こんにちは。
大阪店の中野です。
それではカリフォルニア日記も最終回となるVol.6です。
なんだかんだと長~く書いてしましたが、これでとりあえずカリフォルニア編もひと段落となります。
それではどうぞご興味ございましたら暇つぶしにでもどうぞ最後までお付き合いください。
🔶🔷『ダノー&トロイ at ブラッキーズ!!』
22日日曜日
前日の土曜日夕方にはダノー、そしてトロイよりそれぞれ連絡がありました。
ダノー『風にもよるけど、明日はブラッキーズかドヘイニーに行くぜ!!』
『満潮時の南スウェルはドヘイニーがとにかく最高だ!!』
『もしも今日のような南風が吹くならブラッキーズがいいかもしれないな』
私『OK!!です。じゃあ私たちはまずは朝一ブラッキーズに行きますね!!』
『もしも考えが変わったら教えてください!!』
トロイ『ダノーと連絡した??』『明日はどこがいいのかわかんないや。』
私『ダノーは風にもよるけど;@;#&$%#......って言ってたよ』
トロイ『OK!!じゃあブラッキーズがいいかな!!』『9時ごろに向かうよ』
私『OK!!』『じゃあ僕たちもまずはブラッキーズに行くけど、もしも考えが変わったら教えてね!!』
ふと気が付くとほんの数日前には考えられないようなやりとりが行われていました。
こんな私ごときが、なんとダノーとトロイと明日のスケジュールを組んでいるのですから。。
連日の早起きも今日が最後となります。
とりあえずブラッキーズに8時到着。7時にはロサンゼルスを出発しようと計画していました。
今日はトロイとダノー、そしてデーンに会えることを考えるとついつい興奮して、ふと目が覚めると時計の針はまだ3時を指していました。
気分を盛り上げたかったのか、なぜか謎にスマホで『トップガン』を見てしまったため、気づけば最終日(正確には明日朝のフライト✈で帰ります)のロサンゼルスの朝をすでに迎えていました。
ベランダ越しに見える雨上がりの日曜日の朝はとても気持ちがいいものでした。
鏡越しに見える私の顔はあきらかに疲れていましたが、同時に少し緊張もしているようです。
大事なカメラの充電をしっかり確認して、すっかり愛着の湧いたレンタルフォードに特派員と乗り込みました。
ハイウェイの運転も手慣れたもので、尻込みしていた"カープール"も自然に運転できるほどに成長していました。
たったの5日間とはいえ、日本と比べると異様ともいえるカリフォルニアの日常をいくつか目にしました。今となっては初日に見たボンネットがないまま走っている車や、助手席のドアがなくてもそのまま走っている車を見てももう驚くことはないかもしれません。
そして出発するとタイミングよく、トロイ、そしてダノーからメッセージがありました。
トロイ『ブラッキーズは少し風がきついかもしれない』
『でもとにかくブラッキーズがいいかな。』
『今どのあたりにいる?』
『そしてダノーはどこか知ってる?』
私『あれっ?9時って言ってなかった💦💦』『早いね💦』『とにかく8時ごろに着きます!』
ダノー『もうすぐブラッキーズに着くぜ!!』
私『え~💦💦もう少しお待ちを!!』『渋滞にハマって結局8時半になりそうですボス!!』
ダノー『OK!!じゃあドーナツショップの前で待ってるよ!!』
やはりサーファーの朝は早いのか?
ダノーもトロイもすでにブラッキーズに到着しているようでした。
8時すぎの到着となりましたが、今日は日曜日でフリーマーケットを開催していたということもあり、すでに駐車場はほぼ満車状態で、ビーチ周辺には多くの人で賑わいを見せていました。
『ドーナツショップに着いたよー!』とこの写真をダノー、トロイに送ると、すぐそこには、たしかにブラッキーズの親分が立っていました。
ダノーです。
『ハーイ!!コーセー!!』
3年前の堺ブルースフェスティバル以来となりましたが、調子はすこぶる良さそうでした。
1週間前には奥様とポルトガル旅行に行ってたそうで、昔と変わらずサーフィンも音楽も、家族も仕事!?も充実しているようでした。
『もうすぐ10本完成させるよ!!』『このペースじゃあそろそろトシに怒られそうだからな(笑)』とやる気満々でしたが、果たして、、。
ダノーの車をチラッと覗くと、自慢のホッグとミッドレングスが2本積まれていました。
ダノー『今日はコーセーもサーフィンするんだろ??』
『ボードはあるぜ!!』
私『いやいや💦僕はあなた達を撮影しに来たんですよ!!』
しばらくするとトロイがフラッと現われました。
トロイ『波のサイズはあるけど風が厄介だね。』『人も多いよ。』
『とりあえずサーフィンの後はどうする??』
『今日は昼前にデイドリームで友達のピアノライブがあるんだよ!!』
『妻と息子も合流する予定さ』『後でおいでよ!!』
気が付くとダノーは着替えを済まし、すでにビーチに向かっていました。
トロイは『少しストレッチしてからビーチに向かうよ!!』と言い残しフラッと消えていきました。
特派員は『ドーナツ買ってきますね💛』とフラフラっと消えていきました。。
『。。。。』
とにかく撮影や!!
