藤沢店の田中です。
先日のブログで最新号の「サーファーズジャーナル」英語版にロビンキーガルの手記が10ページにわたって特集されていることを書きました。⇒当日のブログ
その反響はことのほか大きく、「やっぱりロビンってすごいんですね」とご来店された多くの方々に言われました。
また中には「どんなサーファーがサーファーズジャーナルに取り上げられるんですか」という方もいらっしゃいました。
「サーファーズジャーナル誌」とはいわゆる広告(主体)雑誌とは違い、ジャーナリスト(報道用の記事や素材を提供する人)という目線でサーフィンに関する事象を捉えた雑誌で、コマーシャリズムを極力排したその内容によって(英語の原版と日本語版では異なるのかもしれません)、世界中で“権威あるサーフィン誌”として位置づけられています。
そのため、誌面に登場するサーファー、文化、ヒストリー、情報などは、いわゆる“リアル”なものとして、世界中のサーファーに信頼できる情報源となります。
私は常々、シーコングが取り扱っているブランドについて皆様にできる限りその価値の高さ、正統性を伝えたいと思いブログを書いていますが、やはりシーコングのブログというのはシーコングの宣伝だからと捉えられても仕方のないことです。
しかし、上述のようにコマーシャリズムを排した「サーファーズジャーナル誌」に取り上げられることによって(今回はロビンの手記形式ですし、その他タイトルが「奇人変人」ということですが・・・)、彼が本当の意味で世界中のサーファーの中で取り上げられる価値のある者として掲載されることの方が、私のブログよりも何倍もその真意を伝えることができるので大変うれしく思っています。
前回、彼が「サーファーズジャーナル誌」に取り上げられたのは、2013年。その時のタイトルは「Straight & Heavy....Robin Kegel for Speed」(まさにストレートすぎてどう日本語に訳せばいいのかわかりません)。副題は、「もしフィルエドワーズが月に行くのなら」で、当時“フォイルドスプレンダーシリーズ”を掲げ、新しく世に放ったスピードシェープの『クラシックキラー』で異次元のカットバックを見せるロビンキーガルが特集の表紙となりました。
内容はさておき、その後巷にスピードシェープのボードがたくさん見られるようになったことを考えれば、彼とサーファーズジャーナル誌の影響力の強さに納得します。
そして今回のタイトルは、ATTENTION「chiens bizarres」(こちらは翻訳ソフトに入力すれば、「奇人変人」「変な犬」「奇想天外」に注意と出てきますが、すべて的を得ていると言えるでしょう)
これらからもロビンキーガルがサーフィン界において秀逸な“奇才”であることはご納得いただけると思います。
常に時代の先駆者は変人扱いされるために他者との調和を苦手としますが、ロビンの場合もその例にもれません。
実際に現在も、いろいろな理由により彼はサーフボードのシェープをほとんどしていないのですが、それだけに彼が過去にシェープしたボードを冷静に見ると、彼が秀逸な“奇才”であることは容易に実感できます。
彼はサーフボードをハンドシェープによって創り出します。
そのために、コンセプトにもとづいたボトムロッカーを持つフォームブランクスを特注し、1本1本を理想的な形状に仕上げていきます。すべてがその時の彼の完成によるため、創り出されたボードの形状は決して一致することができません。
「シェープしている間に、いいアイデアが閃いたらそれを取り入れない理由はないだろ」、「長さや幅の違いや誤差に対して同じラインを引くことは不可能だ。それらをつなぎ合わせるために新しいラインをクリエイトする必要があるんだ」と彼は言います。
それによって創り出されるボードは、すべてが信じられないほど美しく、独創的で、存在感を放ちます。
けっしてエポキシ製のモールドボードやスポンジボード、マシンで大量生産されたボードにはない“本物”の輝きがあります。
もしサーフボードを単なる「乗り物」「道具」として考えるのであれば、彼のボードを手にする必要はないでしょう。
しかしもし、サーフィンという独特なカルチャーに魅せられるのであれば、道具にこだわるのはサーファーの当然の帰結だと思います。
「サーファーズジャーナル誌」とそのような真理も伝えてくれているのだと思います。
彼のボードがどんなにたくさんのシェーパーによってコピーされようとも、それらと“ハンドシェープ by ロビンキーガル”は、まったく別物なのです。
ロビンのボードに限らず“いいボード”にはそれなりの視覚的な違いがあります。
○アウトライン:アウトラインを見れば一目瞭然です
○カラーリング:高級なカラーリングか安っぽい大量生産品かは比べればすぐに判別できます
○ストリンガー:これはボードのコンセプトにもよるので100%ではありませんが、ストリンガーの素材、太さの違いもすぐに判るはずです
多くの方に「ブログを楽しみにしている」とおっしゃっていただいているため、少し気合を入れて書いてしまいましたが、ボードの良し悪しを決めるつもりではなく、あくまでも皆様に私たちの扱うボードを評価していただきたいという思いからでございます。
「たくさんあって、何が何だか区別もつかない」という方も多いのが現実ですが、少し目をみはれば、価値あるボードを手にすることができ、それによってサーフィンライフの広がりも感じていただけると思っています。
ぜひ、よく眺め、手に取って感じてみてください。
シーコング藤沢店
田中
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