藤沢店の田中です。
まずは多くの方にご心配をかけているロビンのネタから。
昨日、フランス滞在中のロビンと長電話をしました。(一方的に彼がしゃべるだけなのですが)
どうやら心配していた南米への逃亡は止めたようで、フランス政府から告発されている過去2年間分の税金を支払い、ビザの延長を申請するようです。
ということは当分の間、フランスの拠点で制作活動を続けるということです。
2005年に突然起こった“クラークフォームショック”を上回る、世界中のフォームブランクス不足(サーフボードの主材料であるウレタンフォームの製造工場の多くが操業を停止しています)のため、世界中のシェーパーが困惑している中、以前より収集していた豪華ストリンガーのフォームブランクスを大量に抱え込んでいるロビンは悠々としています。
もちろん彼自身もカリフォルニアやオーストラリアで起こっているブランクス不足を懸念し、できるだけシーコングへのボードの製造に支障がないように対策を施してくれています。
再度ロックダウンとなったフランスでは外出禁止令が敷かれ、レストランやスーパーなども休業になっているようですが、晴天続きの上、ロビンの家の眼下にはノースショアのような強大でパーフェクトなうねりが押し寄せているそうです。
ロビンは今後、改めてそこを拠点にマスターシェープの開発に注力するとのことです。
私はコロナの影響が出る今年の前半から、彼が人生をかけて取り組んでいた「トランジション」というプロジェクトは、彼にとってほぼ完成形を見たのではないかと感じていました。
昨年より今年の前半にシェープされたボードは、長年の試行錯誤の上に創られたもので、それらのすべてを凌駕する完璧なアウトラインとフォイルを持っているような気がしていました。
薄すぎず、鋭すぎず(従来よりのロビンファンの方にとっては刺激が薄れたかもしれませんが)、彼のボードにしてはふくよかとも思われる適度なボリュームに包まれたボードは、ロングボードとショートボードをつなぐ唯一無二のサーフボードとして仕上げられたと思っています。
ブランド創世期より、ロビンは「THE STILETTO : スティレット」、「SUPERIOR THINGS: スーペリアシングズ」、「SOS Surfin' U$A by 1653 Superior : スープ・オブ・スレイブ」、「LUSH LIFE : ラッシュライフ」、「SUMMER OF THE CAT : サマー・オブ・ザ・キャット」、「SUFAR! : ダイナミックエンデバー“サファー”」、「FOILED SPLENDOR SERIES : フォイルド・スプレンダー・シリーズ」など、ロングボードの創成期からトランジション期に向けたボードの開発をプロジェクトごとに分け、段階的に続けてきました。
以前は一つ一つのプロジェクトは長くても2年くらいだったのですが、最終局面に達した「トランジションの完成」に向けては、多くを語らず(他社のトラブルが多く、語れなかったのかもしれませんが)、長期間にわたり同じコンセプトのボードを創り続けていました。
私は現在、ロビンのシェープ量が減っているのは、祖母の遺産が転がり込んだからだけではなく、何となく彼がそのような境地にいるのだと思っています。
彼はある意味天才なので、数多の芸術家と同じで100%の力を注ぎ続けることはできず、おそらく充電期間が必要なのだと思います。
それもで過去に作ったものの評価は決して衰えることはないでしょう。
なぜならロビンキーガルが創るサーフボードは、他のシェーパーの作るサーフボードとすべてにおいて違いがあるからです。
最近は新しいボードが一度にどっさりと入荷することがないので、ぽつぽつと入ってくる中古ボードを見比べるのですが、改めてみると彼のボードの美しさ、完成度の高さには驚かされるくらいです。
一度にたくさん入荷すると同じように見えるボードも、別々に見るとまったく同じものはなく、それぞれに魂が込められたように個別の個性を発しています。
「こんなボード、絶対に他ではないですもんね」と、お客さんと話をしています。