すぐにカメラを準備してダノーを追っかけました。
そしてトロイも合流
セット間隔は長いですが、最大セットは肩~頭サイズほどあり、流石にロングボードのコンディションではありませんでした。
ピークには人も多く、軽いオンショアで少し難しいコンディションのようでした。
トロイはお気に入りの7'2ftサブマリンを持参し、ダノーは7'6ftのダイナモに乗り換えていました。
難しいコンディションだったとは言え、ブラッキーズのローカル組はたしかに誰よりもいい波に乗っていました。
途中『人が多いから怖いよ💦』と言って上がってきたトロイも
『もっと乗った方がいい??』
とサービス精神旺盛でさらに数本乗ってくれました。
風でカメラが揺れまくってしまいましたが、後日このセッションの模様を形にできればと思っております。
トロイ『じゃあ今から家族を迎えに行ってデイドリームのライブに行ってくるよ!』
『あとでデイドリームでコーヒーでも飲もうよ!』
とのことで一旦別れを告げました。
ダノーもトロイが上がるのを見てこちらへ上がってきました。
ダノー『そうか、トロイはデイドリームへ向かったか!』『お前らはこれからどうするんだ?』『一緒に行くのか?』
私『とりあえずあとでデイドリームに行きます!』『ダノーがまだサーフィンするなら撮影したいです!!』
ダノー『そうか!!そいつはプレッシャーだな(笑)』
と言ってまた海に戻っていったダノーが何だかかわいらしく見えてしまいました(笑)💛
しばらくのあと、気が付くと撮影は特派員が行っており、ダノーもいくつかのいい波に乗り、波のサイズも落ち着いてきたころにはついにダノーが上がってきました。
本当にサーフィンが好きなんだなぁとあらためて感じながらも、最近シェイプしたダイナモがとても調子がいいとのことでした。
日本バージョンの分厚いダイナモがとても好評なことに興味を持ち、自分用に削ったらホントに調子が良かったそうです!!
お土産に渡した"リトルリチャード"のレコードも気に入ってくれたようで、ブラッキーズの親分とはまたいつかのブルースセッションを約束してお別れをしました。
再びデイドリームに戻ると、トロイの奥様フランとハーモニー君に会うことができました。
すっかり良きパパとなっているトロイは、すでに確かな風格があり、今後のカリフォルニアの若きパイオニアとして活躍するには、十分すぎるほどのオーラを放っているのを感じました。
ダノーとトロイ。
数日前の"孤独のブラッキーズ"から考えると、わざわざ朝からブラッキーズに集まってくれたことに対してホントに感謝しかありませんでした。
なんだか点と点が線で繋がっていく気がしていました。
🔶🔷『さぁ!!デーンピーターソン、そしてマリブ』
デーンピーターソンとは、15時にロサンゼルス郊外のお家にお邪魔する予定となっていました。
とにかく私のカリフォルニアトリップ最後の締めが"デーンピーターソンに会う"ということです。
私はこのサーフィン界の超"大物"に会うことにとても緊張していました。
仕事抜きで考えると、とにかくアレックスノスト、デーンピーターソンに強烈な憧れがあり、ロングボードを始めたころから繰り返し映像を見ていた人物です。
まさかシーコングでデーンのボードを取り扱うことになるとは思っておらず、そしてまさかカリフォルニアでデーンに会えるとも思っていませんでした。
デーンとご近所であるシーコング特派員も、今日はひさびさとのことでした。
日本からお土産として用意していたお気に入りの"ジョンコルトレーン"のレコードと"風鈴"を用意して、デーンお気に入りのドーナツショップで差し入れを買いました。
『あ~緊張する~!!』
ドーナツショップを出発するときには、40歳を超えてもひさびさに緊張している自分がいました。
しかし同時にカリフォルニアの旅ももうすぐ終わりに近づいているのを感じとり、
旅の疲れなのか、寝不足なのか、緊張なのかとにかく"デーンに会う"のを目の前にしてどっと疲れが溜まっているのを感じていました。
眠気も襲ってきたのでもうこのまま車で寝ようかなとも思いましたzzzz。
特派員『へぇ~やっぱりデーンって大物なんですね💛』『まぁでも誰にでもフレンドリーだから緊張する必要なんか絶対ないですよ!!』
