DUCT TAPE 速報
サンタクルーズのスティーマーズ・レーンで行われていた『Joel Tudor Duct Tape Invitational』が終了しました。
朝10時くらいから行われたセミファイナルの第1ヒートは、クリスチャン・ワック、ライアン・バーチ、デーン・ピーターソン、ハリソン・ローチが出場し、1位ライアン・バーチ、2位ハリソン・ローチとなりファイナルに進みました。
ファイナルを見つめる、タイラー・ウォーレンと彼女(コーディ・シンプキンスの妹です)、フェンスの向こうには『アナザ・ステイト・オブ・マインド』でお馴染みの巨匠スティーブ・クリーブランド、ジャレッド・メル、デーン・ピーターソン、MCの席にはジョエル・チューダー、ミッチ・アブシャーの姿も見えます
セミファイナル第2ヒートは、トロイ・エルモアー、タイラー・ウォーレン、チャド・マーシャル、アレックス・ノストで行われ、アレックスが1位、チャド・マーシャルが2位となりました。
その後は、ジョエル・チューダー、タイラー・ハジキャン、ナット・ヤング、ジョン・ハーフィー、ハービー・フレッチャーらによるレジェンド・エキジビションが行われ、ヒートアップしたところでいよいよファイナルを迎えました。
今までシーコングでは、クリスチャン・ワック、デーン・ピーターソン、トロイ・エルモアー、アレックス・ノスト、そしてタイラー・ハジキャンらのボードを取り扱っていたこともあり、一人ひとりのサーフィンはたくさん見ていたのですが、オーバーヘッドサイズでグラッシー、完璧なレギュラーブレイクの中で繰り広げられるライディングはただただ純粋に「すごいなあ」と感嘆していました。
以前、ASPでジョシュ・コンスタブルのバックサイドの宙に浮かぶようなオフザリップの連発を見たときも感動しましたが、今日は全員シングルフィンです。しかも、ノーズライダーという感じのボードは見当たらず、ほとんどがノーズの細い60年スタイルのピッグ状のアウトラインを持ち、そしてグランオンの重たいボードです。それでも全員オーバーヘッドの中ノーズに足をかけますが、ご存知のとおりアレックスのボードなどは先が尖った形状です。彼らの話では、ノーズに浮力は必要ないそうです。タイラーにいたっては超ヘビー級のバルサのボードでの出場です。
そしていよいよファイナルが始まりました。
オーストラリアから参加の若きコンペティターのハリソン・ローチ、注目のヤング・シェーパーのライアン・バーチ、日本でもお馴染みなマリブのチャド・マーシャル、そしてロングボード界のスーパースターとしてアイコン的な存在で誰もが「ナンバー1」と認めるアレックス・ノストが登場しました。
丘の上から見守る彼女のクリスティーナの心配をよそに、アレックスはファーストウェイブから快調に飛ばします。そこに割り言ってきたのがライアン・バーチです。グーフィーフッターながら目の覚めるようなきれいなノーズライディングを連発し、遂にアレックスを逆転しました。誰もがすごいライディングで優劣のつけようがない感じでしたが、残り10分位で再びアレックスが爆発します。
オーバーヘッドの波からテイクオフ、深いボトムターンの後は、ノーズと新しいアレックススタイルのカットバックを連発し、そしてチューブに飲み込まれそうになった後、再び姿を現し、ヘッドディップ、ノーズライディングを繰り返します。
観客は総立ちで歓声を上げ、新しいチャンピオンを祝福しました。
終了後、クリスティーナと話したところ、目にはうっすらと涙が光っていました。
今夜はまたパーティです。表彰式とライブバンドがあるようです。
1年ぶりのカリフォルニアでしたが、この場に来れて本当によかったと思っています。
たくさんのビデオも撮影できました。本来はシーコングのボードに関係あるブランドだけを撮影するつもりだったのですが、大会が始まるとシングルフィンのスタイルの優雅さとテクニックのすごさに圧倒され、ほぼすべてのヒートを撮影しました。
帰ってから編集に追われそうですが、できるだけ早く皆さんに観ていただけるように頑張ります。
ひとつだけ残念なことはロビーがこの場にいなかったことです。ロビーがいたらまたちょっと違った大会になっていたのではと感じています。それほど今のロビーの存在感はこの16人の中にいても特別際立っています。「あー残念」と、ちょっと感傷的になって部屋に戻ると、突然ロビーから電話がありました。ちょうどハワイのバカンスから帰ってきたようです。
「いつ会える?日本での計画を立てよう」と矢継ぎ早に話をし、一方的に電話を切られました。感傷的になったのが損した気分になるように・・・
明日は3時起きで出発します。12時のロサンゼルス発の飛行機の乗り、もう二人の伝説のサーファー「マテオ(マット・ハワード)とブリタニー・クイン」に会いに行きます。明日から私とクリスがスコーピオンベイに行くことはすでにみんなが知っていて、口をそろえて「マットとブリタニーによろしく」と言います。何故なら、ここにいる招待された16人のすべてのサーファーがシングルフィンのすばらしさに目覚めたのはまさに90年代のマテオとブリタニーの功績といっても過言ではないからです。JAZZをバックに、真っ黒のラバーウェットスーツとノーズライディングを8ミリフィルムに収め、映像化したオリジナルのアーティストであり、伝説のスタイリッシュなサーファーです。今も誰にもまねのできないオリジナルのライフスタイルの中で生きています。
現地は19日に満月を迎えます。本来、冬は波はないのですが、満月の日は特別です。1年ぶりの波を満喫し、ニューボードも持ち帰ります。
21日からは、ロビー、ダノー、ウェーバー、ハーバー、ジョン・ペックに会い、あわただしく帰国します。
帰国後はすぐにお待ちかねのロビーが来日し、カスタムボードをシェープする予定です。
今後も、インターネットに繋がる限り、ブログを書きますので、是非、今後の成り行きにご注目ください。