シーコング店長ブログ

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「普段はここからパドルで行くんだよ」とジョン・ペックが話しながら、サンオノフレの駐車場からチャーチに向かって歩いていると、一人のサーファーが駆け寄ってきました。



■チャーチから見たサンオノフレ


■チャーチから見たトラッセルズ方面
(当日はオンショアでイマイチでした)



・・・「ジョン・ペックさんですか?」


・・・「そうだけど、えーっと、誰だっけ?」


・・・「私はブラッドです。初めてお目にかかりました」

・・・「あーそう。それははじめまして」

・・・「お目にかかれてとっても光栄です。あなたはずっと昔から私の憧れの人でした。あなたにあえて本当にうれしいです。今日は私のサーフィン人生の中でもっとも幸せな日です」

・・・「オー、マイフレンド。私も凄くうれしいよ」


実はカリフォルニアでジョン・ペックといて、このような状況に出くわしたのは初めてではありません。今までに何度もありました。
まだ日本ではあまり紹介される機会がありませんが、ジョン・ペックというのはこの逸話が象徴するような人です。



ジョン・ペックは元々はコンテストサーファーとして活躍していました。

サーファーらしからぬポップな風貌と当時のサーフィンカルチャーの代表的存在としてジミー・ヘンドリックス等とも交流がありました。
その人気は一昔前のジョエル・チューダーや現在のアレックス・ノストをはるかに凌ぐものです。


そして1963年の1月1日、レギュラーフッターとして史上初めてパイプラインをメイクしたことにより、まさにサーフィン界のスーパースターに上り詰めました。


一昨年の来日時、藤沢にある「アベシェープデザイン」の阿部さんのファクトリーをお借りすることになって、ジョン・ペックを連れて行ったときの阿部さんの驚きと感激は、当時を知る人だからこその凄いものでした。まだ海外のサーフィン情報がなかなか手に入らなかった時代、入手した貴重な海外のサーフィン雑誌を飾っていたのはジョン・ペックその人だったらしいです。

■当時の写真を手にするジョン・ペック


ジョン・ペックを日本に連れてきたロビーは言います。
「ジョン・ペックは“レジェンド”といわれるサーファーの中で唯一今でもビッグウェイブをメイクするただ一人のサーファーなんだ。現在のカリフォルニアのロングボーダーにとって特別の存在なんだ。彼が口に出す、昔の話は凄く貴重ですべて聞き逃さない」

「あの時なぜパイプラインに行ったのか?」

「そのときのボードのレール形状は?長さは?」

「誰と一緒に行ったのか?」

「ジョン・ペックのすべてが伝説であり、真実なんだ」


しかし実際ジョン・ペックと一緒にいるとそんな気取りはまったくありません。知られているように、現在はすべての酒、タバコ、工場で製造された食料品を一切口にせず、蜂が集めてきた花粉と太陽からエネルギーを吸収するヨガのスペシャリストです。とても暖かい空気を放ち周りを和やかにしてくれます。



オールドスクールの『ペネトレーター』


待ち合わせしたサンオノフレの駐車場で車からボードを降ろしながら、
「ハワイのカウアイ島の家にボードをほとんど置いているため、今日のボードはこの波にはあんまり合わない」と言い、降ろしたボードはなんとオールドスタイルの『ペネトレーター』でした。



■ワックスUPするジョン・ペック


カリフォルニアでは、ノーズの幅が広いノーズライディング主体のロングボードではなく、1960年代の本当のロングボードの魅力を味わうボードが一世を風靡しています。
先日サンタクルーズで行われた『DUCT TAPE』に招待されたほとんどのサーファーもそのようなタイプのボードを持ち込んでいました。


しかしジョン・ペックやリッチ・ハーバーなど当時から続いているシェーパーはそのようなスタイルには無縁です。
だから彼らが作るボードはそれほど重くなく、レールにはエッジが付いていて、オールラウンドな性能を発揮します。長年にわたり新しい素材や性能を受け入れサーフボードの発展を担ってきた彼らは「そのほうがボードの性能がいい」ということを重視しているからです。若く人気があるサーファーは昔に目を向け、その当時を知るサーファーは逆に新しいものを受け入れていることはとても面白いと感じました。


で、ジョン・ペックが降ろした『ペネトレーター』ですが、現在のボードに比べ、ストリンガーが太く、クロスも2オンス厚い物が使用されていました。また『ペネトレーター』のシンボルでもあったノーズの「スリップチェック」と呼ばれるヤスリ状の滑り止めも貼られていなく、その代わりのその部分を黒く塗りつぶしていました。


「格好いい。次のボードはこれがいいなあ」と言うと、

「シェープはほとんど同じなんだけど、これは重過ぎるから、今シーコングにある『ペネトレーター』のほうがずっといいよ」と言われました。


でも見れば見るほどその重量感、重厚感が放つオーラに引き寄せられ、やっぱり格好いいなあと思いながらも、どうしようかなと迷っっていると、現地の友人の大勢が「何で迷うんだよ、ジョン・ペックだよ。貴重なんだよ。宝物だよ。」というので、この『オールドスクールペネトレーター』を5本オーダーすることにしました。

9.2ftが1本、9.4ftが2本、9.6ft、9.8ftも各1本の合計5本です。この春入荷予定です。


■後光が差しているジョン・ペック


チャーチでのジョン・ペックのライディングもただいま編集中です。
楽しみにしていてください。

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メキシコのマテオ&ブリタニーから写真が届きました。

先日、私がアップした写真が気に入らなかったらしく、こっちのほうがいいと言ってきました。さすが芸術家です。


■まもなく届く超芸術的なボードを手にするブリタニー


■スクールバスを改造したシェープルームでシェープするマテオ


■真帝王ことマテオ


■二人の新車


■エアマットを楽しむ2人


■所有地内にある手作りのスケートプール『オチョ』と彼らが作ったボード


■オチョでスケートするマテオ


■上空から見た『オチョ』


売れ切れていた『カレンダリオ』も少量だけ持ち帰ってきたので、こちらのほうもお早めにどうぞ。



まだ時差ボケがなおらず今朝も5時からこれを書いています。年を感じます。


シーコング