っと私の緊張を少し和らげるような特派員の言葉を聞いてるうちに車を走らせること数分、ロサンゼルス郊外のデーンのお家に到着しました。
『ハーイ!メーン!!』
ドジャースのキャップにトレーナーを着たデーンが玄関からフッと出てきました。
突然の生デーンに驚きながらも、すぐに異変に気付きました。
どうやら腰痛が再発しており、それが右足の筋肉にまで悪さをして少し足を引きずっている様子でした。
とにかく仕事を抜きにして(笑)、いかに今日会えたことが私にとって光栄なのかを伝え、すぐさまお気に入りのレコードと風鈴をプレゼントしました。
体の調子は悪そうですが、気持ちは元気そのもので私にもとてもフレンドリーに接してくれました。
しばしの雑談のあと庭に併設しているシェイプルームを案内してくれました。
3年前に父親の手助けによって作られた小さなシェイプルームはデーンお気に入りの場所で、壁に貼られたお父さんハンドメイドのボード写真を見せてくれました。
シェイプに関しては父親とトムウェグナーから多くを学んだというデーンピーターソン。
私の友達もデーンのボードで最高のサーフィンを体感していることを伝えると、とても嬉しそうにしていました。
しばしの雑談の後少し私の緊張も和らいできたのか、この空間にも少し馴染んできたころには昨日の少しほろ苦いマリブデビューの話をしました。
彼女であるケイラが出張でいなかったため、金曜日の夜は一人で過ごしていたこと、金曜日の夜もそうだし、昨日の土曜日も誘ってくれたら俺もマリブに行ったのに!!
とのデーン談。
『ロビンのボードは最高にイカしてるけど、俺のボードの方がイージーだよ。』『昨日マリブに誘ってくれたらボードも一緒に貸してあげたのに!!』
『そうだ!!俺のボードを貸してあげるから今からマリブでサーフィンしてきたらいいよ!』『ほらいい波が入っているよ!!』
っと昨日の藤屋さんのような状態でマリブの動画を見せてくれました。
たしかに今日もパーフェクトなレギュラーブレイクが入っているのが確認できました。
私『ありがとう!!でもそんなの悪いよ!!』『もう昨日で十分サーフィンは堪能したよ!!』
デーン『何言ってんだよコーセー!!明日がフライトだろ!!最後に絶対にマリブに行くべきだよ!!』
『体重はいくつ??』『ワックスアップはしていないけどいいボードがあるよ!!』
『ガレージへついて来いよ!!』
私『。。。!!』
時計はすでに17時前となっていましたが、デーンは18時から仕事がすでに入っているのを知っていました。
もしかしたらこれはカリフォルニア流の、『京都でいうところの"お茶漬け"的』なものなのかなぁとしばらく感じていると決してそうではなかったようです💦
ローラパーソナルとノーズライダー
まさかの事態に驚きながらも、デーンのボードの説明は非常に熱を帯びたものでありました。
彼の真剣な表情は決して"お茶漬け"的なものではなく、デーンが考えだした、はるばる日本からやってきた私への今できる最高の"おもてなし"だったようです。
ボードの選択肢は2本でしたが、ローラパーソナルはレールが薄く昨日の二の舞になりそうでしたので、浮力のある3ストリンガーのノーズライダーを選びました。
このノーズライダーは元々ロサンゼルスの高級寿司屋の店主を務める"日系人のジローさん"が所有していたスペシャルな1本だったそうです。
フィンはデーンがかれこれ10年以上使っているお宝の"フレックスフィン"を貸してくれました。
『これだけは絶対に無くさないでくれよ!!』っと念を押されたぐらいお気に入りのフィンです。
憧れのデーンに会い、まさかデーンのボードを借りて、しかもマリブでもう一度サーフィンができるとは夢にも思ってもいませんでした。
はじめて会ったデーンピーターソンは私の予想以上にフレンドリーで、心から親切にとてもとても良くしてくれました。
ちょうど彼女のケイラも帰ってきたころ、マリブまでの渋滞も緩和されており、ロサンゼルス在8年の特派員によるワイルドな運転なら30分でマリブに着くことのこと。
ワックスを塗り終えると、デーンピーターソンと彼女のケイラに深い深いお礼を述べて、再びマリブを目指しました!!
