一昨日、カリフォルニアから帰国しました。毎朝3時起きの時差ぼけです。
メキシコからロサンゼルスに戻った翌日の早朝、ニューポートビーチのブラッキーズでダノーと待ち合わせをしました。
ビデオの撮影に集まったのは、ダノー、トロイ、ジャック、エリン、そしてその他大勢のダノーフリークでした。
ここブラッキーズはアレックス・ノストやジャレッド・メルのホームポイントでもあるのですが、アレックスは『DUCT TAPE』の翌日、トーマス・キャンベルと共にモロッコへ、ジャレッドはコスタリカに撮影に行っていたので、残念ながら彼ら二人のライディングは撮影できませんでした。
アレックスのホームということもあり、カリフォルニアでももっともおしゃれやスタイルにこだわったようなサーファーたちが集まってきます。
数年前までは、アレックス、CJネルソン、ジャレッド・メルというスーパースターたちが同じ家に住み、『1653番地』にはロビーがショールームを構え、ポスト・ジョエル・チューダーの世代を築いていきました。
彼らの流れが、現在の1960年代のクラシックボードの再燃となり、『DUCT TAPE』、カリフォルニアはもとより日本、オーストラリア、ヨーロッパに飛び火しています。
彼らのボードの特徴は1960年代の「ピッグ(ボードの最大幅が真ん中よりちょっとテールよりに寄っている)」形状でボランクロスを使用し、大きなグラスオンフィンがついてます。動かしたり、ノーズに行くことだけがロングボードではなく、“もっとシンプルなロングボードの魅力を楽しもう”という感じです。
はたしてそんなボードがビーチブレイクで堪能できるのかというと、それは彼らのライディングを見ていただければおわかりのとおりです。
当日ブラッキーズはちょっとサイズが小さく、金曜の朝ですこし混んでいたので200メートルほど北側に歩いた通称「18th STREET」で撮影となりました。
「18th STREET」も典型的なビーチブレイクで、スティーマーズレーンやスコーピオンベイのようなパーフェクトなポイントブレイクではないのですが、コシからムネ、ゆるいオフショアでコンディションには恵まれました。
ちょっと日本のビーチコンディションにも似ているところがあるので、ライディングの映像はシングルフィンの皆様にも参考にしていただけるのではないかと思っています。
約2時間の撮影のあとはダノーのファクトリーに行ってきました。
そこにはもうすぐ日本に届くボードがいくつか最終工程の前に並べられていました。
また驚くことに2年前に頼んだ私のボードも、「あとはチョコレートピグメントのホットコートだけ」というところまで進んでいました。さすがダノーです。仕事が早いです。
その後は一度、サンクレメンテまで戻りウェーバーに行って今年の注文内容とダレンの来日日程について確認してきました。
同時にステッカーもたくさん持って帰ってきたので、各店に持って行きます。
そして車を飛ばし、シールビーチのハーバーに向かいました。
ハーバーの娘のメリッサと新しいミッドレングスボード「スーパーリボルバー」の打合せし、壁に飾ってあったジャケット「ガス・ステーション・ジャケット」を注文しました。かなりレアですので楽しみにしてください。
夜は、ロビーのファクトリー兼ショールームに行き、約半年ぶりの再会をしました。ロビーと知り合って約12年ですが、半年も会わなかったことはないくらい頻繁に会っていたので、久しぶりに会ったロビーの成長ぶりに驚きました。
ロビーは昨年の7月の来日以降、カリフォルニアから東海岸まで一人で自分のバンを運転し、『DUCT TAPE』に参戦した後、イタリア、北フランス、そして再びニューヨークに戻り、モントークの『DUCT TAPE』、フランス、イギリス、モロッコとシェープとサーフトリップを繰り返していました。本物を見極める眼力を持つヨーロッパのサーファーには既に絶大な人気を博しています。
その活躍を現すブログ
□ガトヘロイ
□BEACH BUM LOVERS(イタリア)
□Johnny Rad's(オーストラリア)
□Feal Mor(フランス)
□WALLAKO(南フランス)
□kyle lightner(写真家)
前述のようにカリフォルニアでは数年前から1960年代の『ピッグ』スタイルのサーフボード&スタイルが流行っていますが、ロビーはその数年前からそのようなボードをシェープしていました。
彼はその頃よく「誰もかれもノーズライディングばっかりで、誰も自分がしようとしていることを理解しない。カリフォルニアでもそうなんだ」とよく嘆いていました。
しかし今回訪れた『DUCT TAPE』やリンコン、サンオノフレ、チャーチ、ブラッキーズのどこに行っても今やロビーのコンセプトが浸透しているのが伝わってきます。
以前からロビーはよく「ロングボードの楽しみはノーズだけじゃない」と、言っていました。もちろん彼らのノーズライディングは素晴らしいものですが、『DUCT TAPE』で優勝したアレックスのライディングがノーズ主体でないのは明らかでした。今やレールラインが平行で丸いノーズにコンケーブが入ったいわゆる“ノーズライダー”は完全に影を潜めた状態です。
それを人より早く提唱してきたロビーは、クレイジーではなく、誰もが認めるクリエイターとなりました。
そのロビーは、2月18日に来日します。今回はミッドレングス3本、ロングボード4本のカスタムボードをシェープする予定です。
今後もロビーの動向に注目です。
・・・ちょっと長くなりましたので、次回はジョン・ペックの特集です。
カリフォルニアから帰ってきたら、お店がボードで埋まっていました。
向こうにいる間に、ウェーバー、ハーバー、クリームの入荷があったようです。
本当はクリームの『ビーチボール』は淡色しか作らない約束なのですが、今回は勝手にアブストラクトになっています。しかも特殊なフォームTバンドストリンガーです。せっかくなのでストリンガー分の価格は据え置いています。仕上がりも素晴らしいので、是非、お店に遊びに来てください。
ビデオの編集も頑張っています。
シーコング田中