藤沢店の田中です。
突然ですが、今週金曜日にカリフォルニアよりクリームが20本、デューイウェーバーが6本、そしてガトヘロイのTシャツが入荷いたします。
最近は、とにかく完成したボードがあれば送ってほしいと頼んでいるので、どのボードが入荷するか定かではないのですが、間違いなく入荷いたします。
すでにほとんどのボードが「ご予約済み」となっていますが、毎回相当数がキャンセルとなりますので、ぜひご興味がおありの皆様、今週の入荷にはご注目ください。
またガトヘロイのTシャツは、今までの他の商品と同様に「最初で最後」の可能性もありますので、こちらのほうもぜひお見逃しなくご覧ください。
今週入荷するクリームとデューイウェーバーは長年にわたりシーコングにおいて最も売れ続けているメインブランドです。
その理由は、テイクオフの速さとボードコントロールの簡単さです。
その他にもバックボーンのヒストリーやカラー、デザインも理由として挙げられます。
事前にご試乗いただいた方の90%くらいの方が、後々ご購入されていますが、今のボードにテイクオフについて不満をお持ちに方に関しては、ほぼ100%に近い実績を残しています。
実際にボードをご購入いただいた方々のご感想をご覧ください⇒ユーザーレビューはこちら
しかしながら、残念なことにご購入に至らないケースもあります。
なぜかと言えば、それはクリームとウェーバーが持つブランド、ボードの特性が必ずしも最先端のボードコントロールを目的に作られているのではないという理由とお客様がサーフボードを選ぶときの基準がぶれてしまっていることに起因していると思います。
今日はその理由を掘り下げることによって、「シングルフィンロングボードとは」と「失敗しないためのボードの選び方」についてご説明させていただきたいと思います。
このブログで何度か書いたことがありますが、元来カリフォルニアではサーフィンはいわゆるオリンピックやWSLのようなスポーツとしてのコンテストサーフィンと“それ以外”に分けられます。
単純には説明が難しいのですが、車に例えると”F1レース”と”ビンテージカーイベント”くらいの大きな違いがあります。
F1は最新のテクノロジー、素材、テクニックなどによってまさに世界最高の才能と性能を競い合います。
対してビンテージカー好きの集会は、古い車にこだわりがある人たちが好き勝手にそれをもって集まります。けっして性能や進化を競い合ったりするものではなく、ただのもの好きの集まりです。
彼らはお互いにサーフィンが好きということに変わりはないのですが、目的は大きく違います。
ただしお互いに批判したりすることはなく、むしろリスペクトしてお互いの存在を認め合っています。
そのためにほとんどの場合、その間を行きかうことはないのです。ショートボーダーはショートボードのテリトリーに、ロングボーダーはロングボードのテリトリーに、コンテストサーファーは彼らのエリアにいて、まじりあうことはありません
(日本と違うのはトランジション系のボードはロングボードのカルチャーの延長線上にあり、スポンジボードはショートボードカルチャーの延長線上にあるということです。)
そのベースがあるので、ロングボードを選ぶときにショートボードや他のカテゴリーが違うボードの動きや性能を基準に評価したりすることはないのです。
しかしながら日本では、ショートボードのご経験がある方はどうしてもサーフボードは波の上下に動かすものだと考えてしまい、二言目には「動かない」と評価してしまうのです。(ロングボードがショートボードのように動かないのは当たり前なのですが。)
またロングボーダーであってもすごく重たい重量級のノーズライダーとハイパフォーマンスピッグを比べてしまうこともあるのです。(トラックを買って隣に並んだスポーツカーと比べてしまうようなものです)
冷静に考えればおわかりのように、これらを比べる意味はありません。
なぜならそれらはすべて別の目的、コンセプトで作られているからです。
にもかかわらず、ボードをお選びの時、「これ長いから動かないでしょ」という方は意外に多いのです。
本当は“美しい立ち姿のライディング”をしたいのであればボードは重くて長いボードのほうがいいのに、同時にサーフィンとはボードを動かすものだと思い込んでいるために、結局軽くて短いボードを購入してしまう方は多いのです。
このようにサーフボードをすべて“(ショートボードのように)動かす”という基準で評価しようとすれば、本来の欲しいボードを見失ってしまい、結局購入したボードにはやっぱり満足できない、と何度も失敗を繰り返してしまうのです。
シーコングで人気の高いデューイウェーバーのパフォーマーとスタイリストは1967年にデザインされ、現在発売しているボードも当時のテンプレートそのままです。
ロビンキーガルがクリエイトしたクリームのファットキャットは当然新しいデザインですが、そのベースはやはり1960年代にあります。
ロビンキーガルは当時のボードを当時に遡って再チューニングをするシェーパーです。再チューニングといっても、最新のロッカーやボトムの形状を取り入れて性能をアップさせるのではなく、当時に存在した素材、アイデアの中からはみ出すことなく、チューニングを施すのです。
それはカリフォルニアのロングボードシーン、トランジションシーンでは当たり前のことで、そこにこだわっているシェーパーは評価され、それを理解せずクラシックとモダンを融合してしまうシェーパーは評価されないのです。
というようにデューイウェーバーであってもクリームであってもベースはクラシックなのです。
そのために、1970年以降に誕生して進化を極めているショートボードのアイデアを取り入れたモダンなロングボードと「動かす」ことを基準に比べて見れば、当然その性能は劣っていると感じるのです。
しかし、前述と同じでそれはまったく意味を持ちません。
昔のスタイル(重量のあるボードをトリム&グライドして波に乗ること)が好きなサーファーたちの中に、最新のカーボン製の超軽量ボードを自慢しても誰も関心を示さないのは容易に想像できると思います。
長くなりましたが、このような理由から多くの方が未だに本来欲しかったボードを別の基準で評価してしまい、そうではなかったボードを買ってしまうのです。
ここは日本なので、あえてカリフォルニアや世界に合わせる必要はないのですが、シングルフィンロングボードとはクラシックカーを楽しむためのものというコンセプトをご理解いただければ、性能に縛られることなく、もっと波乗りを楽しんでいただけると思っています。
シングルフィンロングボードの一番の魅力は波が小さくても、たいして練習を積まなくても両足を揃えて立っているだけで、波を乗り継ぐことができることです。
そういった意味で簡単に波をキャッチできるデューイウェーバーの『パフォーマー』と『スタイリスト』、そしてクリームの『ファットキャット』と『カリフォルニアン』は最高なのです。
ぜひ今週の入荷にご注目ください。
ボード選びに迷ったら⇒オンライン版「サーフボード総合カタログ」をご覧ください
皆様のお問い合わせ、ご来店をお待ちしております。
シーコング藤沢店
田中