■ - シーコング店長ブログ

今年に入って立て続けにフランス、カリフォルニアからガトへロイのボードが入荷しています。

その数、総計32本。今や店内はガトへロイのボードで溢れかえり・・・といいうところですが、おかげさまで半数のボードがすでにご予約、もしくはお買い上げをいただいており、目標であった、「各店にガトへロイのフルラインナップを展示」にはまだまだ程遠い状態にございます。

前述の様に現在入荷しているボードはカリフォルニアフランスで作られたボードです。

ご存知のとおりロビーは昨年9月カリフォルニアからフランスに引越しをしたわけですが、その前の約4ヶ月間、ほとんどの周囲とのコンタクトを拒絶し、一心不乱にボードを作っていました。

またフランスに越してからは新しい環境の中で自分の存在感を見せつけるべく、周りを惹きつけるボード作りに専念していました。

違う時期、違う場所で作られたボードが前後してこの日本に届いているわけです。

これが俗に言う“プロダクションボード”であれば、いつどこで作られても“同じもの”であるという安心感があるのですが、ロビーの作るボードは同じモデル名であっても各々のボードはそれぞれに違った感触を持っています。

日本では“ハンドシェープ信仰”が根強く、「マシンシェープよりハンドシェープの方がいい」と思われがちですが、世界中のいつどこで買っても同じように乗れるという意味では圧倒的にマシンシェープの方が優れており、実際、名の知れたブランド、たくさんの本数が販売されているブランドはマシンシェープを採用しています。

それに比べ“オールハンドシェープと言われる数少ないブランドは、圧倒的に作られる本数が少なく（ダノーのように）、また１本１本が違うシェーぷになっています。ロビー曰く「俺は機械じゃない。同じものが欲しいなら機械に言ってくれ」ということになるのですが、違いはあっても別の魅力があふれていることは車や洋服などほかのものと同じです。

「ボードを作っていると、もっといいアイデアが浮かんでくるんだ。そんな時、同じボードを作るか？それとももっといいアイデアを盛り込んだほうがいいのか？を考えれば、後者のほうがいいに決まっている。いいアイデアが浮かんでも、それを取り入れないのは間違っているだろ？だから同じボードは作れないんだ」と、ロビーは言います。

その言葉を体現するように、カリフォルニア、フランスから送られてくるボードは趣向は違えども、両者ともに目を見張る仕上がりです。

カリフォルニアのマンネリにどっぷりと使っていた近年のロビーは、世界中のいい波を求め、そこでの体験を取り入れ究極に絞り込まれたボードを作っていました。もちろんそれは一部のコアなサーファーの方々には注目を集めていました。

しかしその反面、私たちがどんなにその素晴らしさを伝えようにも、一般のサーファーの方々には遠い存在となりつつありました。

ところがフランス移住という新しいライフスタイルを確立するために、ロビーはすべてのみなさんの声に耳を傾ける必要があったのです。それは作り手として当然のことといえば当然なのですが、カリフォルニアのメインストリームとして若くして注目を浴びてきた彼にとっては、むしろ過去を捨てた新しい挑戦の始まりでもあったのです。

フランス移住を視野に入れて作り始めたカリフォルニアのボードには、まずそれ以前のボードに比べボリューム感が復活しました。ただしそのボリューム感はもっとそれ以前のクラシックとは違い、ロッカー、レールフォイル、ノーズ幅とあらゆる面で進化を遂げていました。さらなる進化を遂げたクラシックログに変身していました。

それに続くフランスのボードはクラシックノーズライダーなどへの本来のロングボードのラインナップを意識し、また同時にPIGを復活させた「スピースオペレーター」や「プレイボーイ」の両モデルを次なるステージへと導きました。またボードのデザインも他に類を見ない独創的でシンプルで、素晴らしいアーティスティックなものに仕上げてきました。