大阪店ウェイン・リンチとBMT - シーコング店長ブログ

こんにちは。

大阪店の中野です。

まだ正式に台風とはされていませんが、恐らく次の台風6号が発生しそうです。

そうなれば普段は波が立ちにくい場所に移動してロングボードでのんびりと小波で遊ぶも良し、それならばといつもより短いボードを積んで少し大きな波にチャレンジするも良しと、台風は良くも悪くも私たちのサーフィンの選択肢を増やしてくれます。

シーコングはご存じのようにロングボードを中心とする60年代のカリフォルニアカルチャーを発信しておりますが、60年代ロングボードを語る上で外せないのがやはり1967年以降の"ショートボードレボリューション"です。

それまでの10フィート近くあったボードがこの1967年以降のわずか２～3年の間に現在のショートボードほど短くなった革命的な時期でもありました。

それはベトナム戦争、黒人解放運動、ヒッピー文化など社会的にも政治的にも文化的な側面においても正に革命的な時代でもありました。

ジョージ・グリノー、ナットヤング、ボブ・マクタビッシュ、ディック・ブリューワー、マイケル・ピーターソンなどショートボードレボリューション期の主要な人物に加えて、オーストラリアのウェイン・リンチもこの時代の革命的なサーファーの一人でした。

このショートボードレボリューション期を語る上で外せない映画と言えばやはり、ポール・ウィツグの『ホット・ジェネレーション』『エボリューション』『シー・オブ・ジョイ』の3部作です。

順番に見ていくとどんどんボードが短くなり形状が進化していく様子がはっきりと伺えます。

1967年までのロングボードカルチャーは本当に特別だったんだ！！と強く感じるほど、わずか数年の間にサーフィンは別次元のものとなりました。

正に"サーフボード革命"です。

そして、この3部作にも登場するウェイン・リンチが大々的に世に登場したのはわずか16歳の1968年。

神童とまで称されるサーフィンで、この時代のサーフィンを語る上では際立ったスタイルを確立していました。

そして、かのアレックスノストはこのウェイン・リンチにインスパイアされたボードをシーコングに送り届けてくれました。

それが、このBMTのウィルスピンモデルです。

BMT Virus Pin 7'6ft

BMT Virus Pin 9'0ft

60年代だけでなく、70年代のサーフィンカルチャーにも深く精通するアレックスノストの新作モデル。

以前のエッグピンテールモデルを正式にモデル化し、"ウィルスピン"と名付けたモデルです。

Wayne Lynch Involvment

当然ながらウェイン・リンチのモデルに共通点の多いウィルスピンモデルですが、新作のウィルスピンモデルは以前のヴァージョンに比べてもボトム面に若干の変更点が加えられています。

ピギーなアウトラインに丸いノーズとピンテールが当時のオージースタイルを彷彿とさせます。

ふっくらとした丸みのあるレールは、この時期の特徴的なものでもあります。

以前のモデルに比べて浅いコンケーブをなくし、少しラウンドしたノーズボトムに変更しています。

驚くべきことにセンター付近からV形状になっているのです。

テール付近はかなりキツイV形状になっています。

このボードは速いパドルからダウンザラインを一気に滑り降り、スラッシャー気味のターンから高速のスピードでトップまで一気に駆け上がっていく60年代後半のオージースタイルサーフィンで、正にレボリューション期のウェイン・リンチをそのまま表現するかのようです。

店頭で接客させていただくと、ミッドレングスボードにご興味を持たれている方が本当に増えています。

何となく流行っているからシングルフィンロングボードを削りました。ピッグを削りました。次に流行っているのはミッドレングスだから短いのを削りました！！というような流行りに流された"なんちゃって"なボードも多い中で、

流行り廃りではなく、彼らは本当に昔のものを独自に研究しあくまで懐古主義でノスタルジーな側面を表現しているだけにすぎません。

しかしそこにこそストーリー性やドラマ性があり、サーフボードや人にも深みが出てくるのだと思います。

ミッドレングスボードとひとくくりにするのは簡単ですが、ロングボードを選ぶ時と同じように、ミッドレングスを選ぶ際も"ただ乗りやすそうだから"という理由だけでなく、そのボードの持つ歴史やカルチャーを深堀りすることもとても大事なことのように強く感じています。

ぜひアレックスノストの唯一無二の世界観をご体感ください！！

伝統的なオージースタイルともいうべき、ウェイン・リンチスタイルのウィルスピンです！！

【ボード説明】

オールドマル、サンドフィニッシュ

ハンドシェープ by アレックスノスト
フィニッシング by ゴールデンステート