シーコング店長ブログ

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ロビンシェープ『プレイボーイ』にキャンセル出ました!

藤沢店の田中です。

 

早速ですが、先週入荷したレベルクラフト(ガトヘロイ)の『プレイボーイ』のご予約がキャンセルとなりましたので、改めて『プレイデート』と比較してご紹介させていただきます。

 

 

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9'6ft プレイボーイ レッドシダー、サンドグロスフィニッシュ、ハンドシェープ by ロビンキーガル

 

現在大変貴重になっているロビンのフルハンドシェープの、その中でも大変人気の高い『プレイボーイ』です。

今回のボードも「まるで手から滑り落ちるほど」完璧に仕上げられた極上の極みとも言えるボードです。

 

 

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9'5ft プレイデート オリジナルクリームアブストラクト、2インチバルサストリンガー、サンドグロスフィニッシュ

 

 


現在世界のシングルフィンロングボードシーンにおいてカリフォルニア、オーストラリアのトップサーファーたちはこぞってこのタイプのボードを使用しています。

 


それはこの“ハイパフォーマンスピッグ”と呼ばれるタイプのボードが、長らく続いた“従来のノーズライダー”ではできないパフォーマンスを可能にしているからです。

 


具体的に“従来のノーズライダー“とはどんなボードかというと、まずアウトラインはノーズからテールまでほぼ平行に近く、幅広いノーズとテールを持っています。

 

これは、極端に言えば長方形に近いアウトラインであればあるほど、波がレールをホールドする長さが長くなることにより、ボードをロックさせたような状態になりウォーキング、ノーズライディングのやりやすくするためです。

 

ただし実際には長方形に近いほどボードのコントロールはできなくなるので、アウトラインが少し丸められたり、ロッカーがつけられます。

 

また、ご存知のようにライディング中にノーズよりに体重をかけたり、前方に歩いたりするとボードは加速します。

 

するとボードは波のポケットから前方に飛び出してしまい、カットバックをしなければならなくなります。そうするとせっかく「気持ちよく長くノーズに留まりたいのに」と思ってもそれができなくなります。

 

その問題をノーズコンケーブとテールキックが解決しました。

 

ノーズライディングしてもボードが加速しないようにと考えたわけです。コンケーブによってボードのスピードは上方向の力に変換され、ボードに浮遊感が生まれ、テールキックはその働きを大きく助けます。


レール形状も水のホールド感が高まるように丸く厚めのあるものになっています。

 

これらの特徴が揃ったものはまさに1990年代後半から“キングオブノーズライダー”としての地位を確立しました。

 

特徴はズバリ、ノーズライディングは安定しているけど「動きづらくて遅いボード」でした。

 


ところが2005年ころ、このタイプのボードに違和感を感じたサーファーたちが生まれてきました。

 

「たしかにノーズライディングには最高だ。でも10秒も20秒もノーズに留まっている波なんかないだろ?それよりも不規則な波に対応するにはスピードが必要だ。それにレールが厚いとクィックにボードを動かすこともできない。1960年代の後半、世界中で同じ様な流れがあったんだ。ロングボードは動かしづらくて手に負えないものから、あらゆる可能性を求めて進化したんだ。」

 

そう言いながら当時22歳のロビンキーガルはピッグ系のボードをアレックスノストのためにシェープしました。

 

アレックスは天賦の才能で当時は珍しかったその形状のボードを操り、ポストジョエルチューダーの筆頭として頭角を現していきました。

 

当時、『ニュープレジャー』と名付けられたそのボードをロビンはたくさん作り、日本に送ってきました。

 

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ところがいち早く目をつけて買っていただいたお客様の反応はいまいち。


「ノーズは難しいし、どこに立っていいかわからない。どう乗ればいい?」そういう声が聞こえてきました。


それで私はロビンに「あの『ニュープレジャー』ってのは変な形だから日本では売れないよ」と話しました。


ところがそれを聞いたロビンは「大丈夫。カリフォルニアでさえ誰もわかっちゃいないんだから・・・」と自信たっぷりに言ってのけました。


以前、ロビンのことを特集した「サーファーズジャーナル誌」でアレックスも当時のことをこう語っています。

 

「いつもみんなの先を行っていて、本来彼が得られるべき勲章はないけれど、分かる人にはわかるっていう感じだ」

 

その後の彼らの二人三脚の活躍は言うまでもありませんが、このロビンキーガルが復活させたハイパフォーマンスピッグを定番にまで知らしめたのは、デーンピーターソンに他ならないでしょう。

 

デーンは2011年ころ、このタイプをアレックスノストのために作っていました。

 

天才でありながら常に周囲にトラブルを巻き起こし、反感の声が鳴り止まないロビンと違い、アレックスの影響力は絶大です。

 

アレックスはデーンとのコンビによってこの“ハイパフォーマンスピッグ”でのサーフィンを世界中に広めていきました。

 


