藤沢店の田中です。
来週14日に迫った新店舗「篠崎店」の開店まであと1週間ですが、待ちきれずごった返した店内でボードをご購入いただいているお客様もいらっしゃるようです。店長の藤屋は開店までも大体いますので、もしご希望がございましたら一応藤沢店までご連絡ください。
先週入荷したボードの多くはまだ藤沢店にあります。新店舗でご覧になりたいご希望の方は、是非、ご遠慮なく「移動希望」をご連絡ください。開店日までにすべて「篠崎店」にお運びしておきます。
新しい「篠崎店」には駐車場も完備しています。お店の前、横にも停められますが、ちゃんとした駐車場もございます。
以前の錦糸町店や成城店のように、知らぬ間に“駐禁”ということもございませんので、心行くまでゆっくりとボードを眺めてください。
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先週入荷した“アンサー”ですが、私も乗ってきました。
以下に、正直な私の感想を記します。
最初に乗ったのは昨年末のモロッコでした。
昨年10月頃、ロビーが「ビーチボールをやめるから」と、突然言い出したのは以前にも書いた通りです。
「おまえさ、今シーコングで一番売れているボードなんだから、勘弁してくれよ・・・」と、思いつつも、ロビーにそんな私の言い分が通じるわけもないことをよく知っている気の小さい私は、「じゃあ、どうしたいの?」と小声で聞き返すことしかできませんでした。
するとロビーは、「もっといいボードを作るさ。決まってんじゃん。テイクオフが速けりゃいいんだろ?・・・」
という成り行きでできたのが“アンサー”ということは今までに何度もお話ししたとおりです。
そして野生のラクダと羊しかいない最果てのモロッコでその“アンサー”を試したわけです。
☆モロッコでアンサーに乗る私(嘘です。ロビーです)
私の一番心配していた(多くの皆様が気にしていることと同じです)テイクオフですが80?オーバーの私でも9.5ftで十分という印象を受け、すごく乗りやすいし、これなら“ビーチボール”がなくなっても大丈夫そうだなあと思い、“アンサー”のへの変更を了承したわけですに至ったわけです。と、ここまでの話も何度か書きました。
そして今年の春から順調に“アンサー”は売れていたのですが、ある日お客さんから「そりゃモロッコのいい波だったら、どんなボードだって平気じゃない?テイクオフで周りと競うわけでもないし・・・」という、ごもっともなご意見をいただきました。
そこで、磯ノ浦で平塚が乗り、鵠沼で渡辺が乗り、そして私も乗ってきたわけです。
仕事の合間をみて、波のまったくない湘南をあとに、一人早朝のフェリーに乗り、千葉に行ってきました。
千葉北、茨城方面ではいい波が入っているという情報もあったのですが、当日の目的はいい波に乗ることではなく、“混雑した場所でテイクオフが速いかどうか”を確かめることだったので、千葉の南の方に行ってきました。
持参したボードは9.6ft、体重からいえば9.8ftなのですが、在庫があまりなかったため、9.6ftにしました。
当日のコンディションは、サイドショア、ヒザモモとあまり恵まれてはいませんでした。
そして感想です。
ゲティングアウトはサイドからの風のためボードが揺れる感じで、スタイリストに比べれば少々揺れて手こずる感じでした。太目の私にはスタイリストのほうが横揺れしないので楽に感じ、ボードも揺れないので、速いと思いました。当日はサイドで面が乱れていたためですが、オフショア、面ツルならあまり遜色ないと思います。(※あくまでもスタイリストと比べて意識すればということで、普通のボードより全然速いと思います。ボードの揺れはこういうときにも感じるということです。)
サイドショアのためテイクオフをする時のパドリングの漕ぎ出しもボードが少し揺れる感じでしたが、5メートルくらい進むときにはその揺れは感じなくなります。もちろんうねりから乗ることはできるのですが、こういうコンディションでのスタイリストの安定感は驚異的で、まったく面の悪さを感じさせないのでスタイリストのほうが速いと思いました。(※私の体重が重いことが原因です。太目の体型でない方はまったく問題ないと思います。)
テイクオフ後の感想はまったく逆転します。
とにかくボードが速い、速い、よく進むという感じです。先ほどまでの不安定を微塵も感じさせません。
少し加速しようと前に歩いても、ほとんど安定感を失うことはありません。(※先端まで行ったわけではありませんが)
ライディングの感じはパフォーマンス系とまではいかなくてもハーバーのバナナくらいに乗っているような軽い感じで、幅広いボードの特徴の少しもったりとした感じはなく、“軽快!”そのものでした。とくにスープにつかまった時もスピードの衰えがないので、チーターファイブのような感じでスープの前に前に出ていくのがすごく速く感じました。レールを少し入れるだけで波のパワースポットにボードが自然に入り加速するように思えました。
