こんにちは
大阪店の中野です。
それではカリフォルニア日記Vol.5となります。
どうぞご興味ございましたら暇つぶしにでも最後までお付き合いください。
🔶🔷『いざ!!ハーバーサーフショップへ!!』
21日土曜日
昨年のリッチハーバーの訃報はサーフ業界に大きな衝撃となりましたが、現在は愛娘のメリッサがハーバーを取り仕切っています。1959年から続く老舗ブランドも今年で創業63年目となります。
今回の目的は、元々ハーバーの映像事態が少ないため、なんとしても動画たくさん収めようと意気揚々と準備をしていました。また、メリッサとアパレルの件やボードのモディファイの件など伝えたいことがいくつかありました。この旅唯一の"お仕事"って感じの本気モードで今日という日をとても大切に感じていました。
今朝は7時にシールビーチでチームライダーと集合、そして10時にメリッサとハーバーのショップで待ち合わせとなっていました。毎日こんなに早起きするとは思ってもいませんでしたが、6時にロサンゼルスを出発してちょうど7時ごろにビーチに到着しました。
F氏は恐らく10時のメリッサとのミーティングに来る予定です。
ビーチを見ると1名のサーファーが入水していましたが、波はかなりのインサイドショアブレイク。
事前にメリッサより『明日はコンディションが悪いかも💛』と聞いてはいましたが、コンディションが悪いどころではなく、ほぼサーフィンができないような状態でした。
ローカルのおじさんに話を聞くと"サーファーあるある"の返答が返ってきました。
『いやぁ昨日はよかったんだけどね!!』
しばらくビーチをうろついていましたが、今日は特に朝の冷え込みが厳しく、上着を取りに駐車場へ戻ると、"特派員"が"女性の地元住民"に絡まれている!?のが見えました。
よく見ると"女性の地元住民”はなんとメリッサ本人でした!!
『ハーイ!!コーセー!!』
まさかメリッサが朝からビーチに来てくれるとは思わず、またあまりにもキュートな笑顔に私の顔が少し赤らめるのを感じました。
ピンクのハーバーキャップを被ったキュートなメリッサは、まるでドラマ『フレンズ』で一世風靡をした”ジェニファーアニストン”のように、聡明で明るく常に皆を思わず笑顔にするようなポジティブなオーラーを放ち、ニコニコと私の目の前に立っていました。
メリッサ『今日はごめんなさいね。波がかなり厳しいけど。もうすぐ2人のチームライダーが来てくれるわ💛』
私『まさかメリッサが朝から来てくれると思わなかったです。それだけで十分ですよ!』
予定外のメリッサが朝から来てくれたのがうれしくて、一人で勝手にテンションがあがっていました(笑)
しばらくすると明らかに古い車の爆音のエンジン音が駐車場へ近づいてきました。
チームライダーのネイトとクリスでした。
ネイトは自慢の1966年製のワーゲンに乗り、クリスは昨年手にしたお気に入りのタコマに乗って到着しました。
ワーゲンのあまりの"シャコタン"ぶりに驚きましたが、とにかく若い2人がこのコンディションでも集まってくれたことに感謝です。
ネイトは現役の大学生で、クリスは25歳のショップスタッフです。
ネイトはグリーンの初代プランティンモデル、クリスはクリアーのバナナモデルを持参していました。
昼からのロータイドになるとサーフィンができそうだとのことですが、とりあえず時間もありませんので撮影開始です。
メリッサもビーチで2人の様子を見守ります。
クリス
ネイト
実はこのトリップで一番重要視していたハーバーの動画撮影ですが、撮れ高はほぼゼロに近いような結果となりました💦💦
しかし、2人ともインサイドショアブレイクにかかんに挑んで、インサイドにできる危険なチューブを狙い始めていました。
しばらくするとメリッサの前に"いかしたハーバージャケット"を着たおじさまが現れました。
それはハーバーショップのオーナーでもあるロバートでした。
現在のハーバーサーフショップは、サーフボード部門はメリッサが取り仕切り、フランチャイズのような形でロバートがハーバーショップのオーナーとして切り盛りしている状態です。
今回の目的のひとつでもあるハーバーの"アパレル"を仕入れるにはこのロバートを"くどく"ことが優先事項でした。
残念ながら現在のシールビーチはハリーケーンの影響により洪水が発生するなど、以前とはかなり地形も変わってしまったとのことでした。
そんなこともありネイトもここのシールビーチに入るのは2年半ぶりだったそうです。
形とするにはほぼ何にも収穫のなかった撮影となりましたが💦💦それでもわざわざこの波に挑んてくれた2人のスーパーファイトにとても感謝しました。
またビーチで談笑している彼らを見ているととてもアットホームな雰囲気です。なぜハーバーショップが現在も存続しているのかを確認できるかのような、とてもポジティブな空気感でいっぱいでした。
大事なことは、私たちのためにメリッサ、ロバート、そしてネイト、クリスがわざわざ来てくれたことだな!!とあらためてこの朝のセッションを噛みしめていました。
そして、このあとはハーバーショップで10時の待ち合わせとなりました。
少し時間が空きましたので、ストリートをブラブラすることに決めました。
週末ということもありますが、朝9時ごろにもかかわらずストリートには多くの地元住民でにぎわっていました。またハーバーのTシャツを着た人もちらほら見ましたので、あらためてハーバーは地域密着の老舗サーフショップなんだなぁと感じた次第です。
そして約束の時間となりましたのでショップへ向かいました。
店内は所狭しとたくさんのアパレルグッズやサーフボードが並んでおり、天井には歴史的なビンテージボードがたくさん飾られています。
