藤沢店の田中です。
「最近、ロビンボード作ってますね。日本にも送ってくるんですか?」と、よくお客様から言われます。
ガトヘロイのインスタには最近積極的に写真がアップされています。
この写真はフランスの南西部ビダールにあるガトヘロイの工場の敷地で撮影されたものです。フランス有数のサマーバケーションのメッカに近く、ビーチではサーフィンもできますが、この敷地は汚水処理場の横で海抜が0メートル以下なので時たま床上浸水に見舞われる厳しい土地です、だから安く工場を持つことができています。
新しい写真と古い写真が混じっているので、皆様の期待が大きい分、そのように映っているのかもしれません。
こちらは2011年の初めころ、ハワイ、日本、オーストラリアのダイナミックエンデバーに出発前にカリフォルニアのカピストラーノビーチにあった工場の前で撮影された写真です。ボードの形状、デザインのセンスには目を見張るものがあります。最前列に座っているのは当時ファクトリーの用心棒をしていた往年の名サーファー、リノアベリラです。
私自身はロビンが人並み以上に仕事していたのは、数年おきにお金に困って取り憑かれたようにシェープをしていた頃のことだけと知っているので、彼がどんなにやる気になっても“精力的”にとは程遠く、以前のようにたくさんのボードを作ることはないと思っています。
それでもここ数日はいくつものメールが来ています。
その中で、ここ数年取り組んでいたサーフボードのフォームブランクスの開発が一通り完成したとありました。
彼はここ数年の間、「POLYOLA」という会社の100%リサイクルオイルを使用して作られるフォームブランクスの開発に協力していて、ようやくミッドレングス、ロングボードに使用できる重量、強度、サイズ、ロッカーを組み合わせることができたようです。
昨日のメールでは「今までのフォームより強く、毒性が非常に小さい。現在はバスウッドに見た目が似ているアユースという樹木をストリンガーに使用し、それはティントカラーにも十分映える。今後は桐材のストリンガーも発売する予定」、
ご存じのとおり彼はサーフボード作りのマニアです。サーフボードの形状だけではなく、フォームの特性、カラーデザイン、ストリンガーの材質、クロスの組み合わせなどについて一切の妥協をしません。
「何となく、それっぽいのを作って、それらしっく見せる」のではなく、本当に機能し、本物としての存在感を示すことができるオリジナリティあふれるボードを自らの作品として創っているのです。
すでに多くの方々がそのことに気づいています。
一度でも彼のボードでテイクオフをしてみれば、それが他のボードとは圧倒的に違っていることはすぐに体感できます。
それは技量に関係なく、感じられるのです。
ガトヘロイのファンの方が皆、サーフィンの技量が高く、いい波だけでサーフィンしているのではありません。しかし、それでも「このボードは違うな」と実感できるのです。
触れば触るほど、見れば見るほど、乗れば乗るほど、彼のボードは美しく瞼に焼き付けられるのです。
フランス在住で、シェープ量が少なく、しかも長年の傍若無人な振る舞いによる評判の悪さをもってしても、世界中でロビンキーガルの評価は絶大です。
決して万人に乗りやすいボードではなく、使用するコンディションも限られますが、究極まで追及されたコンセプトとオリジナリティは、所有感を満たしてくれるものです。
新しいフォームが完成し、やっと再びスタート地点にたてた感じです。
これからすぐに彼のボードが入荷するとはいきませんが、他のシェーパーとは違う目線で活動するロビンキーガルに今後もご注目ください。
この週末はぜひ、ロビンキーガルの企画編集による大作「Summer of the CAT」をご覧ください。他のサーフィンフィルムとは一味違います。
引き続き楽しい週末をお過ごしください。
シーコング藤沢店
田中
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