この日アレックスはデーンのボードに乗って優勝を果たしました


その頃、ジャレッドメルはダノーのチームライダーを止め(もちろん自ら起こしたトラブルが原因ですが・・・)、自分のブランドを立ち上げる準備をしていました。

 

そのため雑誌の取材のために来日した際にはサーフボードを持っていないという状況でした。

 

サーフボードがないのでは撮影できないので、フランス人のホバンファルシャが持っていた2本のロビンシェープから1本を借りることにしました。それが『プレイボーイ』です。

 

ジャレッドは『プレイボーイ』、ホバンファルシャは『プレイデート』を使用しています

 

 

その後、ジャレッドは自らのブランド“サーファビリー”と立ち上げ、ハイパフォーマンスピッグの申し子というほどにその特徴を生かしたライディングで世界の頂点に立っています。

 

明らかにジャレッドはロビンの『プレイボーイ』から大きくインスパイアされたと思っています。もちろんその性能を完全に引き出すことができたのはジャレッドの才能というほかありませんが・・・

 


それではいま一度、この“ハイパフォーマンスピッグ”の特徴を改めてご説明させていただきます。

 

 

“ハイパフォーマンスピッグ”はその名の通り、シングルフィンロングボードでハイパフォーマンスを行うためのボードです。ハイパフォーマンスといってもサイドフィンが付いたボードのように波の縦方向にボードを当て込むことを目的とするのではなく、本来のシングルフィンロングボードのコンセプトを踏襲したもので、1969年に興ったショートボードレボリューション直前の当時のサーフボード(ロングボード)が一番進化した形状で、それまでとは違いボードを動かすことにポイントが置かれています。

 


それはまさにロングボードとショートボードを繋ぐ真の意味での“トランジション”でロングボードの動きと1970年代初頭のショートボードの動きの中間に位置します。

 


進化を始めた1967年当時の象徴的なライディングがわかる「HOT GENERATIONHOT GENERATION」

 

 


「HOT GENERATION」から2年、明らかにサーフボードの進化を感じる1969年作「Evolution」


ボードのアウトラインは当時のロングボードの定番であったピッグ系ですがレールは薄くなり、スピード性が格段にアップしています。

 

ボードのテール寄りでトリム&グライドをしながら、ボードの前方に体重を移すと一気に加速します。加速したボードは波のポケットを大きく抜け出すので、スピードをいかして急激で大きなカットバックをします。

 


ロビンキーガルを含め現在の人気の“ハイパフォーマンスピッグ”モデルは、テールに少しロッカーをつけ、レールをボトムからめくりあげたようなアップレールにしています。

 

これによってカットバックの回転性が速くなり、レールが波に引っかからなくなりました。

 

のんびりとロングボードでグライドを楽しむのではなく、ノーズライディング⇒カットバック⇒カットバックというコンビネーションのために必要な形状となっています。

 

『プレイボーイ』と『プレイデート』の違いは、単に『プレイボーイ』の方が繊細でレベルの高いボードと考えていただいて結構です。


「自分は上級者じゃないから・・・」と思っている方もご心配はいりません。


ロビンキーガルのボードの凄さは、乗り手を高いレベルに引き上げてくれることです。

 


だからもし「真剣に上達したい」とお考えなら、迷わず『プレイボーイ』をおすすめします。

 

もし「いやいや今よりはボードを動かしたいけど、小波が多いし、もっと気軽にサーフィンを楽しみたい」というのであれば『プレイデート』が最適です。

 

知らずに買ってしまうと「なにか違う!?」と思うサーフボードも、そのコンセプトを知っていれば決して後悔されることはありません。

 

今のボードに飽きていると思っている方、ぜひ流行りの“ハイパフォーマンスピッグ”で新しいサーフィンを切り開いてください。

 

◆プレイボーイ

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「アウトラインがすべてだ!」というロビンによる、余分なものを削ぎ落としたパーフェクトなアウトライン

 

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奇をてらうことをしないが、絶妙に隠し技が注ぎ込まれているボトム

 

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水の最初の侵入部分となる絶妙なロールボトム

 

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“クレイジーVEE”とロビンが呼ぶ

 

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シンプルで最適なロッカーライン。厚みは、2 5/8インチ




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パフォーマンスを高めるガトヘロイのTフィンをセット

 

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レベルクラフト仕様を意味するロビンのサイン

 

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◆プレイデート

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ゴージャスな2インチのバルサストリンガーが映えるボリュームのあるピッグアウトライン

 

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エバンデイリーによる定番“オリジナルクリームアブストラクト“

 

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『プレイボーイ』より抑えられたノーズのロール

 

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テールのVEEも『プレイボーイ』より抑え気味

 

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安心の23インチのボード幅

 

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3インチの厚みと操作性を高めるテールキック

 

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ロビンこだわりのPフィンのセットアップ

 

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シーコング藤沢店
田中

 

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