先ほどのネイトとクリスも出迎えてくれ、メリッサがあらためて店内とシェイピングルームを案内してくれました。
リッチハーバーが使っていた道具や貴重なテンプレートがまだそのまま残っており、とても神聖な場所のように感じました。
いよいよ事務所に通されてミーティング開始です。
雑談もそこそこにしばらくするとどこからともなくF氏がフラッとあらわれました。
突然の訪問に驚いていたメリッサもひさびさの再会でとても話が弾んでいるようです。
約2時間ほどのミーティングはやはりF氏と特派員がいなければ難しっかたように、少し込み入った話しとなりました。
進展した話しも、持ち越しとなった話しもありますが、テレビ電話やZOOMコールなど、現在は世界中のだれとでもトークできる時代の中において、しかし肝心なことはやはり直接会わないと物事が何も進まないんだな!と改めて感じた次第です。
結局ロバートとその後ハーバーショップで直接話をすることはできませんでしたが、とにかくメリッサと会えることができてとても素晴らしい土曜日の朝となりました。
一番右の方がF氏。
はい、元シーコング店長の藤屋さんです💛💛
私『ブログにこの写真載せちゃって大丈夫ですか??』
藤屋さん『僕はいいんですけど、大丈夫です??』
私『絶対に長年のシーコングファンが喜ぶと思います!!』
っとのことでひさびさの藤屋さんが登場です!!
平日は別のお仕事をされているようですが、最近は土曜日だけロサンゼルスのお寿司屋でも働いているそうです。
なんでもデーンピーターソンのお友達からのヘルプ依頼だそうで、シーコングを卒業してからも何かとご縁があり、また昨日のボードピックアップもたまにお手伝いしてくれているそうです。
アメリカに来てからすでに8年となるそうですが、お元気に暮らしておられるようですよ!!
っと午前の予定を終えたところで、すっかりフリーの時間となりました。
"ダノー"とは明日の朝、"トロイ"と一緒に待ち合わせ。
"デーンピーターソン"とは明日の午後、デーンのお家にお邪魔する予定となっていました。
藤屋さん『時間が空いてるなら今からマリブでサーフィンとかいいんじゃないですか?』
『ほらっ、いい波入ってきていますよ』
っとマリブのライブ動画を見せてくれました。
人は多そうですが、画面越しにも完璧なレギュラーブレイクが入っていました。
私『えっ!!マリブですか?僕なんかが入れる場所ですか??』
藤屋さん『大丈夫ですよ!!ヘイ!メーン!!と言ってみんなに挨拶してれば全く問題ないですよー』
私『(笑)ホントですか??』
特派員『ボードならありますよ。ガトヘロイのデスダガーですけど』
『サイズは9'2ftですよ』『昔ロビンにボードを見せたら、お前はこんな難しいボードに乗っているのか!って言われちゃいましたけど(笑)』
藤屋さん、特派員『ほら行くっきゃないですよ!!』『せっかくカリフォルニアに来たのに海に入らなきゃもったいないですよ』
元々空いた時間は、ロサンゼルスの観光(ハリウッドサインを見たり、映画の撮影所の見学を計画していました。。)と思っていたのですが、マリブの海を知り尽くしている藤屋さんからのオススメで急遽"サーフィン"ということになりました。
残念ながらも今からお仕事がある藤屋さんに別れを告げ、ふたたび特派員とロサンゼルスへ向かいました。
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この旅の中では、普通に過ごしているだけでもアメリカのインフレや円安の影響を感じる場面がたくさんありました。
中でも印象的だったのはこのロサンゼルスへ向かう途中、"お寿司"という言葉を藤屋さんから聞いたものですから、無性にお寿司がたべたくなり、この日系スーパーに立ち寄りました。店内を見渡すと日本から直接商品も仕入れているお店でした。
しかし値段を見ると唖然としました。。
"8個入りの鉄火巻き9ドル、10貫の握りずし25ドル。。。"
"1.5Lのお茶が6.99ドル"
他にも言いだせばキリがありませんが、、ペットボトルのお茶などは日本から輸入しているとはいえ、あまりの日本との価格差に驚愕しました。
円に換算するにはこのドル表示に1.5倍ですから。
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🔶🔷『不完全燃焼のマリブ!?』
サーフボードはまだ特派員の"旧家"に置いているそうで、まずは旧家にボードを取りにいきました。
特派員『お家の庭にボード置いているんですよ。2年ぐらい放置してるから汚いかもしれませんけど大丈夫ですか??』
私『そんな贅沢言えませんよ。貸してもらえるだけでも感謝しかありません』『だって今から聖地マリブですよ!!』
しかし、旧家に置いてあったデスダガーを見た瞬間に私は愕然としました。
汚いっていうレベルではないぐらい本当に汚くなったボードには、大きなクモが5匹ぐらい生息しており、失礼ながらこんなボードをレンタカーには絶対に収納したくないと思いました(笑)
贅沢なこととはわかっていながらも、こんな汚いボードなら一瞬マリブに行くのをやめようかな(笑)とも思いました。
特派員『だから汚いですよって言ったじゃないですか(笑)!!』
私『いや!これはさすがに汚いのレベルを超えていますよ(笑)』
昨日お邪魔した特派員の清潔で綺麗なお宅のイメージとは裏腹に、最高に残念な姿をしたボードを拭き吹きしながら、アトは海で洗っちゃいましょう!!ということで、ワックスとフィンを取りに行き、一路マリブへと向かいました!
