藤沢店の田中です。
カリフォルニア出張中の平塚は最後の晩をロビンと過ごしたようですが、無事に楽しんだかどうか心配です。
なぜなら、、、、
昨夜からロビンが荒れており、大量のメールが届いた後、「眠い」の一言で、今日に持ち越しになり、今朝は朝からずっと電話をしていました。
今朝の電話の冒頭はカリフォルニアの天候からはじまりました。
「冬なのに気温は27度以上あり、空は晴れ渡っている(カリフォルニアは冬は比較的曇りの日も多いので)。しかしその空は完全な青ではなく不気味な水色をしている。」
「プラスチックとフェイクで覆われたカリフォルニアの台地とおかしな大統領のせいですべてがおかしくなってきている。」
「気候の変化は人々の精神にも影響を及ぼし、障害を与えている。」
「若者は思考を停止させ、自らは何も生み出さず、人の後を追って生きている。」
「もう終わりだ。ここには住めない。」
その後もいつものように思いつくだけの不満を口にしました。
久しぶりの剣幕で、話は自己愛に満ちて一方的で、被害妄想が強く、他人を罵倒し続けるので、苦痛を感じつつありましたが、そのうちに私はまるで覚醒したかのように「ロビンは正しい」と思うようになりました。
確かに彼は傍若無人で周囲の人間とはうまく交わることができません。しかしその心の中は孤独感と悩みに侵されています。
彼はサーフボードのシェープに対する知識とそれをいかす技術力は誰にも負けないと自信を持っています。そしてシェープやサーフィンを元に得た経験やネットワークを駆使し人生を切り開いてきました。
しかし、後から割り込んできた者に真似され、すべてを剥ぎ取られていると感じ、この世界から逃れたいともがいています。
その姿はまさに天才芸術家そのものです。彼はシェープやサーフィンだけにとらわれない創造性とセンスをあらゆる方面に持ち合わせています。それ故に周りを信用することができず、悩み、苦しんでいます。
私は話を聞き、そして「好きなようにやったらいいさ」としか言うことができませんでした。
長い間、苦楽を共にしてきましたが「もはや、ここまでか」と思いかけた時、「桜の見頃はいつ?」と突然ロビンが言いました。
色々書きましたが、この春、待ちに待ったロビンが再来日します。
この冬の仕事を終えた後、オーストラリア、日本を周り、再びフランスに移住を果たします。
今までとはシェープのスタイルを変え、「レベルクラフト」と称するプロトタイプボードの製造のみに集約していきます。
彼とは19年にも及ぶ腐れ縁です。今後も彼の動向を見守っていきたいと思っています。
最後にロビンは「今、ヤス(平塚)が来たから」と言って電話を切りました。
シーコング
田中