シーコング店長ブログ

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2008年の2月16日に東京・青山で行われるガトヘロイのショー「SUPERIOR THINGS」の打合せのため、急きょ渡米してきました。



今回はせっかく行ったにもかかわらず、クリスマスウィークのため作業は全面的にストップ。
日中はガトヘロイショップの隣にロビーが新しく借りた一軒家の改装工事、夜はレストラン、バー、ライブハウス・・・その間に打合せ。
あっという間の4日間。
時差のおかげで今年のクリスマスは機上で過ぎ去ってしまいました。



ロビーの新しい家は1927年に建てられた一軒家です。
日本ではその当時の家に住むことはもとより、その存在自体も危ういものですが、さすがドライな天候に恵まれたカリフォルニア
凝った造りでないことが幸いし、床のカーペットをはがし、タイルを張り、壁にペンキを塗れば、ほぼ新築に早変りです。
しかも、たった3日で終了です。
床や壁の継ぎ目や少々の凸凹なども気にしないのもカリフォルニア流。どうせ土足(ロビーの場合は裸足)だし...彼女いないし...。
大量消費が唯一の取り柄のアメリカ(こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが)、食事をオーダーすれば日本人感覚の3倍ほどの量、しかも彼らは全部食べるのではなく半分くらい捨てているように見えるくせに、100年近く前の家に住む。
エコロジー感覚も微妙です。
はたして彼女と一緒に新居でクリスマスを迎えたいために、わざわざ日本から来た私を巻き込んでの大作業も、彼女がTV番組(ビキニショー)の撮影のためメキシコのカンクンに行くことになり大喧嘩という幕切れで、「ラッキーだ。日本のショーのためのボードを削りたかったから」と寂しそうに強がりを言っていました。



ガトヘロイショップのあるコスタメサ市はロスアンゼルス空港から南に約30分、ハンティントンビーチの南、ニューポートビーチの内陸部にあります。
近くには、Atwater、ポールフランク、RVCAなどの新興アパレルブランドのオフィスが立ち並んでいます。
メインのサーフポイントはニューポートビーチの「ブラッキーズ」で、アレックス・ノストや、CJネルソン、そしてダノーがローカルヒーローです。リンコン、マリブ、サンオノフレ、カーディフ...とロングボードの聖地は存在しますが、今やここニューポートビーチのロングボーダーが最もトレンドで、コスタメサ周辺でハングアウトします。
彼らのライディングが雑誌を飾り、アンチコンテストのスタイルに影響を及ぼし、彼らのファッションを周辺の若者が真似、そして次々とサーフブランドが興され世界中に広がります。
彼らの露出はサーフィン系の雑誌だけにとどまらず、ハイ・ファッションの雑誌にも登場し、今までのサーファーと一線を画し、時にはアーティストと呼ばれます。



もちろんロビーもローカルヒーローの一人ですが、アレックス=RVCA、CJ=ポールフランク のようにスポンサーを受けているわけでなく、ガトヘロイはロビー自身そのものです。すべてのボードをシェープし、カラーリングデザインをします。
またウェアのグラフィックデザインも素材の選択もします。
さすがにミュージシャンとしての活動はあきらめたようですが。

オーソドックスなドロップニーもスタイリッシュ!!



彼らの溜まり場は、19thストリートにある水曜日ビール飲み放題のバー「アバロン」、その向かいにあるライブハウス「デトロイト」です。
クリスマスホリデーを楽しく過ごすカップルを横目にちょっと飲み過ぎた感じでロビーは以下のようにまくしたてました。



「俺はもうブラッキーズではサーフィンしないんだ。
あそこは男も女も初心者も年配のサーファーもみんなが楽しくサーフィンする場所なんだ。
確かに波のシェープはいいし、ブラッキーズでサーフィンすることはカッコウいいことさ。
でも、あそこにはすでにアレックスやダノー、そしてCJがいるだろ。
子供たちはみんな彼らのサーフィンを真似するんだ。
だから彼らがテイクオフしようとすると周りのみんなは波を譲るんだよ。
そんなところでは研ぎ澄まされたサーフィンはできないんだ。
今、俺がサーフィンをやっているところはブラッキーズよりもっと北にある、ニューポートビーチのリバーマウス周辺さ。
そこにはショートボーダーしかいないんだ。そこで遠慮がちに波を待ち、掘れ掘れのやばい波でテイクオフするんだ。
もちろんノーズなんかには行かずにバレルに突っ込んでいくんだよ。
それが新しい俺のスタイルさ。
あそこで踊っている背の高い奴がいるだろ。」
と言って、20代前半の中に混じって、彼ら以上に踊り狂っている30代の長髪の男を指しながら、さらに激しい口調で、「あいつはね、サーファーマガジンのフォトグラーファーさ。
普段はこの辺りで飲んだくれているんだ。
だけどもうすぐハワイに行くんだ。ああ見えても20フィートの波もへっちゃらなんだ。」
「俺もこの冬はノースショアに行くよ。
20フィートはちょっと無理かもしれないけど、12フィートならやれると思うんだ。
もちろんシングルフィンのロングボードだよ。
今、カリフォルニアのロングボーダーはマリブやサンオノフレ、ブラッキーズのきれいな波でトリッキーな技を決めることばっかり考えているだろ?怖いような大きい波なんて行かないんだ。
それはかつて60年代も同じだったんだ。
怖がる奴は中々行かなかったんだ。
特にマリブになれてる連中は・・・って思われてたんだ。」
「でもね、最後はね、ミッキー・ドラも行ったんだ。
マリブの奴らはあの大波には乗れないって思われてたのに。
なぜだと思う?・・・・」
「サーファーなら“No choice to go NORTH SHORE”なんだ。
だから俺は行かなきゃならないんだ。
俺のスタイルで...goo...」



さて、ショーの話ですが、なにせガトヘロイの企画なので、その日が来るまで確実ではないのですが、ちょっとだけご説明させていただきます。



【ボード】
@5モデルを各5本ずつの合計25本を出展します
@もちろんすべてのボードはロビーの正真正銘のハンドシェープです
@デザイン、カラーは今まで以上に凝った特殊なものです
@それぞれのボードにはアートワークの証明書とボードケース、ブックがつく予定です
@その他にも、ウェアや特製のグッズが売りに出されます
@アレックス他多数がゲストとして来日予定です
@場所は東京・青山です
@年明けに詳細を発表予定です



お楽しみいただけるよう頑張りますので、ご期待いただき、是非ご来場ください。




写真はまったく上記とは関係なく、わずかなリラックスタイムを過ごしたスティーブ・クリーブランド(DVDアナザ・ステイト・オブ・マインドの監督)邸でのジョシュ・コンスタブルとのショットです。