先週末には、大学生の方が「ガトヘロイに興味がある」、昨日も初めてご来店されたお客様に「ガトヘロイのボードが気になる」とご来店いただきました。
以前、アレックスノストが「昔ながらの文化をなぞっているわけでも、小手先で小遣い稼ぎをしているわけでもない。彼がやってきたことはどれも革新的だった。いつもみんなの少し先を行っていて、本来彼が得るべき勲章はないけれど、わかる人にはわかっているという感じだ」と語っていたことが、ようやくこの日本でも多くの方々に広がりつつあるのだなとしみじみ思っている次第です。
昨日、彼は「フラットキャットという新しいモデルの開発をしている。それはフラットで幅が広いファットキャットのスカッシュテールバージョン」と言っていました。
私としては「それ、カリフォルニアンじゃないの?」と問い返したいところでしたが、天才には天才の閃きがあるようです。
その閃きを信じ、次の傑作ボードを待っていようと思います。
続きまして、待望のシェープルームが完成したにもかかわらず、腰痛を再発し先行きが危ぶまれていたデーンピーターソンです。
すっかり寝込んでしまっているのではないかと思っていましたが、「最近は調子が良くなった」そうで、新たにカスタムの2本のボードをシェープしたようです。
そしてシェーパー共通の自画自賛で「すっげえいい出来だ!日本に行って早くこのボードに乗りたいよ!」と写真を送ってきました。
そう言われれば、見るからによさそうです。それどころか、本当にすっげえ良さそうです。
写真からもその完成度の高さが伝わってきます。
腰痛さえ再発しなければ、続々とオーダーボードが出来上がってくる予定です(ラミネート工場も問題を抱えていますが)
その評判の良さを味わってみたい方がいらっしゃいましたら、お気軽に私もしくは各店のスタッフにご相談ください。
最後になりましたが、先日入荷したジョンペックのボードをアップしていなかったので、あたらめてご紹介させていただきます。
●ブランド:ジョンペック
・モデル:ニューエボリューション・ウルトラフライト・ロケットペネトレーター
・長さ:9'6ft
・幅:21インチ
・厚み: 2 7/8インチ
・重量:9.0kg
・フィン:シングルBOX
・品番:JP2001
・価格:¥280,000(税込、専用フィン込み)
・送料:無料
クリアー、レッドシダーウェッジ4ストリンガー、デッキパッチ、ボランクロス
往年のレジェンドにして現役のビッグウェーバーでもある神様ジョンペックがハンドシェープするラインナップの中で最もハイパフォーマンスに位置するモデルです。
幅狭いアウトラインと頑強なストリンガーによってボードが波の上で弾むのを防ぎ、サイズのある波でも高速を維持します。
すでに高齢のためシェープ本数が限られる、非常に貴重なボードです。
元々、カスタムオーダーで作られたボードですが、グラスオン仕様のご希望がボックスで仕上がってきたので、キャンセルとなりました。
●ブランド:ジョンペック
・モデル:ウルトラフライト・ペネトレーター
・長さ:9'7ft
・フィン:シングルON
・品番:JP2002
・価格:¥280,000(税込)
・送料:無料
ディープパープルティント、スリップチェック、レッドシダーストリンガー
往年のレジェンドにして現役のビッグウェーバーでもある神様ジョンペックがハンドシェープするラインナップの中で中間的なパフォーマンスモデルです。
全体的なダウンレールによってペネトレーターが得意とする高速性能と波を切り裂くパフォーマンス性能を兼ね添えています。
すでに高齢のためシェープ本数が限られる、非常に貴重なボードです。
現在、シーコング各店では中古ボード、特にウェーバー、クリームが枯渇しております。
それらのボードを含め、もしご利用になられていないボードがございましたら、どんなボードでもシーコング各店までお持ち込みください。
皆様のご来店、お問い合わせお待ちしております。
シーコング藤沢店
田中
///////////////////////////////////////////////////////////