ボトムターンで加速し、波を乗り継ぐという単純なライディングがすごく気持ちよくできるボードだと思います。本来は波にあてこむタイプのボードではありませんが、フローターのような動きなら問題なくできると思います。
1時間半くらいの試乗だったのですが、結論から言えば、癖のない簡単なボードです。私のように体重80?以上、太目、テイクオフ超苦手なら、やはりスタイリスト、パフォーマー、プレイナー、カリフォルニアンがいいと思いますが、女性、痩せ型から中肉までの方、体重75?未満の方、そしてすでにスタイリストやビーチボールを持っている方、現在スタビのボードに乗っている方には、絶対にアンサーのほうががお勧めです。
初めてウェーバーのボードを乗った時の感動と同じように、新しい感動が味わえます。
大変楽しいボードでした。
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話は変わりまして、「NALU」最新号です。
先週の「オンザボード」に続き、アレックス、ジャレッド・メルが目白押しです。
日本だけでなく、海外のどの雑誌をご覧になっても彼らの写真が掲載されないことはないくらいです。
同じように優れた上手いサーファーは星の数ほどいるのに、なぜ彼らだけが注目を浴び続けるのか・・・・それは掲載されている写真がすべてを語っています。
⇒アレックス・ノスト 『BROWN MICROWAVE TELEVISION』
⇒ジャレッド・メル 『SURF A BILLY』
また、マリブの歴史の特集が組まれていますが、56ページに掲載されているマット・キブリンの写真は、まさにロビー・キーガルのパラレルスタンスと酷似しています。というよりか、もちろんロビーがその当時のスタイルを意識しているわけです。何気ないライディングの中にも彼らのサーフカルチャーの奥深さが垣間見えます。
とりあえず、本屋さんで要チェックです。
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と、そのロビーですが、今は何をしているかというと、まだカリフォルニアにいます。
15日にフランスに完全引越しをするのですが、ビザの関係などで長引いて、その間に50本のボードをシェープしたそうです。
近日中にそのリストが送られてくるので、「その中から欲しいのを選んでくれ」と今朝、メールが来ました。
「あと1週間の間に、ウェブサイトをリニューアルするから」と、メールが来たかと思えば、カリフォルニアの愛すべき可愛い子ちゃん“ジル”のメールを転送して来たり・・・
今後作るボードのコンセプトとラインナップをメールして来たりと、相変わらず、ハイパーでアグレッシブでマイペースです。
彼が現在のシングルフィンロングボード界の最高峰にいるのは間違いないのですが、カリフォルニアに背を向けてフランスに行ってしまい、露出が減ってしまうのはさみしい限りです。
まだまだ盛り上げてもらわなければ・・・・
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長くなりましたが最後に、今週末のお勧めのボードです。
2009年、ハーバーサーフボードから1冊の本が刊行されました。
「HARBOUR CHRONICLES」です。ハーバー創立50周年を記念して作られたハーバーの歴史が詰まっています。
その中には、サーフボード史上の名作と謳われる逸品の数々の写真が掲載されています。
「チーター」、「トラッセルズスペシャル」そして「バナナ」などです。
そしてこちらをご覧ください。
これらのボードは現在の藤沢店の在庫です。
左の3本は、昨今のクラシックブームを反映してレプリカ製作されている「66バナナモデル」です。
一番右のボードはテイクオフとオールラウンド性がミックスされた「サンオー」です。
写真のとおり、60年代当時のデザインを完全に再現しています。昔のボードを昔のままのデザインとフィーリングで楽しめます。
このようにこだわりでボードのデザインを選べるのもまたロングボードの楽しみです。
こちらはガトヘロイのの3本です。
現在発売中の「キラー・クラシック(中央)」へと続いた、ガトヘロイ最新クラシックログの系譜です。
左端は「LOGNOUT」。ロビーの愛車のナンバープレートと同じ名前です。厚みのボリュームが中央より少し前にあり、アレックスのデスダガーのようにボードの前部分でトリムし、伸びのあるカットバックを生み出します。
中央は「キラー・クラシック」。ロビーのこの1年の集大成、渾身のログです。
右端は「トリム・アウェイ・ログアウト」。ボードの最大厚は「キラークラシック」同様に真ん中部分にあります。テール幅は「キラークラシック」よりも広く、「LOGNOUT」と同じです。
3本とも、圧倒的な存在感に包まれています。
それでは、よい週末をお迎えください。
シーコング藤沢店
田中