特派員『っね!!めちゃくちゃいい人だったでしょ!!』『中野さんめちゃくちゃラッキーですよ!!』『デーンなりの最高のおもてなしじゃないですか!!』
中野『いやぁ緊張したぁ💦。。』
特派員のワイルドな運転が心地よくなってきたころには、もうマリブのサーフィンなんかどうでもよくなっていました。デーンからボードを借りただけですでにお腹いっぱいの状態です。
マリブのコンデイションは昨日と同じ状態で、人の数も昨日と同じぐらい混んでいるのが目視で確認できました。
特派員『言っても時間がありませんよ!!』『急がないとあと30分で日没ですよー(笑)!!』
『じゃあ思いっきりいいの乗ってきてください💛』
マリブの夕日がとても綺麗で、近くのレストランからは聴きなれた50'sミュージックが潮風に乗って聞こえてきました。
そしてデーンから借りたボードでパドルアウトした瞬間に感じました。
『このボードならいけそうだ!!』
相変わらずファーストポイントは混雑している様子でした。
昨日の教訓を生かして、ロングボードなら小ぶりな"セカンドポイント"からでも十分すぎるほどのライディングができるのを陸から学んでいました。
ファーストポイントからは昨日と相変わらず、夢にまで出てきそうなパーフェクトなレギュラーブレイクが鳴りやみそうにもありませんでした。
とにかく時間もありません。いつものワイプアウト(笑)を交えながら、セカンドポイントの小ぶりな波を数本メイクしたころ、先ほどのレストランからは大好きな"レイ・チャールズ"の歌声が聴こえてきました。
その歌声はマリブの夕日がさらに沈み、私の旅も終わりを迎えるような何かの"サイン"にも感じました。
夕日もさらに沈んでいき、時間的にも次が"ラストウェーブ"だと感じた時には、すでに私の場所にもいいセットが近づいていました。
デーンのボードならたやすくキャッチできそうな波にテイクオフする瞬間、すぐに私にとってこの日一番のいい波だと感じるには十分でした。
とにかくマリブの夕日の木漏れ日が最高潮に綺麗でした。小ぶりでもパワーのある波は私の旅を締めくくるには贅沢で、何だか波に乗りながらカリフォルニアでの苦しかったことやうれしかったことが走馬灯のように頭に浮かんできました。
"実は一人旅がめちゃくちゃ不安でカリフォルニアで訳の分からないことをたくさん経験したこと、シェーが以外にいい人でチームライダーも最高だったこと、メリッサもチームライダーも朝からわざわざ集まってくれたこと、連絡の取れなかったジェイソンやトロイ、ダノーが最終的にはとってもよくしてくれたこと、憧れのデーンに会えてボードまで貸してくれたこと、ひさしぶりの藤屋さんや何と言っても最大級のシーコング特派員への感謝で少しだけ目頭が熱くなるのを感じていました。。"
こうして私のカリフォルニアトリップは終了となりました。
特にこの旅の道中、裏で沢山動いてくれた特派員には感謝しかありませんでした。
あれだけ不安で苦しかったカリフォルニアトリップがまさかこんなに感動するものになるとは本当に思ってもいませんでした。
『シーコングで働いててよかった~!!』
『とにかくまたカリフォルニアに来れるように頑張ろう!!』
『英語ももっと勉強して、仕事ももっと頑張って、サーフィンの練習ももっとしよう!!』
翌日の長いフライトの後、ようやく住み慣れたお家に到着しました。
出迎えてくれた奥様のお腹は1週間前よりもさらに大きくなっていました。
『そうか、まずはいいお父さんになるところからだな』
忘れかけていた情熱が戻ってきたような気がしていました。
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シーコング 中野