シーコング店長ブログ

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ガトヘロイのモデル!

藤沢店の田中です。


まずは本日より営業時間を短縮しております。皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

 

 

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続きまして、本日シーコングのウェブサイト内にある「なんでも相談室」に、ガトヘロイのモデルについてお問い合わせをいただいており、ご返答を書きました。

ちょうど今日、藤沢店に「ダガー」の中古ボードが入荷し、また東京江戸川店には中古の「プレイボーイ」が2本ございますので、こちらでもご紹介させていただきます。

 

【ご質問】

板が魅力的過ぎて悩むところですが・・・
プレイボーイ、プレイデート、ダガーの違い、魅力は如何でしょうか?

 


【回答】

このたびはお問い合わせいただきましてまことにありがとうございます。

 

ロビンキーガルの作るボードは外観上一見似ていても、モデル名が違えばコンセプトが異なり、ライディングのフィーリングもまったく異なったものになります。

 

また同じモデル名でも、彼自身が「進化を求めている」というように、コンセプトは同じであってもシェープされた年代やシチュエーションによってボードの形状も変わります。

 

彼のボードづくりに対するアプローチは他のシェーパーと異なり、あくまでもベースの部分(1969年以前に作られたボード)があり、それ以降に開発されたショートボードによる影響を受けないボードを追求するところにあります。

 

だから流行っている形状のボードを作ったり、性能を求めるあまり1960年代当時にはなかったレールやロッカー、フィンのデザインを取り入れることはありません。

 

1969年に突然に興った「ショートボードレボリューション」(ビッグブランドの思惑によって作られた捻じ曲げられた進化の過程)によって突然と止められたロングボードの進化を再び自分の手で成し遂げようという壮大な構想です。

 

残念ながら多くのシェーパーたちは時代の表面だけをなぞり、なんとなくそんな感じのボードを作っているに過ぎません。そのようなコンセプトでボードを作るシェーパーはただ一人ロビンキーガルだけなので、アレックスノスト曰く「わかる奴だけにわかる」と評し、トーマスキャンベルは「コンセプトがぶれない唯一無二のシェーパー」と最大級の賛辞を与えています。

 

ロビンはボードの制作に関しては、あくまでも自分のコンセプトを追求する姿勢を変えません。言ってみれば、ユーザー目線で誰にも乗りやすいボードを作るのではなく、あくまでも理想を追求しているのです。

 

そのために、彼のボードは追求され尽くしたものだけが持つ究極の輝きを持つ反面、単純に乗りやすかったり、あらゆるコンディションに対して万能というわけではありません。

 

波を選び、乗り手に技量を求められることもあります。しかしながら、今まで体感したことのない世界がそこにあり、実際に使用するサーファーのレベルを上げてくれると言われています。

 

ロビンは現在、メキシコに滞在中で当分の間、カリフォルニアに戻ってボードを作らないと言っているので、ますます入荷数は限られますが、ぜひ興味を持っていただければ幸いでございます。

 

長くなりましたが、お問い合わせいただきました各モデルにつきましてご説明させていただきます。

 

◎プレイボーイ
2011年以降に作られたこのモデルは、1967年当時オーストラリアで興りつつあった「ロングボードを激しく動かす」時代を再現するボードです。

 

アウトラインは伝統的なビンテージボードと同じピッグですが、ボードは限りなく薄くなり、レールはピンチで繊細です。またボトムには強いVEEが施されています。

 

現在、「ハイパフォーマンスピッグ」と呼ばれるこの形状は、2011年にロビンがオーストラリアに渡り、ボブマクタビッシュの薫陶を受け当時の再現に自らのアイデアを詰め込んだものです。

 

先んじてオーストラリアに渡っていたデーンピーターソンによって、この形状は世界的に広められ、現在のシングルフィンロングボードの世界的な主流となっています。

 

ただし作られた時期によって、繊細極まり、浮力が極端に小さいものがございます。

 

ライディングのイメージは、YOUTUBEにて1967年にオーストラリアで制作された「HOT GENERATION」で当時の映像をご覧になれます。

 


◎プレイデート

このモデルは、ガトヘロイからリリースされている上記「プレイボーイ」のイージー版です。

 

ロビンはご存知のとおりガトヘロイとクリームの2つのブランドを展開していますが、“ガトへロイ”とは上述した当時のボードの再進化をコンセプトにしており、“クリーム”は一般的なカリフォルニアのクラシックスタイルの簡単さを取り入れたブランドです。

 

ロビンは「プレイボーイ」を作りましたが、一般的なサーファーにとっては難しすぎると考え、同じコンセプトであり、同じマニューバーを描きながら、小さい波や、技量が少し劣っても誰でも簡単に楽しめるものとして、このプレイデートを開発しました。

 

 

カイエリス・フリントによる小波でのプレイデート

 

ホバンが乗っているのがプレイデート、ジャレッドが乗っているのがプレイボーイです

 

 

◎ダガー

このモデルは元々、アレックスノストのために共同で作り上げたボードです。

アレックスノストはロバートオーガスト、ダノーのライダーを経て当時のクリームのライダーになりましたが、それまでに彼が乗っていたボードはピッグノーズライダーといわれる形状でノーズにはティアドロップ型の細く長いコンケーブが入っていました。

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初期にはそのようなボードの形状を踏襲した「ニュープレジャー」をアレックスのためにシェープしていましたが、ロビンはその後、自分のコンセプトを強め、コンケーブがなくフラットなロッカーの“ホットドガー”というスタイルのボードをアレックスに提供するようになりました。

 

「コンケーブがなくてもスピードがあればボードは安定してノーズライディングをすることができる。波のトップでボードをストールさせてノーズライディングするのではなく、ファーストボトムターンで波のボトムからノーズに行き波のフェースでボードをリフトさせることができる」というボードを作りました。あくまでもロビンの考えとアレックスの高い技術力の結晶ですが、ノーズライディング一辺倒でフルレールの重く長いボードばかりだったシングルフィンロングボードの世界を一変させました。

 

このボードにはアレックス自身のこだわりである、スカッシュテールとピンチではないラウンドレールが採用され「究極のピボットターンモデル」と言わしめました。

 

一般的にロビンの作るボードはナイフィーなピンチレールが多いのですが、ダガーだけが丸みを帯びたレールを持っているのは当時からの名残でもあります。

コンセプトはオールラウンドで、波質を選ばず、スピード、コントロール、ノーズライディング(これは少々難しいですが)のすべてに高いレベルで優れています。

 



 

 


シーコング藤沢店
田中