味を持っていただければ、やはり『ファットキャット』か『カリフォルニアン』をお勧めしたくなる理由があるのです。

 

ボード選びに迷ったら!

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皆様のご来店、お問い合わせをお待ちしております。

 


シーコング藤沢店
田中

 

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