藤沢店の田中です。
先週の金曜日にカリフォルニアから戻りましたが、今回は最終日にブラッキーズのコンディションが良くオールスター勢揃いの中、撮影することがでいました。
アレックスはBMTの『ディスコ』、トロイとチームライダーはエルモアの『サムズクラブ』、ダノーは11ftの『ホッグ』、ハーバーのシェーパーであるスティーブは『プランティン』、そしてロビンは『ファットキャット』を使用していました。
通常このようなメンバーが揃った場合、ロビンはその存在感を見せつけるためガトヘロイのシャープなボードを駆使し超高速で自己アピールをすることが多かったのですが、今回は“誰でも簡単にロングボードが楽しめる”というコンセプトの『ファットキャット』でした。
私はボードを選び際、大きく分けて2通りの選び方があると思っています。
例えば、どの車を買おうかと考える時、「ご予算に応じて実用的な車を選ぶ方」と「実用性よりも何らかのこだわりで選ぶ方」がいらっしゃると思います。
シーコングにお越しいただく方は多くの場合、「ご予算に応じて実用的なボード」をお探しです。
その中でも最も多いのは「もっとテイクオフが速くなりたい」という方で、同じく「もっと簡単にロングボードを楽しみたい」という方がほとんどです。
そのような場合、私たちは迷わずクリームの『ファットキャット』、ウェーバーの『スタイリスト』をお勧めさせていただいております。
『ファットキャット』と『スタイリスト』は実用的という意味では完璧なボードです。
特に今のボードでテイクオフや上達に苦労している方々にとっては感動的に乗りやすいので、絶対に「買ってよかった」と思っていただけると自信を持ってお勧めしています。
上記のように今回のカリフォルニアでロビンは集中的に『ファットキャット』に乗っていましたが、波がよく、サーファーの技術レベルの高いカリフォルニアでもやはり多くの人に求められるのは、「楽に、簡単に！」ということはかわりありません。
ロビン自信も「ロングボードの醍醐味は誰よりも沖から波に乗って、岸まで乗り継げること。誰もがそれを簡単に楽しめること」と言っているように、そういった実用性こそがロングボードには求められており、それを絶え間なく追求しているのはロビンならではです。
ロビンがフランスからカリフォルニアに戻ったのは今月の12日です。半年間不在にしていたカリフォルニアに戻り、その状況に愕然としたようです。
高騰する原材料のためカリフォルニアでもサーフボードの価格が上がり続けていますが、そういった状況の中ではメインユーザーの層である20歳前後の若いサーファーたちはなかなか新しいボードを手に入れることができません。
そのため、ちょっと手先の器用な子が僅かな小遣い程度の金額で友達にボードを作ったりします。（それがこの地の伝統でもあり、ロビンもそうやって名を馳せてきたのですが、ロビンたちの世代が彼らと違うのはそののめり込み方とその道で食べていこうという真剣な取り組み方です）
見かけだけはブランドボードと変わらない安価なコンピューターシェープのボードも量販店のようなサーフショップでは多く見受けられ、ちょっと手先の器用な子は人気のピッグ型をしたノーズライダーを見よう見まねで作り、そしてそれを器用に乗りこなします。（上手い子はなんでもうまく乗れるので）
それを見た周りの少年たちはそれに飛びつき、ビーチにはそのような安価でクォリティの低いボードが蔓延し、そのためにサーファーの技量も質も下がっているとロビンは感じました。
そこでロビンはあえて高級なストリンガーをティントやピグメントカラーでラミネートし、もちろん仕上げは光沢のあるポリッシュカラーのボードでビーチに現れたのです。
自分が広めた「ピッグ」ではなく、あえて均等なアウトラインを持つボード『ファットキャット』で、まさに「お前らは何もわかっちゃいないな。ピッグだったらなんでもいいってわけじゃない。ロングボードのことを何もわかってないな」とでも言うように、目に焼き付くようなパフォーマンスを見せつけたわけです。
実用的で完璧なボードがあってこそ、“こだわりのボード”が存在する。
本来はこだわりの頂点にあるボードを作る彼だからこその説得力を感じさせられる、ロビンの意識の高さをあらためて見直されたような気がした、その日のブラッキーズでした。
今日から木曜日までジャレッドに会いにバリに行ってきます。
もう一つの「こだわりでボードを選ぶ」ことにつきましては、帰国後書かせていただきます。
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皆様のお問い合せ、ご来店をお待ちしております。
シーコング藤沢店
田中
