ロビンキーガルのハンドシェープボード入荷しました！

藤沢店の田中です。

本日、待望のロビンキーガルによるハンドシェープボードがフランスから届きました。

思えば今年の8月の初め、ロビンより「ボードはシェープしたけどいつ来るんだ？」というメールを受け取って以来、4か月が経過しました。

その間、「何を何本？」という私の質問には一切答えず、「いつ来るんだ？」の一点張りで、結局、埒があかないので10月19日よりヨーロッパに向かったわけです。

この時期、ヨーロッパまで行くにはそれ相当の飛行機代がかかり、なおかつロビンと過ごすということはホテルや食事にお金がかかってしまいます。

そのことを考えると「せめて20本以上のボードが必要」と思っていたのですが、ポルトガルのリスボン空港に到着してからも、彼が自分が作ったサーフボードについて語ることはなく、「とりあえずポルトガルでもスペインでもコンディションがいいところでサーフィンできるように南に向かおう」と言い、私はそれに従うこととなりました。

途中、セビリアで1泊、翌日は「ポルトガルに行くとジャスティンアダムス達が待っていて合流しなければならないので、もう少しプライベートにいい波に乗ろう」ということで、スペイン南西部のカディスから波をチェックしながら南下しました。

結局、「良さそうだけど、イマイチ気が乗らない」と言い出し、「明日、船でモロッコに渡ろう」ということになりました。

後でわかったことですが、彼は最初からヨーロッパ圏内にいるとまずいと感じていたことと、アメリカでのトラブルを解決するために、オンラインでは解決できないので、モロッコのアメリカ大使館に行こうと考えていたようです。

とりあえず彼としては、ヨーロッパにいても安穏としていられないし、アメリカのトラブルの解決期限が2日後に迫っていることを私には内緒にしたままモロッコに向かおうとしたわけです。

モロッコに到着しても、ホームレスにカツアゲされたり、言葉のまったく通じないロマの少女に付きまとわれたりと、初日から散々な目に遭いましたが、それでも彼が海に向かおうとしないことを不思議に感じていました。

彼はしきりに「今日は何日だっけ」、「モロッコのアメリカ大使館はどこにあるんだろう」と言い出すようになりました。

ホテルから一切出ない彼に私は我慢できず「いったいどうしたというんだ？」と問い詰めたところ、「フランスとアメリカで起こしたトラブルを解決しなければならないんだけど、どちらもオンラインの申請が必要なんだ。ウェブサイトにアクセスしたんだけど、最終的にいつも連絡先の電話番号が必要になって、俺は携帯電話持ってないからその先に進めないんだ。それなのに期限が明日に迫っているから、大使館に直接行って解決しようと思ってたんだ」と白状しました。

そうとわかれば私の携帯電話を使って問題を解決しようということになり、彼とアメリカの法務省とのZOOMミーティングを設定するに至りました。

最終的に、すぐにアメリカに戻り3か月間の講習を受けなければならないという指示を受けました。

ロビンはこれですっかり気が楽になったようで、その翌日は朝からサーフィンに行こうと突然人が変わったように張り切りだしました。

翌朝、サーフィンに行くにも旧市街をレンタカーで移動するのは危険だということで、結局私たちはタクシーを拾い屋根にボードを結びつけタンジールの西海岸に向かったのです。

一般的にヨーロッパのサーファーがモロッコ、ウェスタンサファリに向かう場合、さらにはるか先のサフィ、タガズー、アガディールというポイントを目指すためタンジールは単なる通過ポイントとなってしまいます。

しかしながら私たちがタクシーで訪れたその海岸にはポルトガルにも勝る無限の波が広がっていたのです。

私たちはその発見に興奮し、ラクダに乗って撮影したりして存分にその日を楽しみました。

「楽しかった。次回は最初からあそこを目指そうと」言い合いながら、ホテルに戻った途端、彼の顔が青ざめました。

その理由はアメリカ法務省からの「バッドニュース」というメールにありました。

3か月の講習を受けた後も彼は3年間、アメリカから出国できない、というのです。

アメリカを出れない＝フランスに戻れない＝フランスでシェープできない、可能性が高いのです。

「人間はインターネットの奴隷なんだ、免許証もパスポートも、税金も銀行口座もすべて国に管理されてしまっている。こんな世界には住めない」と、彼は言うのです。

言っていることは理解できますが、「お前が問題を起こさなきゃ済む話なのに」ということは通じません。

「こうなったらメキシコか南米に行くしかなさそうだな」と彼は言いましたが、私は「メキシコも南米に行っても、全部繋がっているよ」と諭すしかありませんでした。

旅の間中、彼がフランスに戻りたくない理由は依然不明のままでしたが、最終日、スペインからフランスへ国境を通過するとき、待機していたパトカーがサイレンを鳴らしながら私たちの方に向かってきたときの彼の怯えようを見ると、相当に切羽詰まっていることだけはわかりました（結局その時は他の車を追っていたようですが）

そんなこんながありまして、今回の入荷にこぎつけたわけです。

私は常日頃から「次の入荷はいつかわからない」と言っていましたが、これは本当に買っていただくためのプレッシャーではありません。

それどころか、まさに彼の状況は追い詰められているのです。

本当に、次のハンドシェープ by ロビンキーガルは、いつになるかわからないのです。

ということで、天才（まさに彼はサーフボードに関してだけは天才です！）ロビンキーガルのシェーププした美しいボードをご覧ください。

すでにフリーのボードは残り1本となっておりますが、キャンセルが出る可能性もございますので、気になるボードがございましたら、各店スタッフまでお申し付けください。

●ブランド：ガトヘロイ

・モデル：スムースオペレーター

・サイズ：9'6ft

・価格：￥349,000（税込）