マリブビーチ
今さら言うまでもありませんが、カリフォルニアは元より世界を代表する屈指のサーフポイント。ファーストポイントからの完璧なレギュラーブレイクを求めて今なお世界中のサーファーを魅了する歴史的なポイントでもあります。
トパンガビーチを超えて、16時ごろについに聖地マリブへ到着しました。
セット間隔はかなり長いですが、時折頭ぐらいのセットが入っており、想像してたより何百倍もパーフェクトなレギュラーブレイクが折り重なっているのが見えました。
土曜日ともいうこともあり、駐車場は元より、ピークも混雑しており、ファーストポイントからざっと70人ぐらいがラインナップに控えているようです。
『いや、こんなところ絶対に僕は乗れない(笑)!!』
あまりのピークの混雑ぶりにそう確信しましたが、ロングボードを始めたころ、何度も繰り返し繰り返し見ていた名作『ワン・カリフォルニア・デイ』のジミー・ガンボアのビデオパートそのままの映像が、確かに私の目の前に広がっていました。
あまりのパーフェクトなレギュラーブレイクと混雑したラインナップ、残念にも古汚れたデスダガーに丁寧にワックスを塗りながらも、長年着慣れたウェットスーツに袖を通す時にはすでに心臓の鼓動が自然と早くなり、アドレナリン全開となっていくのを感じていました。
そしていざマリブに入水。
とりあえずピークへ向かってデスダガーでパドルアウトする瞬間から、確信しました。
『あれ💦やばい、このボードは何だか難しそうだな。。』
昔の古いガトヘロイのボードということもあるのか、私の乏しい力量では極端にボード幅が細く感じ、パドルをするだけでもふらつく気がしましたが、とにかく"そろりそろり"とピークへ向かいました。
ピーク近くともなると、パーフェクトなレギュラーブレイクが時折何度も迫ってきますが、何人ものサーファーがその極上ウェーブをキャッチしていき、時には怒号が飛び交い💦、時にはシェアウェイブを堪能し、なんだか誰がピークなのかもよくわからない、かなり混雑した状態でした。
ダクトテープで見たような女性サーファーが美しいハング5を決め、古びたロングボードをエキセントリックな髪色のメンズサーファーが完璧なハングテンやスタイル全開のチーター5でマリブの波をメイクしていきます。
さらにショートボーダーやマリブ独特のハルボーダーがフルスロットルで極上のレギュラーブレイクを駆け抜けていくようです。
この信じられないような光景を目にしても、まだ私がこのマリブに入っていること自体が信じられないとても”フワフワ”した気分でした。
数分が経過しても中々波は回ってこず、とにかく私の物足りないサーフィンスキルで考えるに、この混雑した状況でマリブの波に乗るにはとにかく誰かの前乗りをして、堂々とめちゃくちゃ怒られるのを覚悟する以外、ここの波をキャッチすることができないと感じてきました。
極上のマシンウェーブを目のあたりにしながらもポジションをセカンドポイントまで戻し、とにかくハイエナ式で、とにかく小ぶりのおこぼれ波をキャッチするのが精一杯でした。最終的には何とか数本の波をキャッチすることができ、形としてはとりあえずのマリブデビューを果たしました。
しかし入る前のアドレナリン全開とは裏腹に、"贅沢"にも何だか不完全燃焼のマリブデビューと感じてしまいました😎😎🌞
とにもかくにもこの贅沢な機会を設けてくれた特派員に感謝です。
特派員『まぁ何はともあれ、中野さんがサーフィン出来て良かったし、ボードが海水で綺麗になってよかったですよ💛』
特派員のポジティブな言葉がとても印象的でしたが、とにかくボードは海水でたっぷりと磨いておきました(笑)
さぁ明日はいよいよこの旅も最終日、トロイとダノー、そして憧れのデーンピーターソンと緊張のご対面となっていました。
この日の夜、カリフォルニアにしては珍しく小雨が舞っていました。
いよいよ明日で終わりなんだと思うとなんだか少し寂しくなっているように感じました。。
次回に続く。。
シーコング 中野