藤沢店の田中です。
まずは今週末までに仕上げるとお約束しておりました新作DVDでございますが、未だ製作途中で完成に至っておりません。誠に申し訳ございませんが、もう少々お時間をいただきたく存じます。引き続き頑張ってまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。
話は変わりまして、昨日、カリフォルニアからガトヘロイ、クリームそしてエルモアサーフボードが入荷しました。
実はその中に、私のオーダーミスによって1本のザーベルが余分に入荷しました。
『ザーベル』は世界のロングボードシーンを牽引するロビンキーガルが2013年、オーストラリアのヌーサで行われた「ダクトテープインビテーショナル」に持ち込んだ(当時はファルコンと呼んでいました)グライダータイプのボードです。
当時のロングボードシーンはこれもロビン等によって(アレックスノスト、コーディシンプキンスとともにピッグの再来を促したのは彼らによってであるということは当時の雑誌「Blue.」にも書かれています)ノーズライダーからピッグへシフトしているころであり、エクストリームなピッグで大胆なカットバックとスピーディなノーズライディングのコンビネーションが全盛でした。
ロビンはそれに先立つフランスのビアリッツで行われた「ダクトテープインビテーショナル」ですでにスピードシェープの『クラシックキラー』を持ち込んでいたのですが、スピードシェープでは直進性が強すぎ、さすがにロビンの脚力を持ってしてもコンテストという体裁の中ではパフォーマンスを発揮することができませんでした。
しかしロビンはすでに自ら興したピッグの再来を通り越し、次なるコンセプトに向かっていっていたのです。
ヌーサに持ち込んだファルコンはスピードシェープではなくピンテールのグライダータイプのボードでした。
もちろんそれ以前にもグライダーは存在しており、特に有名なのはスキップフライなどのサンディエゴ系のサーファーたちがゆったりと、スピーディに長く波を乗り継ぐことを楽しむために使用され、すでにたくさんのマニアックなファンを抱えていました。
しかしロビンの野望はそれにとどまらず、そのグライダーを「ダクトテープインビテーショナル」という世界が注目するイベントの中で、彼なりに進化させたグライダーを披露し、ロングボードを次なるステージへ導くことでした。
彼はそれまでにすでにノーズライダー、ピッグによって再革命を興していました。
ヌーサで新型のボードを駆ったロビンは、多くのサーファーがヌーサの完璧な波でノーズライディングを重視するため比較的低スピードのボードを使用していたのに対し、一気に波の前方に突き抜け、そしてポジションをリカバリーするためにボード2本分くらいの距離をダイナミックにカットバックをするという離れ業を見せ、観衆を轟かせました。
33分くらいからロビンのライディングがご覧いただけますが、その前後の他のサーファーとのライディングのスピードの違い、ロビンのこだわりなども合わせてご覧ください。
そのヒートに破れたことはロビンにとっては大事なことではなく、そのボードがそのような場で機能したことに満足を得たのでした。
そしてここ数年、特にオーストラリアのバイロンベイで開催される“マクタビッシュトリム”を代表するように世界各地ではトリム&グライドのイベントが多数開催されています。
ロビンは2014年以降、スピードシェープ、グライダーを精力的に作り、日本にもたくさんのファンの方を生み出しました。
他のタイプのボード、長さでは絶対に味わえない超高速感と長さを感じさせないパフォーマンス性能が際立っています。
“シンプルに高速で波を乗り継ぐ”ということの魅力を最大限に感じることができると同時に、ロビンの先見性、サーフボードへに関しての知識の集大成と言っても過言ではないでしょう。
比べるものがないその圧倒的な存在感を、ぜひ実物を御覧いただき感じてください・・・・・・と、ここまで書いたのに、あっさりと売れてしまいました。
せっかく書いたので、今日はこのままアップさせていただきました。
『ザーベル』はマニアの方がおい買い替えのため、数本が「イェップ」に出品されておりますので、ぜひそちらも御覧ください。
絶対に手元においておきたいボードに違いありません!
そして、もう1本はこの『プレイピン』です。
ロビンが新しくクリーブブランドからリリースしたクラシックピッグです。
形状はいわゆるベルジータイプと呼ばれるもので、ピッグの中でも古典的なアウトラインです。
レールフォイルもオーソドックスなフルレールに近く、ロビンのサーフボードに関しての知識の高さを感じさせます。
ロングボードのトランジション、エボリューションを標榜するロビンにとっては大胆なまでのクラシック回帰に見えますが、実際にご購入されたお客様のご感想は「やはりロビンらしい」テイストが盛り込まれてるということです。
ガトヘロイのようにスピードに翻弄されることなく、優雅でカジュアルなクラシックロングボードが堪能できます。
残るはこの1本のみです!
ぜひお早めに御覧ください!
皆様のご来店、お問い合わせお待ちしております。
引き続き、楽しい週末をお過ごしください。
シーコング藤沢店
田中