藤沢店の田中です。
昨日に引き続き、先日入荷しましたガトヘロイのレベルクラフト仕様『スムースオペレーター』のご予約がキャンセルとなりました(同じ方なのですが・・・)ので、改めてご紹介させていただきます。
この『スムースオペレーター』も昨日の『プレイボーイ』同様に手から滑り落ちるほどの繊細でスムースなレールフォイルを持った貴重なロビンキーガルのオールハンドシェープボードです。
『スムースオペレーター』はロビンキーガルが2006年にブランド名を「Creme(旧クリーム)」から現在のコンセプトブランド名「ガトヘロイ」に変更したときから脈々と受け継がれているクラシックピンテールピッグです。
2006年発売のアメリカの専門誌「ロングボードマガジン」の表紙においてロビンキーガルは『スムースオペレーター』に乗っています。
“ラテンアメリカ”特集と題された本誌を覗くと、ロビンは“コスタリカ“特集と”ニカラグア”特集の中に豪快なライディングで登場しています。
@Costa Rica
@Nicaragua
@Nicaragua
それらのボードは「Creme(旧クリーム)」なので、表紙の『スムースオペレーター』がガトヘロイの極初期のものであることがわかります。
『スムースオペレーター』は1967年以前に作られたロングボードの中でもその後期に好まれたパフォーマンス性の高いピンテールピッグを踏襲しています。
ウェーバーの『フェザー』からインスパイアされていることはその形状からもよくわかります。(ちなみにシーコングでは2000年ころ、この『フェザー』を販売していましたが、当時はそのコンセプトを伝えきることができなかったため「難しすぎる」という評判となり、その後販売を中止しました)
Dewey Weber "FEATHER"
ロビンキーガルが他のシェーパーと違うところは、ただ当時の歴史をなぞって同じものを作るのではなく、当時のボードを当時のコンセプトと当時のテクノロジーそのままに、究極にボードを進化させることです。
彼は当時からそのコンセプトを「re-evolution」と言い当時のサーフボードの再進化を目指してきました。
それは同時に1969年に興った「evolution」にも通じ、ロングボードからショートボードに変わっていった時代になかった真の意味でのトランジションを意識していることもわかります。
***以下、雑誌「Blue.」より***
1967年ころからオーストラリアではサーフボードをもっと機能性の高いものにしようという動きが始まっていた。サーフボードは徐々に薄く、短くなりつつあった。革命の兆しはオーストラリア全土からハワイを経て、カリフォルニアに迫りつつあった。しかし旧態依然の体質が残るカリフォルニアのビッグブランドによってその動きは約1年間にわたって封じ込められた。彼らはそのパワーによって人々にその兆候を知らせることなく、在庫のロングボードを売りさばき、ショートボードを製造販売する準備を重ねていた。だからロングボードの時代は突然終わり、ショートボードの時代が突然に幕を開けたのだ。それは従来のロングボードの発展の連続性を完全に断ち切ったものとして出現した。徐々に変わったのではなく、ある日突然に体制が変わったのだ。まさに革命だった。
ロビンキーガルはその連続性が断ち切られた時代を自分の力でつなぎ合わせたいと考えている。その時止まった動きを再始動させようとしている。当時のままスピードやマニューバーを求めていれば、サーフボードは現在のショートボードの影響を受けた形状とは違ったものになり、形状もライディングももっとスムーズで美しかったはずだ。彼はそれをつなぎ合わせることを“トランジション”と呼ぶ。
そのような視点に立ってサーフボードを作ろうとするシェーパーは過去にも存在しなかった。だから彼は自らが欲するボードを自身の手で作ることを始めた。誰かの影響を受けたとか有名なシェーパーからテンプレートを譲り受けてそのまま作るボードが欲しかったわけではない。伝統的で古典的なロングボードにスピードとマニューバーの性能を与え、カーブが滑らかに連続した高性能なボードに仕上げようとしたのだ。
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オーストラリアでのスムースオペレーターのライディング
smooth operator
スムースオペレーターの記事
その様なコンセプトで創り出された『スムースオペレーター』はアウトラインは最大幅のポイントがテール寄りに移動したピッグ形状で、ロッカーは抑えめでテールにほんの少しだけキックがつけられています。
レールは言葉にしづらいほどのロビン独特の3次元フォイルでロールアップしたボトムとクラウンと呼ばれる形状がスムースにつなぎ合わされています。
テイクオフ後は中央よりテールよりに位置したスタンスで優雅にピッグならではのカジュアルでイージーな“トリム&グライド”をお楽しみいただけます。
これだけでも十分幸せなフィーリングですが、一歩前に進むとまるで振り落とされるような加速を感じます。
ボリュームの落とされたノーズは波を突き抜け、波のポケットに戻るためカットバックを余儀なくされますが、それが実に簡単スムースに行くところがロビンキーガルの才能のなせる技です。
まさにその名の通り「スムースオペレーター」を感じることができます。
「今までそんなことはできなかったのに」という方を簡単に次のステージに引き上げてくれることがこのボードの最大の特徴です。
今回のこのボードは9'6ftなのでテイクオフを重視するなら体重68kg以下の方、普段からテイクオフをそれほど苦手にしないのであれば体重75kgくらいまでの方におすすめできます。
ボードのデザインはシックなグルーグレイのボトム&レールに1960年代の定番デザインであったダイアゴナルバンドをあしらえているとこがロビンの知識の深さを感じます。
紛れもない至極の極みの逸品です!
美しく均整の取れたパーフェクトなアウトライン
水面への侵入部分で水の抵抗を排除したロビン渾身のロールボトム
比較的抑えめなロール
VEEではなく抑えられたテール部分のボトム
厚みは2 7/8インチ。抑えめなロッカーとテールキック
ボード幅は22 1/4インチと狭いアウトラインです
お近くの方であれば、この週末、ぜひ実物をご覧になりにいらしてください。
皆様のご来店、お問い合わせお待ちしております。
シーコング藤沢店
田中
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